先日、NAロードスターに試乗してきた。
友人がたまたま乗っていて、ご好意で試乗させてもらうことになった。
普段はNBに乗っている彼だが、その時はちょっとした事情でNAに乗っていた。
是非乗せて……もとい運転させて欲しいと頼み込むと快くOKしてくれた。
実のところ、僕は友人たちとロードスターについて熱く語っていながらも、初代NAロードスターに乗った事がなかった。
ある意味それは恥知らずな事だったのかもしれない。
1989年に発売されて以来、世界中の好事家たちを魅了してきたNAロードスター。
一体どんなクルマなのだろうか。
いつか開けてみたかったドアを人差し指で開けつつ、早速オープンにして中に乗り込んでみる。
友人のNBをちょくちょく運転しているので狭さは気にならなかったが、AピラーがNBNCより前にあるのでフロントガラス前の空間が広く感じる。
(試乗したクルマは1.8リッターの5速MTでした。ちなみに色はクラシックレッド)
軽い感触のクラッチを踏み、おもむろにシフトを動かすと、マツダ内製5速MTのカチッとした感触が伝わる。
心なしかNBの5速MTよりシフトが入りやすい気がする。
NCやNDの6速MTのようなスコンスコンと吸い込まれるような入れやすさとはまた違っていた。
操作のしやすさはどの型も一緒だなと思いつつ、エンジンをかけて公道に出てみる。
その瞬間、僕は違和感を感じた。
クルマを乗り換えたことによる違和感ではない。
もちろん他のロードスターとスペックが異なるので、その差は承知しているし、そのつもりで運転しようとした。
だがあまりにも普段と変わらない調子で運転できてしまうので、逆に違和感を覚えてしまったのである。
あえて語弊のある言い方をすると「全く何の新鮮味も感じない」、まるで元々このクルマに乗っていたかのような。
しかしその違和感は次第にある確信へと変わっていった。
いつも僕が乗り込んでいる赤いのを思い出しながら。
隣に乗っていた友人が、「NA乗ってみてどう?」と聞いてきたので「ロードスターはやっぱりロードスター」と返した覚えがある。
初代なんだから当然じゃねーか、と友人が呆れて言い返してきたが、僕はそうとしか考えられなかった。
今でこそ見かけなくなったが、NCロードスターは批判を浴びることが多かった。
そのせいで不人気車の烙印を押されることもあった。
拡大したボディサイズやエンジンを槍玉に挙げられ、ライトウェイトスポーツとして相応しくない、このクルマはロードスターではない、と。
だが、それはとんでもない間違いだった。
低速からスムーズに立ち上がるトルク、切った分だけ曲がってくれるステア、踏んだ分だけ減速するブレーキ。
そして加速も減速も旋回も、運転手の思うがままに操れる操作感。
なんだ、NCもちゃんとロードスターじゃん。
むしろこれほど同じように運転できて、一体どこが「ロードスターじゃない」のか教えてほしい。
5分も乗ると、NAはまるで昔から乗り慣れているクルマの如く体に馴染む。
エンジンパワーや剛性に差があれど、運転が楽しいという点では全く変わらない。
これで僕はNA〜ND まで全てのロードスターに乗った事になる。
人馬一体そしてロードスターの運転の楽しさは、脈々と受け継がれている事を実感した試乗であった。
Posted at 2020/09/11 04:02:12 | |
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