
車検から帰ってきたchérieちゃんと、せっかくの4連休だからふらっと出かけたい。
だけど暑いなか、車を出たり入ったりはしたくない。それだけでくたびれる。
それにせっかく遠出した挙句、ランチだけで帰るなんてもったいないし…
熟考すること数日…
美術館とか博物館へ行くことを思いつく。
中は涼しいし、一度入れば2時間くらいは鑑賞しているはず。
それにランチをつけて帰ってくればいいではないか。
ではどこへ行こう?
それほど遠くはないどこかをネットで探していると、「栗田美術館」がヒットした。
伊万里と鍋島の陶磁器に特化した美術館。
そして三万坪の庭園を有するという…
悪くな~い
焼き物大好き!
お庭も好き!
というわけで4連休初日に出発。
そんなに急いでもつまらないので、下道でのんびりと向かうことにした。
連休初日にも関わらず、それほど混んでいないのがいい。
あ、利根川
坂東太郎だ!
まるで大きな沼のような見晴らしに感動を覚える。

栗田美術館・玄関
自宅から2時間ほど走った田園地帯の先に、お目当ての美術館はあった。
近所には藤棚で有名な、あしかがフラワーパークもある。
それにしても駐車場が広大すぎる!
しかもchérieちゃんともう一台しか停まっていない!

緑の先に見えるのは本館

左手奥から本館へ入る
そして中も広大だった。
豊かな緑の中に、建物が点在していた。
そこを歩いて見て回るのだ。
サンダルに素足はあまりいい選択とは言えなかった。
砂利がどんどん入ってくる…

本館・昭和50年開館
さあ、陶磁器の鑑賞に入りましょうか。
ため息の出るような陶磁器の数々。
また作品に添えられた解説もまた、読んでいておもしろい。
【伊万里】
日本で最初に作られた陶器
ヨーロッパ人の好みに合わせて、絢爛豪華な作品が多い一方、造作が雑なもの、美的センスに難があるものもたまにある。
ちょっとばかりいい加減でも、売れてたからかな。
でも国内向けにはキチンと作る。じゃないと目の肥えた人たちには売れないよね。

伊萬里色絵赤首輪犬置物
愛嬌があって、あまりにカワイイのでお土産に絵葉書を購入
今にも動き出しそう。
ビクターのワンちゃんみたい!

His Master's Voiceね。(HPより拝借)
【鍋島】
肥前鍋島藩御用達の陶器
藩主の自家用、贈答用、献上品として、門外不出に近い扱いを受ける。
上品で美しい。シンプルなデザインであっても手の込んだ造作が見て取れる。

染付紗綾形大根文皿(HPより拝借)

歴史館・昭和54年開館
まだまだ、見せてくれるらしい。本館だけでも、かなりの量だったけど…

唯一撮影の許可された空間
左手後ろのとっても大きな壺は、今年の大河ドラマ「青天を衝け」でも描かれた、パリの万国博覧会に出品されたものだ。そして、これら大壺に魅了された見学者たちにかなり売れたとのこと。

(HPより拝借)
イギリスのロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーが、プライベートで訪れた際の写真も残っている。
この写真のフレディと大壺を見ても、大壺の大きさが想像できよう。

歴史館の階段をどんどん登っていくと、展望室がある。
資料館ではおもしろい解説文にであった。趣旨は以下のとおり。
伊万里の初期は、中国の景徳鎮の陶器を真似て作るようにとヨーロッパ人に言われて焼きだしたが、出来は稚拙であった。
そのうち景徳鎮を上回るような作品を作りだすようになると、中国から真似をされるようになった。
その後、価格破壊的な陶器が中国で出回るようになると、高価な伊万里は大打撃を受け、結果として、伊万里は国内需要へ目を向けるようになる。
う~ん、歴史は繰り返すと興味深く読んだ。
しかし今の日本の製造業には、国内需要を掘り起こすのは至難の業だし、それが伊万里とは違うところなのかもしれない。
みっちり2時間、鑑賞してまわった。
見学者もほとんどいなくて、ほぼ独占状態。

帰るころには、ポツポツと来館者もやってきた。
天気もそれほど暑くなくてよかった。
日本一暑いといわれる熊谷に近いのに、川一本渡るだけで気温が違うものなのかしら。

出発点は在住する区役所にしておいた
今回のドライブは片道56km
平地をずっと走りつづけた。
次回は紅葉の季節に来て、ふたたび陶器の世界に浸りたいと思う。
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美術館・博物館めぐり | 旅行/地域
Posted at
2021/08/10 23:49:48