「不安を覚えるほど軽いクラッチを踏むと、ギアに手を伸ばす。
1速へはゴリっとはめ込むような経験したことのない手触り、
1速以外ではガチッとハマる剛性感と密度感を兼ね備えた
信頼感のある手応えに変わる。996に比べるとストロークは明らかに短い。
カレラ4Sと同じ車両感覚で動かせる。
第3京浜に入り、最初の直線の後は荒れた路面の左カーブ、
連続してわずかに逆バンクとなった右カーブ。
ここで996C4Sだと完璧には路面を捉えきれず、
微かにアンダーの兆候が見られたが、
このクルマではアンダーもオーバーも全くなく、
C4S+アルファの速度で走り抜ける。
都筑を過ぎ直線になると、いつもC4Sでしていたように
6速から4速へブリッピングを入れてシフトダウン、
右足に力をこめた。」が!
そして怒涛の加速!と思う前に怒涛の「ド」くらいで
右足の力は抜けてしまいました。一瞬の吹け上がりと背中を押す、
というよりドつかれるような加速の始まりで怖気づき
アクセルを踏み続けることなどできなくなってしまいました。
一瞬でクルマと自分の身体だけが数秒先の地点に
行ってしまった。これは確かに「ワープ」です。
911ターボの加速について、いろいろな表現を見てきました。
「暴力的」「血も凍る」「血の気が引く」どれも当たり。
引くほどの加速としか言いようがないです。
もちろんもっと速いクルマはいくらでもあるでしょう。
自分が経験が少ないからかもしれませんが、
やっぱり、この加速感は独特のものだと思います。
落ち着いていろいろな状況から加速してみると、怒涛の加速は
3000回転あたりから、6速、5速で2000回転くらいで
流している時でも踏めば普通以上に加速しますが、
やはり3000回転あたりで明らかにステージが変わり
強烈に背中を押されます。これをラグと言えばその通りですが、
この2段階の加速はターボらしくて気持ちいいです。
3000回転をキープしておけば、いつでも絶叫マシンです。
家に戻って洗車、昼からは家内と横浜へドライブ。
買い替えに反対していた家内も大黒のパーキングでは
クルマの周りをぐるぐる回って撮りまくりです。
結局1日中クルマで遊んでいました。
13年経ってるクルマにも関わらず、内外装、走りにヤレは感じられません。
ドアやウィンドウの立て付けにもダルな感じは全くなく、
ドアは軽く吸い込まれるように閉まります。ボンネットもですが、
軽量化が効いているようです。
限界付近の挙動がピーキーで996C4Sとは相性が良くないと
感じたパイロットスポーツもこのクルマとはピッタリのようで、
ピーキーな感じは全くありません、と言うよりも
自分ではそこまで攻められそうにありません。