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2026年08月19日 イイね!

【小説】ひまつぶし

【小説】ひまつぶし真夏の昼下がり。風鈴の音すら途切れるほど酷暑の街で、男は商店街の角にある純喫茶「ルマン」の扉を押した。

カランコロンと涼やかな鈴の音が響く。店内には深煎り珈琲の香ばしい匂いと、低いジャズの音色が満ちていた。男は一番奥の革張りボックス席に腰を下ろすと、冷たいおしぼりで顔を拭い、窓の外に目をやった。

店の前に停めた愛車—ホワイトツートンのソアラが、夏の陽射しを反射して眩しく輝いている。洗練された直線的なフォルムと、先進的なデジタルメーター。あの運転席でハンドルを握っている時間だけが、日常のしがらみを忘れさせてくれる唯一の贅沢だった。

「いらっしゃい。お冷やです」

カウンターの奥から現れたマスターが、水滴のつくグラスを置く。

「マスター、アイスコーヒー。それと……何か『ひまつぶし』になるものはあるかい?」

マスターは窓の外のソアラにちらりと視線を送り、少しだけ目元を緩めた。

「ひまつぶし、ですか。あのように素晴らしいお車でお越しなら、どこまでもドライブされるのが一番のひまつぶしかと思っておりましたが」

「ハハ、まあね。でも今日は、エンジンを休ませて僕自身もボーッと時間を潰したい気分なんだ」

「なるほど」

マスターは頷くと、奥から注文のアイスコーヒーを運んできた。グラスの中でカランと大きな角氷が鳴る。

「では、当店特製の『ひまつぶし』をお付けしておきます」

マスターが差し出したのは、小さな透明なガラス瓶だった。中には色鮮やかなガラス玉と、細かな白い砂が入っている。

「ただの砂時計です。中の砂が落ちきるのにちょうど一時間。落ちる砂の重みで、底のガラス玉が押し上げられ、一時間に一度だけ、綺麗にカランと音が鳴ります」

「一時間、か。ハイテクな車に乗っておいてなんだが、こういうアナログな時間も悪くないな」

男は苦笑しながらテーブルの上にガラス瓶を立てた。細い首を通って、白い砂粒がひとつ、またひとつと落ちていく。

アイスコーヒーを味わいながら、ガラス越しにソアラのシルエットを眺める。デジタル時計が刻む正確な数字とは違う、砂粒が流れるゆったりとした時間。流れるジャズの旋律に耳を傾けていると、日頃の忙しさが少しずつ解けていくのを感じた。

やがて、瓶の底に白い砂の山が完成したその瞬間。

——カラン。

涼やかな音が小さく店内に響いた。

「……いい『ひまつぶし』だったよ、マスター」

男が伝票を持って立ち上がると、マスターは柔らかく微笑んだ。

「それはよかったです。またいつでも、愛車と一緒にお休みにお越しください」

店を出ると、相変わらずの熱気が男を包んだ。キーを差し込み、静かにツインカムエンジンを始動させる。滑らかな回転音を聞きながら、男は再びゆっくりとソアラを走らせ始めた。  
Posted at 2026/08/20 09:24:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | AI小説 | 趣味
2026年08月17日 イイね!

緑のポルシェと、平取の風

緑のポルシェと、平取の風書斎の引き出しの奥から、ちいさな緑のミニカーが出てきた。
缶コーヒーの首に付いていた、ポルシェ 911 GT3 RSのプルバックカーだ。

てのひらに乗せ、机の上で少し後ろに引いて離してみる。ジーッと軽快な音を立てて、積んである本の間を勢いよく走り抜けていった。

「どこへ行こうか」

指先でその小さな屋根を撫でながら、ふと、北の大地の風景が頭に浮かんだ。
北海道の平取町(びらとりちょう)——。
緑豊かな沙流川の清流と、日高山脈の雄大な山並みが広がる場所だ。

想像のなかで、僕はこの鮮やかなシグナルグリーンのポルシェに乗り込み、エンジンの始動ボタンを押す。

平取の快走路へ躍り出ると、窓から飛び込んでくるのは爽やかな夏草の匂いと、どこまでも澄んだ空気。沙流川の流れに沿って緩やかなカーブを曲がりくねりながら進むと、二風谷のチセ(伝統家屋)が見えてくる。アイヌの歴史と人々の営みが静かに息づく土地の風を感じながら、アクセルを少し強めに踏み込んだ。

高台の義経神社からは、緑の絨毯のように広がる平取の町が一望できた。
ドライブの途中には、びらとり温泉で汗を流し、名物のびらとり和牛と甘いトマトに舌鼓を打つ。

指先ほどの小さなプルバックカーだが、机の上を走らせるだけで、心は一瞬にして何百キロも離れた北の広い空の下へと飛んでいく。

今夜は、この緑の相棒を枕元に置いて眠ることにしよう。
夢のなかでは、もっと遠くの風を追いかけて走れるかもしれない。
Posted at 2026/08/18 00:07:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | AI小説 | 趣味
2026年08月11日 イイね!

日産クリッパードクダミバージョン

日産クリッパードクダミバージョン掌編小説 日産クリッパー

荷台の煽(あおり)に片手をかけ、男は真新しい銀色のボディを見つめていた。

日産クリッパー。無骨な働く車でありながら、どこか愛嬌のある顔立ちをしている。だが、いま目の前にある一台は、ただの軽トラックではなかった。

車体を包み込むのは、濃い緑の葉と純白の花びらが織りなす、ドクダミのボタニカル柄。迷路のように複雑に入り組んだそのグラフィックは、先日の新聞のパズル面からそのまま抜け出してきたかのような異彩を放っている。

「本当に塗っちまったのか」

同僚のあきれ顔を余所に、男はそっとドアノブに触れた。ピンクの案内線はすでに消され、残されたのは緻密な葉脈と白い花だけだ。陽光を反射するキャビンは、まるで群生するドクダミの群落そのものが走り出そうとしているかのようだった。

「日陰でひっそり咲く草だと思ってたがね。こうして鉄の塊に纏わせると、なんだか街を覆い尽くす緑の生命力そのものに見えてくる」

男は運転席に乗り込み、キーを回した。静かにエンジンが鼓動を始める。

仕事帰りの夕暮れ、雑踏のなかを走らせれば、歩道を行く人々がふと足を止め、振り返る。嫌われ者の野草が、いまやストリートを飾る意表をついたアートワークへと姿を変えていた。

バックミラーに映るのは、荷台上を揺らす夕暮れの街並みと、車体に描かれた深緑の葉影。男はアクセルを少し踏み込み、慣れ親しんだ街の路地へとクリッパーを走らせた。




Posted at 2026/08/11 12:08:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | AI小説 | 趣味
2026年07月31日 イイね!

ホーミーコーチで玉川温泉

ホーミーコーチで玉川温泉愛車のホーミーコーチが、八幡平の山道を力強く登っていく。心臓部のZ20エンジンが刻むリズムは、まるで古い鉄道の貨物列車を思い起こさせるような、粘り強く心地よい鼓動だ。すでに40年選手だが、まだまだ走れる。

窓から見える景色は、かつて読んだ紀行文の通り、深い渓谷と緑が織りなす圧倒的な自然の懐である。「人里離れた山奥の湯治場」。観光地の温泉とは一味違った雰囲気を持つその場所へ、日常を積み降ろしたホーミーを走らせる。

玉川温泉に到着すると、変わらぬ強烈な硫黄の香りと、源泉から噴き出す熱気が迎えてくれた。あの「大噴」は、今も変わらず大地から猛烈なエネルギーを放っているのだ。

強酸性の湯に足を踏み入れる。皮膚を刺すような刺激のあとに訪れるのは、形容しがたい解放感だ。二十分の時が過ぎる頃には、「極楽、極楽」という言葉が、まるで自分の身体から自然とこぼれ落ちた。湯治場特有の静寂の中、湯に浸かりながらふと思う。先人たちも、こうして日常を離れ、旅先で自分自身を見つめ直したのだろうか。

帰路、ホーミーコーチのエンジンブレーキを効かせながら、私は確かな充足感とともに山を下った。途中のドライブ・インで郷土の絵はがきを買い求めた。夏の玉川の湯のことを手紙に書いてみよう。そう思いながら、愛車のハンドルを握りしめた。
Posted at 2026/07/31 07:57:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | AI小説 | 旅行/地域
2026年07月29日 イイね!

サディスティック・ミカ・バンド

サディスティック・ミカ・バンド音楽を聴いています。
サディスティック・ミカ・バンド/Boys & Girls
Posted at 2026/07/29 00:16:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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「【小説】ひまつぶし http://cvw.jp/b/3269812/49257458/
何シテル?   08/20 09:24
白銀XSです。よろしくお願いします。
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