2019年09月22日
車椅子移動車 追記
周りの方から、8ナンバーについてかなり聞かれましたので、少し書いてみます。
所有しているアストロは車椅子移動車登録をしてあります。全て自分で改造、登録まで行っています。
自分でやったという事を自慢したいわけではなく、自分で出来る、それほど難しい訳ではないという事を知ってもらいたいという気持ちもあります。
構造変更で面倒なのが、道路運送車両法や保安基準の解釈です。
今までも事務室車や放送宣伝、エンジンスワップやAT→MTの公認など様々な検査を行ってきました。技術的な部分ももちろん重要ですが、検査に関してはしっかりと法律を理解することでパスできます。全くわからないという方も多いと思いますが、その時は聞けば良いのです。詳しい人やそれこそ陸事の人たちに。
車屋さんは車検や構造変更は飯のタネですから、もしかしたら教えてくれないかもしれませんが、陸事は絶対に教えてくれます。しつこく聞いたって良いのです。DIYでやるならば、恥ずかしくても聞くことが近道ですよね、車に限らず。
前置きが長くなりましたが、今回車椅子移動車登録に際して、やはり書面では分からないことが有ったので陸事に行って聞きました。
わからないことを質問するときちんと図を描いて説明してくれ、かなり丁寧に教えてもらえました。今回は新規だったので現車がありませんでしたが、現車があれば持ち込みで確認してもらえます。
ちなみに、話を聞きに行く時間は16時頃が良いです。レーンでの検査が終わり検査官が事務所に来る時間となります。
車両の設備について。車椅子移動車は車椅子を載せるためのスロープやリフトが必要となります。もちろんスロープでの申請を予定していたので、そのあたりも確認しました。
まず、スロープに関して、長さの規定はないとのこと。幅も車椅子が通行できれば問題ないそうです。
一応車椅子用のスロープを用意したので問題ありませんが、何でも良い感じです。実際にバイク用ラダーで検査受けた方もいます。
ただし、車と固定していないとNGです。固定というのは、工具を用いずにスロープを車両から下ろせる(外せる)のはNGという解釈でした。荷物とみなされてしまう訳です。
ということでスロープと車両をワイヤーで結ぶ事で固定とします。一端は車両とネジ止め、もう一端はループ状にしてスロープに通し対応しました。ネジの太さ、ワイヤーの太さの規定は無いそうです。
車椅子の固定装置も必要です。こちらも一端は車両に固定なので、車両に既存のボルト…シートの固定ボルトや床フックのボルトと共締めでOKです。
タイダウンベルト自体は指定はありません。実際に車椅子を用意して固定しましたが、しっかり固定できる物の準備と配置を行えば問題ありません。4ヶ所で4本使います。
あとは車椅子用のシートベルトが必要です。今回は既存のシートベルトを組み合わせて使用しましたが、長さが微妙だったので実際に路上にて使用する前には安全のため専用の物を設置した方が良いです。
内容としては、サードシート用のシートベルトがルーフから伸びています。そのベルトの下側(ホイールハウス部分)を外し、そこにサードシートから外したキャッチを取り付け、反対側にサードシートのセンター席用ベルト(2点式)を留めて使用しました。検査においては問題ありませんでした。
面積について、これが分かりづらかった部分でもあります。
まず、面積Aとして、客室内長、客室内幅があります。
客室内長とは、運転席及び助手席のシートバックからリヤゲート(間口)までの長さ、室内幅はリヤゲート開口部の幅で測定しました。
さらに面積Bとして、車椅子用面積があります。セカンドシートバックからリヤゲートまでの長さ、幅は同じく開口部で測定です。
ちなみにBの面積はもう1つ加算があり、車椅子介助者用としてセカンドシートの1名分の面積を足すことになります。
そしてBの面積が10,000c㎡以上あればOKです。車椅子移動車を検討する場合、まずはこの面積が取れるかどうか確認の必要があります。
さらにB/(A+B)>0.5に適合していることも条件です。
このあたりは実測になるので、まずは自分で測定してみて、余裕があるならば大丈夫ですが、ギリギリであれば1度確認をしたほうが良いと思います。
そして車種によっては難関の高さがあります。通路及び固定場所として113cmの確保です。
通常リヤゲート開口部の高さが問題なければ室内の高さは確保できるはずです。アストロの場合、リヤエアコンのダクトのせいでルーフが低くなっているので、その手直しが必要です。ここは車種によって変わってくるところだと思います。
ただし、審査事務規定によると寸法において、新規検査及び構造等変更検査ににおいて「この限りではない」と謳っている部分があるので、ここをうまく読み解いて下さい。
車両を保有するにあたり、1ナンバーでももちろん良いですが、どう考えても車椅子移動車登録が可能であればメリットは大きいです。しかもそれほど出費や手間も掛からずできる訳です。
日常的に車椅子を載せるわけではなくても違法ではありません。もちろんスロープを下ろしたら違法、脱税になりますから注意が必要ですが、スロープも収納をきっちりすればそれほど邪魔でもありません。
なんにせよ、きちんとした設備の状態で、いつでも車椅子を載せることが可能な状態であれば違法でも脱税でもないわけですから、1ナンバーでサードシートを復活させて乗るよりは良いかと思います。
そのうち放送宣伝や事務室車のように規制がかかるかもしれませんが、福祉車両はこれから先ももっと需要が高まる事でしょうし、安易な規制はしづらい気もします。規制前に登録しておけば規制前の基準で検査も通るわけですし。
検査官の熟知度によっても検査に受かる受からないが出てきます。
このあたりは特殊な車検の時にいつも軽く揉めます。ただ、ダメなものはダメな訳で、ゴリ推しで通すというわけにもいかないのでしっかりとした根拠を自信を持って説明できるようにしておくと良いかもしれません。
任意保険?全く問題ありません、加入できます。
高速道路料金?乗用車区分でETC割引適用です。
1つの選択肢として、DIYで構造変更、いかがですか?
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Posted at
2019/09/22 14:38:18
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