秋の夜長はバーボン片手に瞑想に耽る………に限りますね。
さて本日のお題目は『ツライチ』について(爆) ……長文にて失礼しますm(__)m
『ツライチ』とは、真上から見たときにホイール外面がフェンダーラインと同じ位置まで出て
「均一な面」をつくる状態と定義されている。
『ツライチ』だと見た目が格好よく、コーナーでの踏ん張りも向上する、 と言われている。
ただし、ホイールのオフセットを変えるとハンドルがとられやすくなりがちである、とも言われている。
ところで、脚を替えてキャンバーをつけてから、タイヤの上部が奥に引っ込んでしまったのが
ヒジョーに気になって最近は夜も寝られません(爆)
『えっ!昼間の会議じゃ寝てるじゃん』って突っ込みは無しですよ(自爆)
まあ冗談はさておき、
1.ツライチにしてカッコよくしたい。
2.とはいえ、走りを犠牲にしたくない。
3.現在若干干渉するが、これを車高を上げることなく解消したい。
4.サーキット場で使うSタイヤでも支障のないようにしたい。
という前提のもと、貧しい知識と無い頭で愚考してみた。
まずはウチのクルマを観察してみた。
(1)外観チェック
フロントは、タイヤ上部はフェンダーより、ちょっぴり引っ込んでるように見えるが、
ネガティブキャンバーにしているのでタイヤ下部はフェンダーより微妙に出っ張って
いるようにも見える(汗;) 要するにクルマを前から見るとタイヤが『ハの字』になって
いるということだ。
ちなみにフェンダーとタイヤの隙間は指一本半くらい入る程度。
ステアリングを目一杯きった時、ホイールハウス内で干渉することはないが、隙間は10mm
くらいしかない。
リアは明らかにフェンダーより引っ込んでいるが、側面から見るとフェンダーがタイヤに
少しだけ被さっている。隙間には指一本入らない(滝汗;
しかも走行中、バンプ時にタイヤがホイールハウス内(多分、布部分)に干渉することがある。
(Sタイヤ装着時はホイールのオフセットの関係でコーナーのたびにザザーッと干渉している(汗;))
尚、タイヤのショルダー形状はミシュランPS2は、どちらかというと丸みを帯びた形状である。
(2)データチェック
<普段履きのホイール&タイヤ>
フロントは、
ホイール:19インチ-8.2J、オフセット38mm
タイヤ:235-35-19
キャンバー:約2度(正確には右:2度6分、左:1度48分)
車高:ノーマル比:約25mmダウン
スペーサー:15mm厚
リアは、
ホイール:19インチ-9.2J、オフセット45mm
タイヤ:265-30-19
キャンバー:約1.5度(正確には左右とも1度36分)
車高:ノーマル比:約35mmダウン
スペーサー:5mm厚
<サーキットで履くSタイヤ&ホイール>
フロントは、
ホイール:17インチ-8.0J、オフセット38mm
タイヤ:225-45-17
スペーサー:15mm厚
リアは、
ホイール:17インチ-8.2J、オフセット18mm
タイヤ:225-45-17
スペーサー:無し
(3)ツライチにするには …… 一考察
フロントは、スペーサ-を15mm→20mm 又は25mmでいけそう。
本来はスペーサー対応ではなく、オフセットが20~25mmのホイールを
装着するのが王道とは思うが、果たして気に入ったデザインのホイールがあるか、
それと何より予算がかかるのが大きな問題である。
(オフセット量が少ない(○○mmの数値が小さい)ほどホイールは外に出っ張る)
尚、スペーサー厚肉化によるバネ下重量の増加は気になるところではある。
ちなみにキャンバーは目一杯ネガティブにして現状の2度である。
余談になるが、キャンバーをこれ以上ネガに出来たとしても、接地面積が
減るので、タイヤを太くして接地面積を増やさないとクルマの制動距離が
伸びてしまうことになる。当然直進安定性も悪化する。
リアは現時点でタイヤが干渉しているので、フロントのように簡単ではなさそうだ。
手法としては、ネガティブキャンバー1.5度→2度~2.5度にしてタイヤを寝かせる
ことによって、フェンダーとタイヤ上部の隙間を広げて、スペーサーを5mm→
10~15mmに変更する方法はある。しかし、
キャンバーをつけ過ぎるとタイヤ接地面積が減るので、トラクションが十分かからない
懸念はあるし、タイヤの片減りも心配だ。そもそも構造上、今以上にキャンバーをつけら
れるかどうかが問題ではある。(リア足回りはマルチリンクなのでキャンバー調整すると
トウも変化してしまう可能性があり、キャンバー調整が制限される。)
となると、もう一つの手段は、フェンダーの爪を折って、キャンバーは弄らずにスペーサー
厚肉化の方法か? 爪折りは上手くやらないとフェンダーの塗装にクラック(ヒビ)が入った
りするリスクはある。
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<コーヒーブレイク>
ところでキャンバーを1度調整すると、タイヤ上部・下部は何mm引っ込んだり、
出っ張るのだろうか?
ここで簡易計算をしてみた。(間違ってたらご指摘ください)
まず前提としてキャンバーを調整するときの軸はホイールの中心とする。
ややこしくなるのでトーやキャスター角や諸オフセットは考慮に入れない。
<フロント>
タイヤの厚み=235mm×35%×2=164.5mm
ホイールの直径=19インチ×2.54=482.6mm
合計(=タイヤの直径) 647.1mm
従って、タイヤの円周は約2032mm
<リア>
タイヤの厚み=265mm×30%×2=159.0mm
ホイールの直径=19インチ×2.54=482.6mm
合計(=タイヤの直径) 641.6mm
従って、タイヤの円周は約2015mm
ここでタイヤと垂直な仮想円を描いてみる。
従ってキャンバーを1度調整すると、
フロントは、2032mm÷360度≒5.6mm
リ アは、2015mm÷360度≒5.6mm
がタイヤが寝たり、立ったりすることになる。
ところで上記の簡易計算では、キャンバーを調整するときの軸を
ホイールの中心と仮定したが、本当にそれでよいのだろうか?
フロントの場合、下記の図を参照されたい。
(↑Motor Fun illustrated Vol.7 サスペンション基礎と新常識 P78より引用)
上記の簡易計算ではキャンバーをつける(緑の矢印)時の回転軸は赤マルのところとした。
しかしながら、たとえばフロントの構造をよくみると、オレンジ線のロアアームの
両端の距離は殆ど不変であるから、青マルが軸になるのではないか?
ロアアームのホイール側のリンク部(青マル)と赤マルの距離は
約150mmあるので、上記簡易計算と同様に計算してみると
円周は2957mmとなり、これを360(度)で割ると、キャンバーを1度調整すると
タイヤ上部は8.2mm動くことになる。逆にタイヤ下部は上部ほど動かないことになる。
従ってキャンバーをネガティブに2度ふると、タイヤ上部は約16mm引っ込む
ことになる。簡易計算では約11mmだったから、実に5mmも異なることになる。
リアの場合は、足回りの構造がフロントと異なり、また違う結果になるので
ここで記載は省略する。というか計算できず、実際に動かしてみるしかない。
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(4)一応の結論
フロントは、サスペンション交換&ピロアッパー化により2度ほど
ネガティブキャンバーにしてあるので、8.2mm×2度=16.4mmほど
寝かせたことになる。(上記青マルを軸に動いている場合)
従ってスペーサーは現状15mm → 25mmに変更可能なことが
机上計算では確認できた。但しスペーサーを噛ませるとそれだけ転舵軸から
タイヤ外周までの距離が長くなる(=タイヤの作動範囲が広くなる)ので、
ステアリングを大きく切ったときにホイールハウス内にタイヤが干渉しないか、
注意を要する。
リアは悩み所である。
キャンバーを更に0.5~1度つけて、スペーサー5mm→15mmか?
それとも、これ以上キャンバーをつけられなければ、素直にフェンダー爪折り&スペーサー
厚肉化かな? もう少し勉強が必要だ。
以上の通り、
たかが『ツライチ』されど『ツライチ』である。奥が深い。