
比較の最後がエンジンになりますがエンジンについてはいろいろなWeb記事でエンジンの違いが多く語られているのでそちらを参考にしていただくのが手っ取り早いと思いますので下記をご覧ください
BMWエンジンガイド
M4 S55B30A:
https://clubmini.jp/19785
440i B58B30A:
https://clubmini.jp/19777
これまで剛性に関わる部分や軽量化に関する部分の違いを説明してきましたがこれら以外にもM4の専用部品はまだまだありその辺りを説明したいと思います。
フロント・リア足回り
フロント・リア共にサスペンションのアーム類はM専用のパーツが使用されています。
M4で使用されているアーム類の材質はアルミダイキャストでアームには“///M”マーク付きでMの専用部品であることがわかるように鋳込まれていて440iのアーム類が鋼鈑プレス+溶接(と思われる)部品をベースで作られていることと比較するとコストが掛かっています。
M4 リアサスペンション
440i リアサスペンション
リア ディファレンシャル
M4はアクティブMディファレンシャルという電子制御デフが装備されていてM専用(M2と共有部品)となっています。重量は440iは28.5Kgに対してM4は何と46Kg!!!もある。
M4 リアデフ
440i リアデフ
加えてM4はサーボモーターとオイルパンが付きます。
これでデフとは別に5Kg弱重くなっています。
因みにドライブシャフトも別部品となっているのですがM用の方が若干軽量なのでもしかしたら鍛造部品とかを使用しているのかもしれません。
トランスミッション
440iは8AT となりますがM4ではATベースで比較すればDCT(ダブルクラッチトランスミッション)となりM4(M2含む)の専用装備となります。
重量差はDCT:84Kg、8AT:81.2Kgと若干重い程度。
次期M4も8ATになるようなのでDCTはこのモデル限りとなります。
ディスクブレーキ
キャリパーのフロント対向4ポッド、リア対向2ポッドの構成は同一(440iはMスポーツブレーキ)であるがブレーキディスク、キャリパー、ブレーキパッド全て別部品でMシリーズの専用となっています。
エキゾーストシステム
マフラーも当然見ての通り4本出しのM4専用部品ですね。
シート
これもフロント、リア共にMシリーズの専用シートになっています。
これまで説明したところが主に目に見えるところでのMシリーズと通常シリーズとの違いとなりますが当然のことながらこれら以外にも多数紹介していない専用部品(ソフトも含む)があることでしょう。
このように少し調べながらMシリーズの違いを確認していった訳ですが共通部品としてはボディ本体(これも厳密には違いがあるようですが)と内装パーツぐらいのものでそれら以外は別物と言える状態でした。
これは自動車の量産に於いては非常に大きなポイントで一つの専用パーツを作るのは新たに設計を行って新規の金型製作であったり専用の製造設備(治具とか)が必要になったりと掛かった費用は生産数量によって1台当たりのコストに載ってくるので絶対数の少ないMシリーズではより割高になるコスト構造は避けられないものとなります。
それらを考慮すると冒頭に書いたM4と440iとの価格差368万円は車1台分くらいの差がありますが専用部品の内容・レベル、結果としてそこからくる車としての性能の違いを考えると私としては妥当であり納得のいくものでした。
国産車では残念ながらここまで振り切った方法で作られている車はほとんど無くMシリーズというのは本当にスゴイ車です!
Posted at 2020/06/03 21:36:54 | |
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