
かれこれ2年前の夏の話である。
もっと具体的に言えば、ウナギ(前所有車のインプレッサ)からchérieちゃん(A3)へ乗り換えるほぼ1週間前のこと。ウナギのラストランへ行きたいねと家族と前々から話していた。あれだけウナギとはあちこちへ出かけたのだから、お別れの前に思いきり高速を走らせたかった。しかし、家族は相変わらず仕事で忙しく、予定を立てても日程は二転三転。決行となった日でさえも14時には仕事には戻らなければならないという。
そうなるとあまり遠出はできない。
いろいろ検討を重ねた結果(ちょっと大げさかな)、群馬県は渋川の永井食堂へ行くことにした。私達には今回初訪問となるが、群馬でもトップクラスの人気を誇るもつ煮屋さんだ。豚のもつ煮は群馬県のソウルフードらしく、地続きの埼玉県北部から中央部にかけても、たとえばうどん屋さんのサイドメニューとしておいてあったりする。最初そのメニューを見たときは「うどんにもつ煮?」と不思議な思いがしたものだった。
永井食堂は関越自動車道 赤城ICからほど近い風光明媚な場所に位置する。
片道 1時間半から2時間のドライブで到着するだろう。

今回のルート。片道100kmの道のりだ。
関越自動車道を走るのは、ほぼ1年ぶりでもあり気持ちは高揚する。行きは私が運転し、帰りは家族が運転することにした。
「ウナギで高速を走るのも、これで最後だねぇ」と語りかけながら、スピードをどんどん上げていく。ウナギも老朽化したエンジンをうならせながら、追い越し車線をぐんぐん走ってくれた。あとは警察車両に気を付けるだけ(県内は多いです)。
なのに、県境を越え群馬県に入ると道路も混んできて、思いどおりに走れなくなってきた。
とっても残念!

関越自動車道(HPより拝借)
不本意に減速したまま走り続け、そのまま赤城ICへ。その先には、くねくねとしたかなり急な下りの山道が続く。こういう道はあんまり得意じゃない。しかも後ろにはバイクがついていて、私のもたついた運転にしびれを切らしているようだった。
「先に行かせてあげたら」という家族のちょっぴりイジワルそうな声に、ふとわれに返り一時停止してバイクを先に行かせる。
ノロノロ運転を続けるうちに平地となり、さらに1本道となった。利根川に沿って続く国道17号線である。しばらく進むと永井食堂が現れた。正午前にも関わらず、駐車場は車でいっぱい。県外ナンバーもたくさん。店内も混んでいそうな気配がする。私たちも急いで店に向かった。

場所を見つけてウナギを駐車した

永井食堂前景(HPより拝借)
店に入ると衝撃的な光景が待ち受けていた。日よけと思っていたむしろの中は、ドアが全開状態。クーラーは申し訳程度に動いているだけで、とにかく暑い。汗が首筋を伝う。
しかも席はカウンター席のみ。たくさんの椅子が置いてあるため、一人一人のスペースは大変狭い。都心の立ち食いソバ屋だって、よその人とここまで接触しないだろうというくらいのパーソナルスペースの狭さだ。

もつ煮定食はこの角度で置くこと(HPより拝借)
注文をお願いすると、ほどなくしてもつ煮定食がやってきた。「(食事ののった長方形の)お盆は縦に置いてください」と指示された。確かに横置きだと場所を取る。隣の人とひじが当たらないように細心の注意を払いながらの食事だ。ゆったり、のんびり、おしゃべりしながら、というより、さっと食べてすぐに立ち去るといった風情の食堂であることを強く感じた。ここはオッサンと兄ちゃんのための食堂だ。確かに女性客はまばら。とにかく回転が早い。なので女性一人もしくは女性グループで来るには、よほどの勇気が必要なのではないかと思われる。
量はこんもりと多いので、お腹は空かせてきてよかった。じゃないと食べきれない。あっさりとした味付で、ご飯はすすむ。味噌で煮込まれた薄味の汁も飲める。
しかし、食が進めが進むほど、汗が滝のように流れてくるので、ハンカチが手放せない。ここへ来るなら、気候のよい春か秋のほうがいいと思った。
隣の男性客が食べ終わって、スペースができてラッキーと思ったが、すぐに別の男性客がやってきた。
夢中になってどんぶり2つ(もつ煮とご飯)を平らげた後、ふと横を見ると年甲斐もなく大盛をたのんだ家族は、めずらしく悪戦苦闘していた。量が半端なかったのである。
会計を済ませ、外に出ると右手にお土産コーナーが見えた。
食堂への小さな列ができているが、お土産コーナーにも列ができている。どうやらお土産だけを買いに来る人もいるらしく、こちらは女性客が多かった。
ご近所ならテイクアウトのほうが絶対いい!
3人前と書かれた大きな袋には、ギュッともつ煮が詰まっていて重かった。3人前どころの量ではない。お土産用に4袋購入したが要冷蔵だったので、持参した保冷バッグに何とか詰め込む。ちなみに賞味期限は短めである。

お土産の「もつっ子」(HPより拝借)
帰りの運転は、家族にバトンタッチ。途中、道の駅こもちに寄り、ブルーベリーやこんにゃくなどのお土産を買い、暑かったのでソフトクリームを食べた。

道の駅 こもち(HPより拝借)
関越自動車道の上りはガラガラなせいか、家族は楽しそうに運転している。
「もうこれで、ウナギとの高速は終わりなんだな」としんみりしながら、地元のICで降りた。あとは新しい車が来るまでの残り数日、一般道をたくさん走ってウナギとのお別れをしよう。でも、名残惜しすぎてウナギとお別れできない気がしてきたのも事実。
どうしたらいいのだろうと、一人苦悩に打ちひしがれる日々が納車される直前まで続くこととなる。
この続きはまたいつか。
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2020/09/13 22:06:33