TTRSキャリパーオーバーホール

作業をする前に、ハスコーから出ているピストンリムーバーみたいに両手でピストンを抜ける工具を用意する事。
分解時にコンプレッサ不要でピストンを抜く事が出来、組み付けの時は簡単にシールを噛むので、ピストンを替えながら騙し騙し入れる為に必要。
組み付けは工具を使わず、必ず手で入れる事、工具を使うとシールを噛んでいてもわからない。

キャリパーの品質バラツキが大きくて、ピストンを選択組み付けしている様だ。
多分、この為にブレンボから補修用ピストンが出なくなった。
時間短縮の為には外したピストンを管理して、元のシリンダーに戻す事が重要。
キャリパーによっては、組み付け時のグリスが不要な物もある。
TTRS純正のシールを使うならグリス不要。
判断基準は、組み付け時にブレーキフルードのみで、手で軽く入れられるかどうか。
組み付け時のグリスが必要な場合、綺麗に溶けるグリスか、全く溶けないグリスのどちらかを選ぶ必要がある。(手持ちのグリスの結果は下記参照)
全く溶けないグリスを使う場合、ごく薄く塗る。

ピストンシールは、同じ径のピストンでもキャリパーによっては違う型番になっている。
実際、今回使った993、964用とTTRS用は違う型番。
今回は、シールの交換でフィールや動作がガラリと変わった。
ブレンボキャリパーのオーバーホールでは、シールの流用はよく行われるが、ここまで変わった記述は見つからなかった。
シールがキャリパーに与える影響を確認する為、純正のシールと日産のシールを入手して、比較する必要がある。

日産のシールを入手して確認してみると、993、964用と同じ型番となっていた。

組み付け時に使用するグリス。

ブレンボ純正（クリューバー）：数時間で綺麗にフルードに溶ける。
KURE シリコングリースメイト：フルードに溶けない。
スミコー モリブデンラバーグリス：数分で塊状にフルードに溶ける。
スミコー モリラバーグリス PGM-100：ほんの僅かづつ、塊状にフルードに溶ける。
スミコー FMラバーグリス PGF-100：ほんの僅かづつ、塊状にフルードに溶ける。