
ネット配信動画で映画を観ました。
タイトルは「パシフィック・ウォー」と言う日本では2017年公開された実話を基にした米国映画。
毎年この時期には、反戦ものの邦画を観ていましたが、今年は米国映画を観ました。
イントロダクション:ウィキペディアより
『パシフィック・ウォー』(原題: USS Indianapolis: Men of Courage)は、2016年製作のアメリカ合衆国の戦争映画。
太平洋戦争末期に戦争終結の極秘任務を命じられたアメリカ海軍の巡洋艦インディアナポリスとその艦長チャールズ・B・マクベイ3世の数奇な運命を描く。マリオ・ヴァン・ピーブルズ監督、ニコラス・ケイジ主演。
ストーリー:公式サイトより
1945年、太平洋戦争末期。アメリカ軍はマクベイ艦長率いる巡洋艦インディアナポリス号にある極秘任務を与える。それは長きに渡る大戦に終止符を打つ最終兵器。原子爆弾の輸送であった。危険極まりない戦地へと旅立ったマクベイと兵士たちは、日本軍との激しい戦闘を掻い潜りながらなんとか目的地テニアン島にたどり着く。任務を終え安堵に包まれながら次の目的地へ出発するマクベイ一行。しかしその時、艦内に爆音が鳴り響く。橋本少佐率いる日本軍の潜水艦が発射した魚雷が艦に直撃したのだ。激しい戦闘の末沈没してしまうインディアナポリス。なんとか命からがら脱出したものの太平洋を漂流するはめになったマクベイと兵士たちに、今度は飢えと喉の渇き、そして獰猛な鮫たちが襲い掛かる。極限状態に陥り次々と命を落としていく兵士たちと、彼らを一人でも多く生きて家族の元へ帰そうと奮闘するマクベイ。しかしこれはマクベイに襲い掛かる非情な運命の始まりに過ぎなかった……
私見&ストーリー補足:
重巡洋艦インディアナポリス号のチャールズ・B・マクベイ3世艦長(ニコラス・ケイジ)はトールマン米国大統領からテニアン島へ原子爆弾を輸送する極秘任務を命ぜられます。
日本海軍に気付かれない様、艦隊ではなく1隻のみで航行し、程なくインディアナポリス号は原子爆弾をテニアン島迄届けます。
その後、インディアナポリス号はレイテ島に向かう途中で日本海軍橋本以行少佐(竹内豊)が艦長を務める潜水艦伊58の発射した魚雷が着弾し沈没してしまいます。
単独で航行していたインディアナポリス号の沈没を米国海軍は認識出来ずに生存者を救助するのに5日間要します。
海洋上で漂流していたのは米兵達約900名でしたが、食料の欠乏、体力の消耗、サメの襲撃(このシーンは宛らジョーズ映画の様です)、幻覚症状等で最終的に生存出来たのは317名でした。
その数日後、インディアナポリス号の運んだ原子爆弾が広島、長崎に投下され、間もなく日本は降伏し、米国は勝利しますが、マクベイ艦長はインディアナポリス号の沈没の責任を問われ軍法会議(裁判)に掛けられます。
印象に残ったシーン1(映画開始から1時間37分頃)
317名が生還したグアム島の海軍病院にてマクベイ艦長が胸中を話す場面。
マクベイ:「運命のいたずらなのか、生き残った士官は私ただ一人だった。多くの仲間を失った。彼らの妻に戦死を伝えるのは、非常に荷が重い。艦長が生きているのだから、なおさらだ。」
この思いが払拭出来ずに、ラストシーンの自死に繋がるのだと思いました。
印象に残ったシーン2(映画開始から1時間54分頃)
マクベイ艦長が無罪を言い渡された軍法会議の閉会後のマクベイと証人喚問を終えた橋本中佐(階級が上がっていました)の会話の場面。
橋本:「日本では、あり得ない事だ。立場が逆でも、あなたが召喚される事はなかった」
マクベイ:「(インディアナポリス号沈没の)回避策はあっただろうか?」
橋本:「あなたの艦は無防備で我々が近くにいた(ので回避は無理だった)。大日本帝国海軍の艦長として、敵を殺すのが任務だった。だが人として、後悔している」
マクベイ:「貨物の中身はおよそ(原子爆弾だと)見当がついていた。私も任務を果たした。だが人として、まったく名誉など感じていない」
橋本:「貨物の運搬を阻止していたら、結果は違っていただろう。今日、かつての敵を許す事が出来た。いつの日か、人として許し合えるだろう」
その後、2人はお互いに敬礼し去って行きます。
印象に残ったシーン3(映画開始から1時間56分頃)
生還した米兵のコメント:
「戦争には勝ったが、戦争がなくなる事が真の勝利だと思う。漂流中にいざこざが起きた様に、この世には争いが絶えない。毎年、生還者が集まって、失った仲間を追悼してきた。彼らは永遠にそばにいる。生還者の使命は、自由の為に払った代償を後世に伝えていく事だ」
閑話休題、マクベイは退官後の晩年に、インディアナポリス号沈没の犠牲者の親族からの非難中傷の電話が鳴り止まない事等の心労により自害してしまいます。
蛇足ですが、橋本艦長はインディアナポリス号を攻撃する際に、回天(特攻魚雷)乗組員からの出撃志願を聞き入れず、魚雷で撃沈させました。
同じ撃沈させるにしても、回天乗組員を犬死させない配慮があった為です。
橋本中佐は退役後もマクベイ艦長の名誉回復の為に活動をし、その成果が実って橋本の死後の2000年の連邦会議でマクベイの名誉回復の件は承認されました。
橋本以行さんは、さぞかし徳のある方だったのでしょう。
日本海軍橋本以行中佐役の竹内豊さん(竹野内豊さんとは別人)の演技は初めて観ましたが、良い役者さんです。
不要不急の外出を控えたお家時間にDVD、ネット配信動画の映画観賞をみんカラの皆さんにもお勧めします。
Posted at 2021/08/07 08:02:41 | |
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