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2021年03月20日

あなたは畳む?電動格納ミラーやフラットワイパーの登場背景には理由がある!

あなたは畳む?電動格納ミラーやフラットワイパーの登場背景には理由がある!  おはようございます、どぅりんりです(/・ω・)/

 今当たり前のように装着されている電動格納ドアミラーやフラットワイパー。そもそも使用用途はあっているのでしょうか?
 開発当時の秘話とともに紹介します。

 駐車する際にドアミラーをたたむ、という人が少なくありません。スイッチひとつでたためることもあり、インターネット上では「たたむのがマナー」という意見も見られます。
 しかしながら、ドアミラー車でも、電動でたためる機構がない車種もあります。そもそもかつては、ボンネット付きの車両においては、ボンネットに据え付けられたフェンダーミラーの設置が法令で定められており、これが改正されドアミラーが解禁されたのは1983(昭和58)年のことです。
 フェンダーミラーではいざ知らず、駐車場でドアミラーをたたむ習慣は、少なくともこのとき以降に広まったものと推測されます。一方、電動格納式ドアミラーは1984(昭和59)年、日産「ローレル」C32型に世界で初めて採用されたものです。これは当初から、駐車場でたたむことを目的としたものだったのでしょうか、開発した市光工業(神奈川県伊勢原市)が当時を振り返ります。

 駐車場や道路が狭いという日本固有の道路事情や自動車環境が背景にあります。電動による鏡面の角度調整機能はフェンダーミラーの時代からありましたが、フェンダーミラーからドアミラーへと移行してきたことで、ミラーが車体の外側へ露出する量が増えたことから、格納も自動でできる機構を作れないかと日産さんから打診を受け、共同で開発したそうです。
 狭い駐車場で人がミラーに当たってしまうことや、狭い道路での行き違いなどを想定したものです。いちいちクルマを降りて手でたたむ手間をなくし、車内からかんたんに格納したり展開したりするために開発したといいます。
 日本車での採用を受け、メルセデス・ベンツやBMWなど欧州のメーカーが、まず日本向けの仕様として電動格納機構を装備し、欧州の高級車を中心に設定されるようになったことで世界へと広がりました。現在、電動格納式ドアミラーの普及率は日本では96%に達し、欧州でも高くなっています。加えて、日本や欧州では法令において、電動か手動かを問わずドアミラーをたためることとされています。
 一方、北米や中国では、欧州ほど普及してはいませんが、やはり高級車を中心に電動格納式ドアミラーが設定されています。

 続いてはフラットワイパーです。
 クルマのフロントガラスのワイパーは、長年、トーナメントワイパーと呼ばれる形状が一般的でしたが、2020年現在、より単純なフラットワイパーが増えています。ドイツに拠点を置く、ワイパー含む自動車部品や電動工具などのメーカー、ボッシュによると、2020年現在、日本における新車輸入車のフラットワイパー搭載率はすでに80%に達しているほか、国産車でも15%だそうです。
 トーナメントワイパーは、フレームから複数の金属パーツが枝分かれしてワイパーゴムを支える構造で、いわゆるトーナメント表に見立ててそう呼ばれます。いくつもの「点」でワイパーゴムを支え、ゴム全体に均一な力が掛かるようにしているのです。これに対しフラットワイパーは、1本の芯材でゴムを固定しており、これがしなるため、フロントガラスのカーブに合わせてフィットするという特徴があります。
 ボッシュによると、トーナメントワイパーは、それぞれの金属の枝がゴムを支える支点の圧力が高くなり、フロントガラスにかかる圧力にバラつきが生じるとのこと。対してフラットワイパーは、フロントガラスにかかる圧力がより均一に伝わり、クリアで安定した拭き取りを実現するといいます。
 「欧州は200km/hもの速度で走行するドイツのアウトバーンなどもあり、高速走行時のワイパーの浮き上がりが日本以上に重要視されています。フラットワイパーは風力を確実に逃がす構造であるため、モータースポーツでも採用されているものです」(ボッシュ)

 フラットワイパーは、1999(平成11)年にボッシュが初めて開発したものです。トーナメント型よりも構造が単純で、かつ拭き取り能力も高いというフラットワイパー、もっと早く普及してもよさそうな気もしますが、増加の背景には、製造工場における人件費と原材料費の高騰があるといいます。
 「以前は人件費や原材料が安価であったため、約80%の製造工程を手作業に頼るトーナメント型の方が、製造ラインを自動化するよりも負担が少なかったため、主流となっていました。しかし人件費や原材料の高騰によってそれが逆転し始め、製造ラインを自動化した方が10年、20年先も製品価格を安定させる事ができる、ということになりました」(ボッシュ)
 こうした製造工程の変化において、手作業がほとんどなく、自動化に最も適した製品が、フラットワイパーだったといいます。
現在のところ、フラットワイパーのデメリットとしては、トーナメント型より価格が高いことだそうですが、今後、流通量が増えれば価格を抑えられるようになるとのことです。
 ちなみに、ワイパーはもっと進化しており、ワイパーからウインドウウォッシャー液を噴出して、液ムラを抑えつつ拭き取るというものもあります。これもボッシュが開発したもので、ボルボの高級モデル「XC90」などに採用されています。
 加えて、トーナメントワイパーの場合はワイパーアームや支点部の錆びなどが原因で、部分的に圧力が変わり、拭き取り時の「グゴゴ……」という、いわゆるビビり音が発生することもあります。

 いかがでしたか?新しいから使いたい、流行りだからかっこいいと思われていた方もいるかもしれません。しかし、開発背景を知ると、電動格納ドアミラーは日本の狭い道路や駐車場を往来するために積極的に畳む機能であることがわかりました。また、フラットワイパーはトーナメント型からまもなくして考案されていたことがわかりましたね。
 理解することで「使う」から「使いこなす」に変えることができることと思います。
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Posted at 2021/03/20 08:55:03

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