
フィルムのスペックは鵜呑みにしない。
特に赤外線カット率は注意。
測定範囲内の最大値か平均値か
800〜2500nmの全域での測定なのか?
はよく見た方がよいです。
明確な表示ルールが無いので、自社に都合の良い結果になるよう測定範囲を限定して表現している場合もあります。
例えばスペクトル1300,1800nm付近が最大値95%で他が50%など微妙な性能な場合、太陽光にほぼ含まれていない波長をカットしているだけなので実際は「何か暑いんだけど」となります。
他にも1500nm以上で平均値を出してカット率90%!と表示してある場合、800〜1500nmの遮蔽がイマイチな可能性があります。

例えばこの緑の線で低いところだけ強調するとか。
これは3Mのクリスタリン70辺りかな。
この例だと他のスペクトルもしっかりカットしてるし、太陽光的に1300nm付近は無視できるので、いいフィルムです。
このシリーズは近赤外線を積極的にカットしているのでNシステムなどのカメラに写らなくなるという特性があるとかないとか🤣
各社を同じ基準で比較できないのか?
スペクトル別の透過率一覧を各社公開していればいいのですが、公開していない会社もあります。
なので日射透過率、遮蔽係数関連が指標になりそうです。これらはJISで測定範囲が300〜2500nmと決められているからです。同じ可視光透過率のフィルムであれば紫外線と可視光線のカット率はどれも波長によらず大差無いと言えなくもないので差分が赤外線をどれだけ遮蔽してるかの指標にしやすいです。
太陽光のエネルギーの約50%は可視光線
40%が赤外線
そのうちのほとんどが、近赤外のエネルギー

これの赤い部分が実際に地表に達しているスペクトルの主な範囲
縦軸が強さ
横軸が波長
旭硝子曰く中赤外線1500〜2200nm
これがジリジリ感の主原因らしい
けど資料も論文風なだけで明確な根拠が乏しいんですよね。太陽光もその辺にスペクトルの山はあるので嘘ではないですね。
これを参考にしているのか特許で縛られているのか他社のフィルムもこの辺をメインにカットしてますよね。
とはいえ放射強度的に800〜1500nm が結構なエネルギーを持っているので無視するのもなぁ
という事で赤外線は
800〜2500nmをどれだけカットできるか
が重要! と勝手に結論付けましたw
以下、可視光透過率90%と20%前後の製品をピックアップ
透明フィルムだと、コボテクト
スモークで可視光透過率高めでも高性能なのはウィンコス、コボテクト
未記載ですがミラー系なら可視光透過率落とさずに反射率のお陰で遮蔽係数を簡単に下げられる模様。
ウィンコス
商品名、日射透過率、遮蔽係数
IR-90HD 71%、0.89
HCD-20G 15%、0.49
HCD-30G 18%、0.51
GY-15IR 38%、0.66
調べればGY以外なら簡単に透過率特性はヒットします。
プレミアムシリーズは800nm辺りからしっかりカットしています。
コボテクト
TSM-90C 61.1%、0.82
TSM-N10S 10.2%、0.45
TSM-N30S 20.7%、0.52
貴重なコボテクトの検査結果
ウインコスとほぼ同等ですが、全体的にちょっと優秀?
シルフィード
FGR-500 70%、0.89
SC-7020 36%、0.63
ここも調べればヒットします。
ゴースト
PIRML90 69%、0.86
AR31 45%、0.65
AR15 36%、0.58
ここは見当たらないですね。
Posted at 2025/03/06 12:44:25 | |
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