
今年初の本の紹介。総務省参与・文科省大学分科会委員等を歴任、中央情報学園を創設し理事長となる岡本比呂志が編著者、各分野別に専門家が共著となる「AI革命(人類はどこに向かうのか)」。
高齢者となって新しいものには疎くなりつつあるが、日々の生活にも入り込んで来たAIを無視するわけには行かない。新聞やTVを見ても毎日のようにAIの情報が溢れているし、ネット検索でもAI回答が最初に表示される。漠然と理解はしているつもりだが、もう少し体系的に学んでいきたいとこの本を手に取った。
よく言われるようにAIが人間を超える時期がもうすぐ来る、いやこれは知識の話であって知性ではないとも。知性を定義するのは単純ではないが、倫理的な規範も持って知識を生かすこともそのひとつであり、AIにはまだ難しい事ではないだろうか。そもそも言葉を理解せず、大量のデータを統計処理してもっともらしい答えを出す現時点でのAIが人間を超えるとは言い難いのではないか。さらに言えば、この処理のために大量の電力を消費するAIに比べると、人間の脳のすばらしさに気付かされる。
勿論、専用AIの持つ機能や大半のエキスパートの知識を凌ぐようになってきた汎用AIがもたらす恩恵は測り知れないほど素晴らしい。本書では農業・自動車産業・医療・輸送・小売りなど様々な分野で活用されているAIが紹介されており、遅れていると言われる日本でも想像以上にAIが浸透していることが分かる。一方、知能の部分が先行し、ロボットなど体の進歩が追い付いておらず、この部分で日本が巻き返すチャンスがありそうだ。
AIの活用が進むにつれてAIのネガティブな点のひとつ、失業の問題がクローズアップされてくる。しかし、産業革命以降、科学が発展するにつれ何度も同様なことが言われてきたが、人間は新たな産業や働き方を生み出して来たし、大半の失業者がいるような社会が成り立たないのは明白で、ベーシックインカムを含めて新しい社会形態が生まれてくるであろう。
もうひとつの問題点として、フェークニュース・画像が挙げられる。AIを悪用する人間が悪いのだが、世界的にも何らかの規制が進んでいる。規制はAIの進歩を妨げるとして、各国の取り組みもバラバラの段階ではあるが、EUなど大きなくくりでの規制の共通化も図られつつある。
私の残り少ない人生の中でAIがどこまで大きな社会変革をもたらすか興味は尽きない。
Posted at 2026/02/12 04:50:52 | |
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