
新橋のタミヤプラモデルファクトリー店舗移転オープン一周年を記念して、
普段は静岡市の田宮模型本社に展示のタイレルP34が出張展示されると聞き早速見に行った

隣の売り場には勿論1/20と1/12のプラモデルが沢山積まれていた
このタイレルは6/30(月)まで展示されるとの事である
思えばガキ時分のスーパーカーブームのさなかにやって来たF1インジャパン(と呼ぶのは1976年大会だけで翌1977年大会は「F1日本GP」と呼ぶらしい)
当時はケイブンシャのスーパーカー大百科やら幼児向けの雑誌にまで関連記事が載り、
「グランプリの鷹」などレースが題材のTVアニメまでが放映されたのを覚えておられる方も多いと思われる
名作F1マンガ「赤いペガサス」を読む機会は当時なかったが、
幼児向け雑誌の漫画の中で当時の日本でのF1について描かれたものを読む機会はあった

講談社の低学年向けTV情報誌「テレビマガジン」に連載された、
ポルシェ934(!)を駆る刑事の活躍を「ゲームセンターあらし」でお馴染み、すがやみつる先生描くところの「ひみつ指令 マシン刑事999(キューキューキュー) 」の一編「ねらわれたF1マシンの巻」がそれである
─1977年のF1日本GP開幕を前に会場のどこかに時限爆弾が仕掛けられた!
犯人は?そして爆弾は何処に?
犯人はその数年前に富士スピードウェイの30度バンクで発生した大事故に巻き込まれて重傷を負ったという元レーサーの男だった
その男を捕らえて爆弾のありかを吐かせるために取った方法は、
ポルシェ934の助手席に男を乗せて当時既に閉鎖されていた30度バンクに突っ込んで行きトラウマを呼び起こさせるというもの
ついに男はタイレルのパトリック・デパイユ車に爆弾を仕掛けたと白状し、
起爆時間の迫る中、既に予選出走中のタイレルとのチェイスが始まる─
といったストーリーだった
かなり後になって風戸裕・鈴木誠一の両名が亡くなった1974年の富士グラチャンレースでの大事故が元ネタになっていると知ったが、
子供向け雑誌になんとハードなネタをぶっ込んで来た事か
考えてみればそのグラチャンの大事故も1977年のF1日本GPからはたったの3年前という事にも驚かされる
更に作中ではめでたしめでたしに終わっているものの、
実際の1977年のF1日本GPではタイレルのロニー・ピーターソン車の後輪にフェラーリのジル・ヴィルヌーヴ車が乗り上げてしまい、
宙を舞ったヴィルヌーヴ車がコース外の立ち入り禁止区域にいた観客の中に飛び込み2名が死亡する事故が発生
(ヴィルヌーヴはその5年後にも同様の事故を起こし今度は自身が命を落としてしまう)
その後F1GPは中嶋悟を伴い鈴鹿に舞台を変えて日本に戻ってくるまでに実に10年を要してしまう訳である
もしこの空白期間が無かったら…
今でもそう夢想してしまうのは私だけではないだろう
時に運命はフィクションよりも過酷…
「たいれる」はそんな感慨をも呼び起こさせる一台だった
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2025/05/24 20:30:49