
こんばんわ、どぅりんりです(^^)/
今回は気にされてる方とそうでない方の乖離が大きいタイヤの慣らしの必要性についてお話ししていきます。私の住む地域では夏タイヤも冬タイヤも半年ずつフル活用するのでどちらに対しても保管方法やタイヤの減り方、買い替えのタイミングなど、車が好きかどうかにかかわらず気を使います。
しかし、意外にもタイヤの慣らしとはスタッドレスやモータースポーツのハイグリップタイヤにはよく聞くものの、どうして必要なのかやしなかったらどう危ないのかなどの情報は案外多くないのです。

タイヤは製造の最終工程で加硫を行います。これは硫黄と熱を加えることでゴム分子を化学反応させる工程です。これによってゴムは飛躍的に弾性限界が高くなり耐久性が上がります。これによって数万㎞走ることのできるタイヤが出来上がるわけです。この工程ではモールドというお釜のような機械にタイヤを入れ、高温(150~200℃くらい)で数十分熱せられます。この熱によって硫黄に反応したゴム分子同士が結びつきを増し、弾性が強くなるのです。この工程で、加硫と同時にタイヤの内側から風船のようなものを膨らませて圧力をかけ、タイヤのトレッド面をモールドに押し付けます。モールドのトレッド部にはトレッドパターンが描かれており、ここでタイヤにトレッドパターンが刻まれるわけです。
この時、加硫を終え製品となったタイヤは薄い皮膜に覆われています。また、この工程でタイヤとモールドの間の空気抜きからはみ出したゴムがひげのようにはみ出していたり、小さな突起を作っています。

スタッドレスだとこの表皮が存在すると本来のグリップ力を発揮することができません。
サマータイヤも表皮があることでウェット路面でのグリップ力に大きく影響してしまいます。またブランドによっては急に乗り心地がマイルドになったり静粛性が増すなどのタイヤ本来の性能を発揮し始めるのです。

ですが慣らし運転の重要性はそこよりもあります。それは
・トレッドの剥離防止
・タイヤとリムを馴染ませる
ことです。
加硫によって弾性限界が飛躍的に高くなり、タイヤとしての性能を得ることができるわけですが、これはコンパウンドに起こる化学反応です。
タイヤの製造工程を見ると、カーカスを作りこれにコンパウンドを巻き付けて作られます。そうしてできたものをモールドに入れて加硫するわけです。
ゴムの弾性限界が高くなるのと同時に、高熱と内側からの圧力によって、コンパウンドとカーカスも強く貼り付けられるわけです。
ところがコンパウンドとカーカスの結びつきは、これだけでは十分とは言えないのです。特に新品タイヤでいきなり限界走行を始めると、トレッドの剥離が起こりやすいのです。
また、タイヤとホイールは、組み込み作業を容易にするためにせっけん水などを使うのですが、この水分がタイヤとリムの間に残っています。組んだばかりのタイヤで急な加減速をすると、タイヤがリムを滑って組付け位置がズレてしまうことあります。組付け位置がズレるとせっかく取ったホイールバランスもズレてしまうので、高速で振動が出ることがあります。
タイヤとリムの間の水分は、走行で起こるタイヤの熱やブレーキの熱がホイールに伝わってじきに乾いてしまいますから、組付け後少しの間ていねいな運転を心がけるのがいいと思います。
そしてタイヤメーカーの推奨慣らし距離はブリジストンでは以下のように定義しています。
一般車両のサマータイヤは80km/hで100km以上、スタッドレスタイヤで60km/hで200km以上走行することです。
これらはタイヤの耐久性を全うするためのいわば決まりごとになります。比較やレビューの際の押さえておきたいポイントです。
本来の性能や特徴と体感するために今一度、買ったタイヤを労わってあげるのはいかがでしょうか。
Posted at 2020/11/24 17:37:01 | |
トラックバック(0) |
車だいすき | 日記