足音

あれはそう、蒸し暑い今日の朝の事でした。

普段より１時間早い出社なだけで

いつもと変わらない朝のはずでした。


通勤コースは自宅から徒歩10分かからずに

最寄りの駅に到着します。

セミの鳴き声が煩い市営住宅棟を歩いていると

左手にある住宅棟の出口からサラリーマンが出てきました。

そのまま私の後ろを追従する形で駅に向かうようです


セミの鳴き声に掻き消されつつも二人の足音が

コツコツと耳に入って来ました。


見通しの良い広い道で、駅まで一本道ですから

私を付け狙う痴漢やストーカーでは無いようです(笑)

まぁ気になったのはちょっと…足音が近いかな


駅前までの数分間は一緒に歩いたでしょうか？

駅に向かう道路を渡ろうと振り向いた私の目の前には


誰も居ませんでした…


一緒に歩いてきたサラリーマンはどこに？

って言うか誰の足音？


結局、私は一人だったようです…足音を除いては