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あかカブのブログ一覧

2025年11月23日 イイね!

変わらない週末

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良いことも悪いことも含め
人生いろいろとあるものだと実感している。
齢を随分と取った。体力も落ちた。
昔のように車での頻繁な遠出はしなくなった。
山道を反社会的な速度で飛ばすこともしなくなった。
車に関する交流は皆無となった。

それでも週末の朝になると、
ボディカバーを外して、愛車に乗り込み、
屋根を開けて外に繰り出す。
エンジンの鼓動と風のそよぎを感じながらゆっくりと走る。
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帰宅後、愛車の汚れを軽く拭いてやり、
ボディカバーをかけて次の週末を待つ。

所有する車も自分自身も愚かな変遷を繰り返したが、
週末のオープンドライブは変わることはなく続いている。
そんな週末の一日が今日も穏やかに暮れていく。
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Posted at 2025/11/23 23:04:57 | トラックバック(0) | クルマ
2023年11月05日 イイね!

役割(TOYOTAプログレの思い出)

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 BMW Z4(E89-23i) 所有時、私は実用ユースのサブ車としてトヨタプログレ(後期型NC250)のディーラー認定中古車を購入し使用していました。

 自然吸気直列6気筒エンジンを搭載するコンパクトなFRセダンであったプログレは、私のクルマに対する視野を拡げてくれたクルマでありました。

 インプレ記事というよりもエッセイのようなものですが、プログレ所有時に書いた記事を以下に再掲載致します。

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 モノにはそれに相応しい役割がある。

 私の愛車についていえば、BMW-Z4は、「青空と一体となって気持ち良く走り抜ける」という役割、そして、トヨタプログレは、「静かに快適に乗員を移動させる」という役割、であったりするのだろう。

 関東が梅雨入りした翌日の深夜のことだ。
 
 私はプログレのハンドルを握りながら、雨の降る首都高湾岸線の路上を緩やかな速度で進んでいた。助手席には連れ合いが、後部座席には連れ合いのご両親がその身を力なく沈み込ませていた。

 後部座席に座った義母が車窓からの夜景を眺めながら、「やはり日本はいいわね」と安堵した口調で呟いていた。その隣では、義父が静かに眠りこんでいた。
 
 連れ合いとご両親、親子水入らず3人での5日間のタイ旅行は、出発前からの義父の体調不良により、観光らしきものを果たすことは全くできなかったことを、さきほど羽田空港で聞いたばかりだった。

 帰国便が平日の夜ということで、送迎の予定はしていなかったのだが、当日は幸いなことに残業や酒席もなかったことから、会社からの帰宅後、プログレで羽田空港に急ぎ駆け付け、彼らをピックアップすることができた。

 羽田空港の駐車場に端坐したプログレは、3つの小型キャリーバッグを広大なトランクルームに余裕で飲み込んでいた。そして、5ナンバーサイズながら、発売当時のクラウンロイヤルと同長のホイールベースを有するこのクルマは、十分すぎるほどのスペースと上品な革シートでもってご両親を後席へと迎え入れた。

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 羽田空港を離れた後、義父はリアシートで静かに目を閉じていたが、すぐに眠りに落ちたようだった。義父が目を覚まさないように、アクセルの踏み加減も、進路変更のハンドルさばきも丁寧に行った。

 箱根の山道では頼りなさげにスキール音を鳴らせながら走っていたプログレであったが、このようなシチュエーションでは、正に水を得た魚のような働きぶりだ。雨が窓にあたる音とワイパーがその雨粒を拭う音が輪郭をもって常に聞こえているものの、6気筒エンジンは低い回転数を保ったまま沈黙したかのような静けさで遠く回転音を響かせている。ロードノイズや風切り音の車内への侵入も極めて僅かなものに抑え込まれていた。

 5ナンバーサイズへのこだわりと、セルシオ・クラウン並の室内空間という、相矛盾する要請への挑戦は、結果的にこのクルマに対し、アルマイトの弁当箱を細長く伸ばしたようないびつなプロポーションを与えることになった。このクルマのキャッチコピーは「小さな高級車」であるが、このクルマのエクステリアから伺われるものは、当時のトヨタの「高級車」に関する知見の欠如と経験の浅さの露呈であろう。

 一方で、前述したような車内の静粛性に加え、首都高の無数かつ硬質な路面の継ぎ目がもたらす振動を、15インチのありふれたタイヤで柔かく受け流すこのクルマのサスペンションの働きもまた実に見事なものである。事実、疲れ切った老人の睡眠を全く妨げることのないまま、雨の首都高と一般道を経て、ご両親を自宅まで快適に送り届けるという所期の役割を完璧に果たしたのだ。

 私がプログレを買った最も大きな動機は、「連れ合いの年老いたご両親を快適に送迎したい」というものであったが、この雨の深夜に僕の少々不格好な銀色の相棒は見事にその役割を果たしてくれたものだ。

 モノにはそれに相応しい役割がある。

 人間だってそれぞれの役割を果たして生きているのだろう。

 義父は、製造メーカーの技術者としていくつかの特許を取得しつつ、長年にわたり素晴らしい製品を開発してきました。そして、家庭人としては、奥様と協働しながら、連れ合いを含む3人のお嬢様を立派に育てあげ、晩年は闘病を続けながらも、何人もいる可愛い孫達から「じーじ」と慕われながら、優しい祖父の役割も果たしてきました。

 そんな義父が、自らの役割を立派に果たし終え青空のかなたへと旅立って行ったのは、彼が初めてプログレに乗ったあの羽田空港の夜からわずか3週間後のことでした。 
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Posted at 2025/11/23 16:46:42 | トラックバック(0) | クルマ
2020年06月28日 イイね!

NDロードスター私見

以下は2015年10月に書いたものです。
(注:私が購入したのは最も初期の車体であり、NDロードスターは年次改良されているので、最新型では印象が異なる可能性があります。)


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今年の6月初旬に、新型ロードスター(ND型)が私の新しい愛機として納車された。納車後、3か月以上が経過し、定番の箱根・伊豆半島はもちろんのこと、信州、会津磐梯、能登半島、などでもオープンドライブを楽しみ、走行距離も7000キロを大きく超えた。


 新型のロードスターでは、これまでのロードスターで私が不満に思っていたことがほぼ全て解消、あるいは改善されている。

 手動の幌の開閉の容易さについては、「幌は自動開閉が便利」と思いがちになっているオープンカー乗りにとっては、まさに目から鱗が落ちるほどの進化を遂げている。停車時あるいは微速時に(ほぼ)片手でさっと開閉できるようになった幌の機構は、構造上の簡易さから来る故障リスクの低さとも合わせ、まさに革新的なものだと私は大いに感銘を受けている。

 エクステリアデザインについて、先代のNC型では、RX-8とプラットフォームを共通化した影響のせいか、妙に膨張した感があったが、新型では劇的に洗練されたデザインとなった。内装についても、これまでのロードスターは「走りにお金をかけているので、内装には目をつぶって・・・」という残念なものであったが、現行型の内装は例えばBMWのZ4(E-89)と比べても大きく見劣りはしないような水準にまで引き上げられている。

 燃費は高速道路走行時はリッター20キロほどと極めて良好で、3か月間7000キロの走行における平均燃費は17キロ超を記録しており、ダウンサイジングされたエンジンの恩恵が大きく出ている。この1.5リッターエンジンは低速で実に良く「粘る」エンジンであり、繋がりやすいクラッチと合わせ、マニュアル車初体験のドライバーであっても、おそらくエンスト知らずに運転することが出来るであろう。また、低回転から中回転域のパワーの出方が良い塩梅なため、普通に走っている分には全く不足感は感じられず、平坦路ではまるで2リッターエンジン車のような動力性能だ。ただし、回転数が上がっている割には加速をしないとか、登坂路ではパワー不足を感じることが多い、といったことはある。

 先代までのロードスターに搭載されていた直列4気筒エンジンは、トップエンドの少し手前で伸び悩む感じがあったが、現行型のエンジンは、トップエンドまで実に綺麗に回転するようになった。とはいうものの、私が現在所有しているアルピナチューンの自然吸気6気筒エンジンの如くになんとも表現し難い「感動的な回転フィーリング」というわけではもちろんないし、E89-Z4が搭載していた2.5リッター直6エンジンと比べても、「情感のようなもの」は薄いように感じている。とはいっても、エンジンフィーリングに関するこのような感想は、おそらく「好み」に類することのようにも思われる。


 かくの如く新型ロードスターについては、先代までのロードスターと比べて進化が甚だしいものとなっている。「正常進化」と評されるのももっともな出来栄えである。一方で、納車されて初めて伊豆を走った時に既に感じられたことであるが、コーナーでの旋回時に、これまでのロードスターと比べて、一体感がわずかに損なわれてしまっているような印象が強い。

 私が抱いていた「実に自然に曲がる」というマツダロードスターの感覚は、コーナーの突入から脱出までの間に、ドライバーがクルマの中心にあり、「前輪・ドライバー・後輪」、が一体感を持って旋回過程を辿るというものであった。新型はまずもって座った時の感覚に少々違和感がある。ボンネットの起伏が視界に飛び込んでくる分、フロント部分がなんだか大きく感じられる。ステアリングは上下には動くが前後には動かず、室内の前後長が少し短くなっているのか、シートの背を立てると伸長176センチの私にはクラッチを踏むためのベストポジションが取れない。やむを得ずシートを倒すことになるが、こうなるとクルマに対し身体の後退感が強まることになる。実際の計測上どうなのかはわからないが、これまでのロードスターと比べると、感覚的にドライバーの位置が随分と後輪よりになったように感じられる。

 旋回能力自体は先代よりも高まったように思われる。初代(NA型)であるならば、リヤがアウトサイドに流れ出すような、あるいは、先代(NC型)であるならばリヤタイヤが「むづつく」ような、そんな旋回のシチュエーションであっても、新型ロードスターはリアのサスペンションがしっかりとロールをしながら堅実に路面を捉えて駆け抜けるような感じである。このプロセスにおいて、従来のロードスターの美徳であった「一体感」がわずかに失われているように思われるのだ。

 視覚的にフロントノーズが強調され、ドライバーはポジションが後退しリヤタイヤの近くに座った感じとなり、さらには、リアのロール感が妙に強調されている、そのような感じでもってコーナーを旋回するのである。フロントからリアへの重心の移行については、コンベンショナルな後輪駆動車としては実に真っ当なたしなみをしているようにも思う。そうではあっても、私がこれまでに「マツダロードスターにあって、BMWでは感じられなかったもの」、つまり、「前輪、ドライバー、後輪の一体感」が、僅かではあるが喪失されたような実感がある。フロントがコーナーに入って以降、「リアが(じんわりながらも)踏ん張る感じ」が強まったのである。少し乱暴に言うと、運転している時の感覚が、E89-Z4を運転している時の感覚に近寄ったように思うのだ。



 秋晴れとなった先日の土曜の午前のことであるが、快晴の箱根路を愛機であるNDロードスターでオープンドライブしていたところ、BMW3カブリオレ(E93)オーナーであるみんともさんご夫妻にばったりと遭遇をした。

 若い頃に86レビンのMT車を乗り回していた奥様だけあって、「ロードスターに是非乗ってみたい」」とのリクエストを受けた。私は「どうぞご自由に」と笑顔でキーを渡した。

 そんな次第で、みんともさんご夫妻が1.5リッター自然吸気エンジン搭載でMAX131馬力のロードスターに、私と妻は3リッター過給機付エンジン搭載でMAX300馬力超の3カブリオレにそれぞれ乗り込むこととなった。

 私の運転する3カブリオレが即席試乗会の先導をしたのだが、後ろを走るロードスターは駐車場を出た後、わずか二つ目のコーナリングでリヤタイヤから賑やかにスキール音を鳴らしながら旋回していた。NDロードスターのリヤの旋回挙動は、前述したように、はっきりと沈み込みながら粘り強く路面を捉える感じであり、テールハッピーだった初代ロードスターと比べるとそんなに簡単にスキール音は発生しない筈である。操作を楽しむあまりに、コーナーへの進入速度に対しハンドルの切り方がいささか急だった、ということだろう。少しバツの悪そうな奥様の笑顔がバックミラー越しに写っていた。


 つかの間ではあったが、ご夫妻にはマニュアルシフトのコンパクトなオープンカーで箱根のワインディングを愉しんでもらえたようだ。いや、正確には、箱根のワインディングでマニュアルシフトの新型ロードスターを大いに愉しんでもらえた、ということなのだろう。

 駐車場に戻ってきた後、奥様に「どうでしたか?」と尋ねてみたところ、「もうサイコーです!このままずっと乗っていたい。運転していてこんなに楽しいと感じたのは本当に久しぶりです」と興奮さめやらぬ様子であった。「扱いやすくてとにかく楽しくてたまらない」、「パワーが無い分、普通の速度でエンジンを使いきれる楽しさがある」、とのことであった。

 NDロードスター、このクルマの魅力を伝えるには、おそらくこの奥様の言葉で十分だろう。

 初代ロードスターのカタログを開いたときに目に飛び込んでくるキャッチコピーは「だれもが、しあわせになる」であった。

 みんともさんの奥様のように、ゲラゲラ笑いながら、このオープンカーを自在に操り、運転自体をエンジョイすることが、このクルマの本来の「愉しみ方」であり、このクルマによりもたらされる「幸せ感」なのだ。

 「わずかながらではあるが一体感が失われた」とか「トップエンドまでにいたる過程でのエンジンの情感に乏しい」とかいったようなことは、おそらくほとんどの人が気にしないようなことであり、このクルマの魅力を語る上では必要の無い些末な私見であろうと私は思っている。己が過去に体験したごく一部の他車と新型ロードスターを比較し、些細な違いをあげつらって、このような冗長で拙い文章を書き連ねているような私は、このクルマを愉しむ資格を既に失っている、「しあわせになれない」悲しき人間なのかもしれない。

Posted at 2025/11/24 10:15:27 | トラックバック(0) | クルマ
2020年04月29日 イイね!

カセットテープとNAロードスター


今年2月に購入した2001年式のBMWの車載オーディオは
純正のカセット・ラジオプレーヤーだった。
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カセットプレーヤーが不調ならばCDデッキなどに交換しようかと思い、
試聴のためにヤフオクでミュージックテープを購入した。
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納車の際に、購入したミュージックテープをプレーヤーに挿入した。
カセットテープが吸い込まれると、
懐かしい「ガチャガチャ」音がしてスタンバイとなった。

テープの1曲目は「いっそセレナーデ」だった。
この曲はイントロ無しで、
「甘い口づけ・・・」という歌声から始まり、
ピアノの伴奏がそれに続くのだが
その柔らかで温かみのある音質にいたく驚かされた。


一昨年の秋、私は長野在住の友人と晩秋の軽井沢を共に走った。
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私の愛車は少々無理して購入したポルシェカレラのカブリオレ(997後期型PDK)。
長野の友人も購入してさほど間の無い
1991年式のユーノス(NA型)ロードスター(MT)で現れた。

友人の前車は左ハンドルのMTのポルシェボクスター、
以前はBMWのM3(E30)を愛車にしていたこともある。
そんな車歴の友人であったが、以前ボクスターでご一緒した時より
ロードスターでのオープンドライブを大いに愉しんでいるように感じられた。

ドライブの道中、友人のロードスターを運転させてもらった。
自分のカレラカブリオレと比べると、
機械的には何一つ優れた点がないような、
遅くて、ユルくて、騒がしくて、ガタガタした、
なんとも古めかしいクルマだった。

でもなんだか不思議と楽しかった。
高原を自転車のペダルを漕いで気持ち良く走っているような気持になった。

帰り道の高速道路上、
カレラカブリオレをクルーズコントロールで走らせながら、
自分は何か大切なものを失っているように思った。


それからしばらくして、私はカレラカブリオレを手放した。

ポルシェカレラのオープンカーを所有したという記号のような記憶と、
それなりの額のローン残債だけが自分に残った。


季節が一回りした頃、その友人と再会しビーナスラインを共に走った。
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私の愛車は現代的機能満載の非力な青いオープンカーに変わっていた。

彼がボクスター、私がB3Sカブリオレ、だった頃に、
二人で伊豆の山道を猛スピードで駆け抜けたものだが、
このビーナスラインでは、昨年の軽井沢の時と同様に、
お互い終始スローペースで風を感じながらのんびりと走った。

DIYでの地道なレストアが進み愛車の仕上がりは上々とのことで、
バックミラー越しに映る友人の笑顔は昨年よりもさらに明るいものとなっていた。

「昨年とは変わりましたよ。運転してみますか?」と誘われたが、
「楽しいに決まっているからやめておきます」と笑顔で辞退した。


正直なところ、NAロードスターを今さら保有したいとは思わない。

私の今の愛車は、
滑らかな9速ATと刺激ゼロの1.6リッター直噴過給機付エンジン、
停止まで自動でやってくれる賢いクルーズコントロール機能を搭載し、
屋根を閉めれば快適空間、の現代的なオープンカーである。
あえてそれを選んでもいる。
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また、19年落ちのBMWの車内で
カセット音源をいつも聞いているわけでもない。
最新型のFMトランスミッターに
百枚以上のCD音源を取り込んだUSBを接続し
ラジオチューナーでその音楽を楽しんでいる。
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クルマ趣味において、現在の私は、
最新技術を使った製品からの便益・効用をそれなりに享受している。

そんな私であるが、
ミュージックテープから流れ出る「いっそセレナーデ」の音色は
なんとも優しく心地よいものだし、
一昨年の晩秋の高原で体験したNAロードスターの運転は
すこぶる楽しく愉快だった。
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新しい製品は旧い製品より多くの点で優れているが、
世代交代を経て失われた特質もあるのだろう。

カセットデッキを再び持ちたいとは思わないが、
NAロードスターのようなコンパクトで軽快なオープンカーを、
いつかまた所有したいと思っている。



Posted at 2025/11/24 10:14:21 | トラックバック(0) | クルマ
2020年04月19日 イイね!

素のスイフトとスイフトスポーツ

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数年前のことであるが、サスペンションエンジニアの國政久郎氏の
『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2』という著書を読んだ。
森慶太氏との対談形式のインプレでスイフトの評価が随分と高かった。

少し長くなるが同書から引用させて頂く。

(森)なんかスイフト、評価高いですね。
(國)モリさんの印象とずれていますか。
(森)いえいえ。
(國)ほかの日本車がおかしなのが多いから目立つというのもありますが、
   ”いい感じ”がちゃんとあるレベルまでもってくるのは大変だったと
   思います。
(森)はい。
(國)評価するにしても、マイナス点を指摘するのは簡単ですよね。
   逆に、いいところをどういいか説明するのは難しい。
(森)説明する側の能力もあるし、あとはクルマもそれなりのデキじゃないと。
(國)スイフトは、このぐらいまでできていれば、一般の人が乗ってみて
   ”なんかいいね”って感じると思います。
(森)だといいです。
(國)普通の人たち、乗れば、ちゃんとわかりますよ。

当時の私は趣味車(911カブリオレ)の一台体制で、
妻との買い物や義母を乗せての墓参りなどは、
カーシェアリングでコンパクトカーを借り出して利用していた。

利用したクルマはいずれも最新型ではなかったが、
複数社の代表的なコンパクトカーを長時間乗る機会となり、
それらクルマに対しては自分なりに思うところがあった。

そんな時に國政氏の著書に触発されて試乗したスイフトは
なるほど同氏のおっしゃる通り、
「なんかいいね」と感じられる優れたクルマであった。

試乗後、すぐにあえて一番「素」のグレードを選んで購入した。
15インチのテッチンホイールにハロゲンヘッドランプの仕様だった。
ボディカラーは不人気色のフレンチっぽいブルーにした。

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内装は(頑張ってはいるが)値段相応だし、
1.2リッターの無過給エンジンとCVTの組み合わせは
(法定速度で走る分には全く問題ないが)あきらかに遅い。
鋭い加速、胸のすくような排気音、設えの良い内装、とかいった、
「分かりやすい良さ」は皆無に等しい。

それでも「このクルマはとても素直に動く実に良いクルマだ」という感覚は
手放すまでの2年間で全く色褪せることはなかった。


スイフト所有のある日のこと、スイフトを購入したお店で
スイフトスポーツ(AT。以下スイスポ)を試乗させて頂く機会があった。

スイスポのシートはノーマルシートよりもホールド感が強められていて、
内装や計器類に赤色が強調されていたりはしたが、
座って目の前に広がる景色、周囲の空間、クルマのサイズ感は、
マイカーの「素のスイフト」と全く同一のものだった。

エンジンのスタートボタンを押すと、マフラーから
素のスイフトのそれとは明らかに異なる低い音が響いたが、
非常識なエンジン音に慣れていた自分からすると特段の感慨はなかった。

そんなスイスポのサイドブレーキを下し、ドライブレンジをDにして、
店の駐車場から出ようとしたわけだが、動かしたその瞬間から、
素のスイフトとは「明確に違うモノ」であることに驚かされた。

ハンドリング、足回り、車体剛性、それらのそれぞれが
素のスイフトと比べると、ギュッと濃密で骨太になった感じだった。

ベース車との比較では、スポット溶接の増し打ちによるシャシー剛性の強化、
サスペンション、ダンパー(モンロー製)、エンジンマウント等の専用品への交換、
といった伝統的なチューンナップを通じ、ベース車の素材の良さを
高い次元で昇華させた見事なメーカーチューン車となっていた。

エンジンとブレーキは性能的には申し分無いものであったが、
私の好みとは若干異なるものであった。

ブレーキはもう少しじんわり効く方が自分の好みだろうし、
エンジンは、情感に乏しく、パワーの出方が過度に鋭い、ように感じられた。

このクルマに初代シビックタイプRの自然吸気1.6リッターVTECエンジンを
積んで走らせたら、(自分にとっては)さぞかし痛快なクルマだろう、
そんなことを思ったりもした。

自分の好みと異なる部分が若干あったものの、
素のスイフトオーナーとしてスイスポを試乗し、
「クルマって手を入れるとこんなにも変わるんだ」
というクルマ造りへの感銘を抱いた。
そして、スイスポの素晴らしさは、
ベース車の「クルマとしての良さ」があってこそのものであろう。


「クルマがツマらなくなった」と言われて久しい。
本当にそうなのだろうか。

「普通の人たち、乗れば、ちゃんとわかりますよ。」
國政氏のこの言葉に私はいたく共感を覚える。

高級車や高性能車に乗らなくたって、
私たちが楽しめるクルマ、感動できるクルマはまだまだ身近にあるのだ。
そして誰だってクルマの良さを自然と感じ取れる生来の感性を持っているのだ。

素のスイフトとスイフトスポーツ、そして國政氏の著書は
そんなシンプルな事実を私に教えてくれた。



Posted at 2025/11/24 10:12:50 | トラックバック(0) | クルマ

プロフィール

フォロー・フォロワー登録はしない方針ですのであしからずご了承下さい。 車歴 【オープンカー】 マツダロードスター(NA・NB×2・NC×2、ND)、 B...
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トヨタ ポルテ トヨタ ポルテ
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ポルシェ ボクスター (オープン) ポルシェ ボクスター (オープン)
ポルシェレーシンググリーン。非直噴NAエンジン。油圧パワステ。
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