この人を好きでいるのは止めようと思った…
(こんな話題、まったくもってみんカラには似つかわしくないと思いつつ…)
とってもとっても昔の話。
だから、今回は自分で取った写真もなし。
借り物の写真と思い出だけで書き綴っていきます。
今さらなぜって?
それは恒例の「この風景はいつか来た風景」だから。
今月のアウディのカレンダーはコレ!

写真の師匠のTちゃんに撮ってもらいました。どうもありがとう!
うん、
こういう時こそ傷心旅行に出よう…
そして海でも眺めながら、めそめそしよう。
(テレビの見すぎか?)
行き先はわりとすぐに決まった。
まだ足を踏み入れたことのない四国に行ってみたい。
そうだ!せっかくだから友達も誘おう。
当時広島に住んでいた友人Nに声をかけると、Rちゃんも誘おうと言う。
3人で四国、うん、楽しそう!
(あれ?)
そして仕事の合間を見て、旅行の準備を進める。
【大まかな旅程】
仕事終わりに飛行機で松山(愛媛)入り→電車で宇和島まで移動→レンタカーで足摺岬(高知)を目指す3泊4日の旅
当時は自動車の免許を取って2年ほどしか経っておらず、まだまだ決まった場所しか移動できないレベル。
なのに、こんなまったく知らない土地で、長距離運転は大丈夫なのか?
頼りにしていたNは地元広島で運転していたはずなのに、今は運転していないという。
じゃあ、私一人でこの旅は走破しなくていけないのかと、少し心配になった。
出来る限り電車で近づこうと思ったが、宇和島までしかない…
ま、いっか、何とかなるだろう。
旅の準備に夢中になっているので、そういう心配事はどうでもよくなったきた。
むしろ、いささか興奮気味。
「悲しみは現地まで取っておこう」と言い聞かせる。
(悲しみは後のお楽しみってか?)
【レンタカー】
地元では初心者のくせに教習者より大きなアコードを乗り回し、擦るかどうかのすれすれの運転、つまりスリリングな日常を送っていた。
が、レンタカーにまったくそれ(=スリリング)は必要ない。
3人乗れれば十分なので、Vitzを借りることにした。

レンタカー屋のお姉さんが真っ黒に日焼けしていたのにびっくり!
【運転】
実際走ってみると、それほど道も狭くないのでこれなら大丈夫かと思ったが、
別に盲点はあった!
それは国道
左側はのんきな軽トラックが時速40kmでゆっくりと走っている。
こんなんじゃあ、いつまでたっても目的地にたどり着かないと右側へ躍り出れば、
今度は時速80km越え。
当時の私にはこの速度はコワかった。
時速60kmくらいで走っていると、どんどんバシバシ煽られる。
コワいよぉ~といいながら飛ばすしかない。
車線変更はさらにニガテだったので、ものすごく煽る車以外はどかないし、どけない…
愛媛県、コワ~いと思いながら、高知県に入ると交通量も減ったせいか、それほど煽られなくなった。
ちなみに私が恐怖と闘いながら運転しているさなか、同乗者の二人はずっとしゃべりっぱなし。
【訪問地】
・足摺岬

HPより拝借
曇っていたので、日の出は楽しめず。
急にコーヒーへの禁断症状が出る。
缶コーヒーじゃ、ヤダ!
ちゃんとしたコーヒーが飲みたいと思うものの、当時周辺にはカフェとか喫茶店は皆無。
周りからはやたら関西弁のおっちゃんやおばちゃんの話し声が聞こえる。
そうか、ここは関西圏の観光地なんだとあらためて遠くに来たことを感じる。
・竜串

HPより拝借。この時の海は緑色に濁っていた…
せっかく来たからとグラスボートに乗ったが、海水が濁っているせいと肝心カナメのグラスが汚れているせいで何も見えなかった。
食堂でやっとコーヒーにありつく。薄いアメリカンだったがこの際どうでもいい。
このときはじめて、私の旅にはコーヒーはつきものという認識を得る。
・柏島
ひょんなことから、訪問することになった島。
この島こそ「この風景はいつか来た風景」。
カレンダーの海はエメラルドグリーンだが、実際は普通の海水色だった。訪れた時期が秋だったからなのか。
HPより拝借
四国本島から、島の全景が眺められるのがいい。
「今から、あの島を目指そう!」とワクワクさせられる。
養殖とダイビングの盛んな、とんでもなく最果ての島(関東からすればそう思うの)。
朴訥とした雰囲気が気に入り、いつか再訪をと思いつつも、長い年月の間に気が付いたら観光で成功した島となっていた。
~柏島へ至るまでの笑い話~
まさに険道だった。
従来の県道は、全線にわたって道幅が狭く、見通しも悪かったため、大型観光バスや大型保冷車の通行はもとより、普通車のすれ違いや緊急自動車の往来も大変困難な状況でした。
高知県HPより抜粋

高知県HPより拝借。従来の道。私が走ったのはこんな感じ

高知県HPより拝借。整備された県道。もう険道ではない。
カーブミラーが頼りのクネクネとした下り道が続く。
なのにまたもや後ろに車が続いてしまった… ランドクルーザーみたいな大きな車。
ここはもうギブアップ。
すれ違いの場所で停止し、先に行ってもらうことにした。
しかも3台も去って行った!
ふんふんと再びのんびり走りだすと、今度は思わぬ車に煽られる。
え、バス?
れっきとした公共交通機関のバスである。
なんでバスにまで煽られなきゃいけないんだ…と思いつつ、すぐに道を譲った。
するとものすごい勢いでバスは走り去っていく。
時間に間に合わないからなのか、元々そういう走りなのか、
私の地元では決して味わうことのない経験に驚きながら走っていると、またしても
トンデモナイ光景を見てしまった…
先に180℃カーブがあったのか、左手の林越しにランドクルーザーその他3台の車が、私の進路とは逆方向へ猛スピードで降りて行くのが見えた。
それに続くバス…
ちょっとだけいい気分がした。
私を煽った報いだってね。
(この際、自分のヘタクソさを棚に上げる)
しばらくするとバスが先頭を走り、ずっと後からランドクルーザーたち3台が続いているのが見えた…
コワいんだか可笑しいんだか、両者入り乱れた不思議な感覚がしたのを覚えている。
【旅先でのグルメ】
・宇和島での鯛めし
さっぱりとした味わいのイメージしか残っていない
しかも刺身じゃなかった記憶がある
・土佐清水での長太郎貝

HPより拝借
予定外だったにも関わらず口にすることができた
ホタテの親戚のような貝。甘味噌の味つけが美味しかった
・土佐清水での鯖の刺身

HPより拝借
滅多に口にできないという鯖の刺身に心躍る
その理由は、足のはやい魚なので、水揚げしてすぐ食べないとダメだから
脂がのっていて美味しい
数日前に電話予約したにも関わらず、翌日昼の予約と勘違いされて大慌て
結果、長太郎貝を食し、柏島まで足を延ばすことができた
・愛南町でのクエ尽くし

HPより拝借。さすがにこんなにたくさんじゃないけど、厚みはこれくらい。
まだまだ高級魚としての認識のない時代だったので、決して高くはなかった
(一人2,500円程度だったと記憶している)
揚げ物、お刺身、まるごと1匹の煮込み等々
そしてそれぞれの量も多い
お腹をすかせた私達は、ただひたすら食べ続ける
しかも、東京(Rちゃん)と埼玉(私)から来たと言うと、「わざわざ遠くからようこそ」とクエの骨の唐揚げまでサービスしてくれた
お刺身は噂通り鶏肉のような味わい
あまりの厚切りに、ほおばって食べた記憶がある
この「鶏肉のような」に惹かれて、食べてみようと思ったのだ
煮込みは脂ののったクエに甘い味付けが絡んで美味しい
しかし、時間切れ。
その後、日帰り温泉に行く予定で、しかも温泉の閉店時間が迫っている
急がないと!
すべてを食べきることなく、もったいないと心残りを感じながら店を後にした
ところで、これらグルメ情報をどうやって得たのか?
まだまだSNSはおろかネットすら情報が十分ではなかった時代である。旅案内の本も十分ではなかった。
地元テレビ局が取り上げたグルメ情報を、番組HPで丹念に調べあげ、それに合わせて旅程を組んだのだ。
そのHPには写真も地図もなく、ただ単に食材の紹介とお店の名前しかなかった。
とにかく地道な作業だった。
あれ?
傷心旅行じゃなかったの?
うん、よくよく考えたら傷心旅行のつもりが
単なるグルメ旅行で終わってしまったみたい…
でも、傷心旅行のために旅程をちょこっと組んではみたの。
ある断崖絶壁系の海岸に寄り道をした。
ここでぼんやりしよう…と思っていたら、
「ねえ、そろそろ行こうよ!」
と、二人の友からものの5分で先を促されてしまった。
まあ、こんなもんですよ。
世の中そうそうはうまくいかない。