
米国の作家でありジャーナリスト、ナショナル・ジオグラフィック・アドベンチャー誌の編集者でもあるマーク・アダムスの著書、マチュピチュ探検記(副題:天空都市の謎を解く)。南米旅行の前には“るるぶ”などの観光ガイドで旅行先の知識を得る位だったが、帰国後に本書を読むことで、旅の思い出がさらに味わい深いものになった。
アダムスは、インディージョーンズのモデルであり、マチュピチュの発見者である米イエール大学の考古学者ハイラム・ビンガムに焦点を当て、マチュピチュ発見の道筋をその百年後に実際に辿る(道なき道を切り開いて進み、インカトレイルを歩き、、、)ことにより、マチュピチュの謎“誰がいつ何のためにこの都市を建設したのか?”に迫った。
ビンガムは宣教師であった祖父や父の期待とは裏腹に歴史学者としての道を進み始め、ひょんな事からペルーの失われた都市、即ちインカ最後の皇帝マンコがスペイン人征服者から逃れて築いた都市の話を耳にし、その発見の旅に出た。その過程で発見したいくつかの遺跡のひとつがマチュピチュであった。尚、歴史あるあるで、実際にはビンガムより先にマチュピチュ遺跡を発見した者が居て彼もそれを認めているが、ビンガムがマチュピチュを世界的に認知させたことは間違いない。
ビンガムはマチュピチュをインカ帝国最後の都市として結論付けたが、その後の研究により、マチュピチュはインカ帝国第9代皇帝パチャクティの離宮として建てられたと言う説が有力となっている。しかし、アダムスはマチュピチュとインカトレイルで繋がるその他のペルーの遺跡を一体として捉え、もっと崇高な宗教的なものではないかと感じている。
私もエジプトのピラミッドやギリシャ・ローマの遺跡を見た経験があるが、マチュピチュほど心を揺さぶられた遺跡は無い。個人的にはあまり神秘的なものは信じない方だが、ここだけは何か不思議な力が宿っているように思えて仕方がなかった。
Posted at 2024/06/28 16:39:44 | |
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