さてさて、予選風景の続きを・・・・・
3:JSB1000
全日本ロードレース国内最高峰クラスになっています
簡単に歴史を書いて行くと・・・
’93までは全日本最高峰はGP500でした
WGP(当時のMotoGPの呼称)最高峰クラスの2ストローク500cc4気筒エンジンの車両を使ってのレース
しかしながら当時としてはコストが掛かり過ぎで参戦台数が減少(まぁ、500ccは全日本では市販はおらず(一部例外あり)ワークスマシンしかありませんでしたし)・・・&将来的に環境問題云々で2ストロークが廃止される流れが確定していた事もあり、WGPでは2003年、全日本はコスト問題で参戦台数が10台前後ってコトで10年早い’93で廃止が確定になっていたのです
そんなワケで、次に大きいクラスだったスーパーバイク(当時は市販車750cc4ストローク車両で改造範囲が狭い)が最高峰になったって流れ
そのスーパーバイクにしても、’92まではTT-F1ってクラスがあったんですが、そのクラスがコスト高騰で参戦台数減少
エントリー数を戻す為にどうしよう?なんて話になり、当時EUで盛り上がっていたスーパーバイククラスを日本に導入しようって流れになったのです
エンジンの改造範囲は少なく、フレームの加工も制限があり、メーカー直系でも無い限りは
5~600万くらいの費用でそこそこ上位を走れる車両が作れる(当時)
ってコトで、人気に火が着いたのです
まぁ、レースなんてモノは進化して行けば行く程、コストとの戦いになるワケです
このスーパーバイクも御多分に漏れず・・・で、’90年代末期には同様のコスト問題が出てきたワケです
ふんだんに銭を掛けられるメーカー直系チーム(ワークス)以外は勝てない、なんてお話になりまして、またまたエントリー激減
その当時、EUのスーパーバイクでは色々紆余曲折ありまして4気筒の排気量が1000ccに拡大されたのです
※この辺りは書いたらほんとに長くなるから割愛
全日本もソレに合わせて1000ccに拡大
ほぼ同時にメーカー各社も不況も重なったコトもあり、紳士協定的にワークス体制撤退
メーカーからは直接ワークスマシンを出さずワークスサポートって形で有力チームにちょっと良い部品を供給する流れに落ち着いたのでした
その時にクラス名をJSB1000に改称、現在に至ります
が・・・・・2015年、ヤマハが紳士協定を破ってワークス復活させたんですけどね(ヲ
ま、ソレも色々あるんで割愛
現在、全日本で使われている車両はホンダのCBR1000RR-R、ヤマハのYZF-R1、カワサキZX10R、スズキGSX-R1000、アプリリアRSV,そして今シーズンからチーム加賀山がアレコレと動いてドゥカティからパニガーレV4RSワークスマシン(スーパーバイク世界選手権でのチャンピオンマシン)を貸与を受けて参戦というカオスな状況
タイトル争いはヤマハワークスの2台に絞られている状態で、今回の最終戦で開催される2レース(JSB1000は土日それぞれ1回ずつ決勝がある)でタイトルが決定する状況になっております
最終戦ってコトで、皆様特に気合が入っておりまして(来シーズンの契約等々も絡んできますので)熱い予選になりました
予選風景がコチラ
ホンダ系をまとめて・・・・
ホンダは基本、ワークスマシンを出してません
レース用の最低限のキットパーツを販売、ソレを組み込む&各チーム独自開発のパーツの組み合わせで全日本を戦っています
まぁ、ファンとしては色々な意味で歯痒くもあるのですが・・・・
しかしながら、ある意味ホンダは公平な対応に徹しているってコトです
さてさて、そんなホンダ系有力チームの1つ、ハルクプロさんから名越 哲平くん
ATJ(ホンダ系パーツメーカー)社内チームの岩田 悟くん
予選終盤でドゥカティの後追いをして一時、2番手タイムを叩き出しました
町のバイク屋さん、櫻井ホンダより伊藤 和輝くん
岡山が本拠地のTOHO Racingより、清成龍一くん
過去に複数回、全日本(他のカテゴリ)、イギリス国内選手権やアジア選手権でタイトルを獲得しております
特にイギリスではKing Kiyoと呼ばれ今でも絶大な人気があります
チーム日本郵便、高橋 匠くん
2016年のJSB1000チャンピオン
さくらさんが時々観戦している鈴鹿8耐でも通算6勝(最多勝利記録)
Teamアグラス、亀井雄大くん
2年前まではホンダ社内チームの鈴鹿レーシングより全日本参戦しておりました
当時は通称”部長”(笑
鈴鹿レーシングは社内(ホンダ鈴鹿工場)の倶楽部扱いのチームで、そこの部長だったんですよね(^^)
一昨年、実績を買われて鈴鹿工場を退社、2023年はヨシムラさんに加入したのですが・・・・・ホンダからスズキへの乗り換えが上手く行かず、1年で終了
プロの厳しさを実感したシーズンになったのでした
今年は世界耐久に参戦しているチームに加入、好成績を残しております
全日本最終戦には関係者が尽力して、地区戦参戦しているチームから車両を借りての参戦となりました

DUNLOP Racing Team with YAHAGI 長嶋哲太くん
数年前までMotoGPのMoto2(中間クラス)に参戦していた哲太くん
今をときめくKTMの契約問題のゴタゴタに巻き込まれてシート喪失、全日本に戻って来ました
レギュラー参戦からは2年離れていたのですが、その間にHRC(ホンダワークス)から鈴鹿8耐に出場、2連覇の実績を持っています
今シーズンはダンロップタイヤの開発の契約で全日本にレギュラー参戦をしています
アステモホンダより、野左根航汰くん
さくらさんイチオシの野左根くん
以前にチラっと別日記で書いた”ヤマハからの不遇の扱いを受け、ホンダに移籍する事にしたライダー”がこの子だったりします
ホンダ移籍初年度で、ホンダ勢トップの成績を残しました(ランキング4位)
ヤマハワークス
ヤマハの前年度のチャンピオン、中須賀
個人的には色々と事情を知った&過去のとあるレース後の態度がアレだったんで好きでは無いライダーの一人(ヲ
実績もあるしファンサービスもしっかりしてはいるんだけどねぇ・・・・
で、その中須賀相手に頑張っている岡本裕生くん
最終戦手前、予選の段階で岡本188pts、中須賀192ptsの4ポイント差です
因みに優勝25pt、2位20ptで、兎に角前に出た方が勝ちな緊張感溢れる状況でした
Team Nitoro Racing 芳賀 瑛大くん
この子のお父さんは’90年代~’00代に全日本&スーパーバイク世界戦で大暴れした芳賀紀行くん
因みに紀行くんとは彼が全日本駆け出しの頃に色々交流させていただいてた縁があったりもします(ヲ
その息子が全日本を走っている・・・・さくらさんも歳取ったなぁ(;´д`)
・・・・その芳賀家ですが、今年の全日本岡山戦(鈴鹿の1つ前)で次男の涼太くんがST600クラス決勝中の不慮の事故でお亡くなりに・・・・という悲劇に襲われたばかり
彼や親交のあるチームの車両には弟の涼太くんのステッカーを貼り追悼レースとして参加していたのでした
カワサキより、KRP 三陽工業&RS-ITOH、柳川明くん
・・・・彼、全日本デビューが確か1992年
現役で30年以上走り続けている超ベテラン
今ではMr.カワサキなんて呼ばれておりますが、全日本デビューはスズキからだったりします(笑
カワサキでは’95からの参戦
今となってはカワサキ同様に少数派になってしまったスズキ系の雄、ヨシムラさんから渥美 心くん
今年からヨシムラに加入(昨年まではBMWを使っている国内プライベーターチームからの参戦でした)
今年のヨシムラの耐久世界選手権タイトル獲得の立役者の一人です(主に開発担当)
BMW系チーム、SANMEI Team TARO PLUSONE、関口太郎くん
彼も’90年代後半から全日本、WGPで活躍している一人
デビュー当時はGP250で、そこから世界選手権に参戦
怪我等々で全日本に戻ってきた後、独自チームを立ち上げて現在に至ります
毎年個人スポンサーを募集しての参戦
根強く応援してくれているファンが多いのが彼の強みでもあったりします
TONE RT SYNCEDGE4413 BMWより、星野 知也くん、通称ほっし~
彼もレースキャリアは長く、’95から地区戦を中心に活躍
全日本スポット参戦を経て、’07から他クラスでレギュラー参戦を続けている猛者です
ここのチームの監督さんとは他SNSで交流させていただいております(´ω`)
BMW系チームはワークス、ワークスサポートチームは無く、プライベーター扱いのチームです
Team TATARA apriliaより、新庄 雅浩くん
全日本では圧倒的少数派(GP3でのKTMみたいな感じw)
ApriliaRSV1100を駆る実力派の一人で、色々なカテゴリのレースで上位の成績を残しております
このApriliaですが・・・・・さくらさん、個人的には市販車で街乗りするのはあんまりオススメ出来ません
トラブル多過ぎで・・・・(マテ
最後に今シーズン、全日本の話題を一気に掻っ攫ったTeamKAGAYAMAの水野涼くん
去年まではホンダ系のチームで走っておりました
チーム代表の加賀山くんがドゥカティワークスと直談判してチャンピオンマシン(1年落ちですが)貸与交渉に成功、今シーズンの全日本の投入したのです
実績は十分なマシンなのですが、如何せん、全日本のサーキットのデータ、使用燃料のデータがドゥカティワークスにも無いもので、シーズン序盤はデータ取りに追われて望む結果は得られず状態
しかしながら、終盤に向けてエンジンのセットアップが決まり(燃料調整のセットアップが出るようになった)成績も上向きに
そして、シーズン2度目の鈴鹿開催で万全の体制で迎えることが出来た最終戦
予選では2位を獲得するコトが出来ました
と、説明入れまくりのJSB1000クラスでございました(´ω`)
予選は続くよまだまだ続く(´ω`)
続いてのクラス
4:ST600
※予選開催順でUPしてます(笑
ST600のSTとは何ぞや?と聞かれましたら、ストッククラス・・・とお答えする以外何もござんせん(´ω`)
市販の600ccスポーツモデルで改造範囲がめっちゃ制限されております
フロントフォークはノーマルの外観を維持
※内部構造は変更可能、インナーチューブ(銀メッキの細い部分)は表面仕上げ(アルマイトらメッキやら)は可能
リヤサスも変更は出来るけど制限多いです(´ω`)
前後共に純正で電子制御が使われないのであれば使用禁止
タイヤは公道用(建前)の溝付きタイヤでBSの指定銘柄のワンメイクとなっております
そして、予選、決勝でタイヤは2セットしか使えません
※雨天時は別途レインタイヤ使用可能
その他色々細かい制限が多くて、ベースマシンの素性&ライダーの腕が露骨に出るクラスです
が・・・・現実の所を書いてしまうと、近年は大型車両(1000cc)の方が人気があり600ccはそんなに売れていない現実
・・・となりますと、メーカーも積極的にモデルチェンジ等々出来ないもので近年は新型も発表されず、彩り的にはちょっと寂しいクラスでもあります
主力がホンダのCBR600RR、ヤマハのYZF-R6
世代がちょっと新しい分、ヤマハの方が有利になっているクラスです
(カワサキの現行600は636ccだったかな?で、現行レギュレーションでは参戦出来ず。スズキもGSX-R600があったのですが世代的に古くて戦闘力が低いので、地区戦では見られますが全日本では・・・・な状態)
そんな600ccはこんなマシンが走っております(´ω`)b
ホンダCBR600RR
JAPAN POST docomo business TP 大和 颯くん
スポンサーが日本郵便
彼のチームメイトでゼッケン#5の小山知良くんは2019年のST600のチャンピオンだったりします
SDG Team HARC-PRO. 濵田 寛太くん
ホンダ系有力チーム、ハルクプロから参戦の彼は現役高校生
元気の良い走りを見せてくれてます(´ω`)b
BATTLE FACTORY 鈴木 大空翔くん
鈴鹿を拠点にしている有力ショップ、バトルファクトリーさん
レース用のステップやその他色々なパーツの販売、レースベース車両の販売等、手広くやっているお店です
レース参戦は商品開発も兼ねております
続いてヤマハTZF-R6
伊藤レーシング BORG CUSTOM 鈴木 大空翔
町のバイク屋さん(カスタムメイン)のチームです
商品開発や宣伝を兼ねての参戦
M-Factory RT NIWA ENGINEERING 丹羽 貴大くん
鈴鹿サーキット近くのレース系ショップ、M-Factoryさんのチーム若手育成も兼ねているとのコト
と、大雑把に紹介
予選中、前の人に引っ張ってもらってタイムを上げたり相手の手の内を見るのにバトル状態になったりするコトもあります
そんな状態から・・・・

さくらさんの眼の前を通過していった直後、この2代が接触転倒(;´д`)

後続もコーナーポストの黄旗を見て、手を上げて回避・・・・

コースマーシャルも即、救護体制に入ります

幸い、両名大きな怪我も無く無事でした(´ω`)

が、#5の小山知良くんは大事を取って決勝を欠場する事になりました
※シーズン序盤の怪我が悪化した為
このST600でAMの予選は終了しました
昼休みを利用して、ピットウォークなるイベントが開催されるのですが、さくらさんは今回はピットウォークはスルーして、鈴鹿最果ての地へと向かったのでした
続く