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プリンストン大学経済学・公共問題名誉教授、アン・ケース及び同大経済学・国際問題名誉教授、アンガス・ディートンの共著、“絶望死のアメリカ”。何やら不穏なタイトルだ。

60年代にTVで見た豊かなアメリカは憧れの存在であった。80年代に初めて訪れたアメリカも変わらず素晴らしかった。ところが90年代以降少しずつ変わって行った。NYはごみが溢れ、デトロイトは窓が割れた空きビルだらけ、、、
米国に赴任していながらも、一体何が起こっているのか深く考えずにいた。

この本で特に焦点を合わせているのが、急増する中年の白人アメリカ人の自殺・薬物過剰摂取・アルコール性肝疾患：すなわち絶望死。次々と統計データを示されると恐ろしさが増してく。前回紹介した“実力も運のうち、能力主義は正義か”にも引用されているように、合わせて読むと理解が深まる。
アメリカの復活を願うばかりである。