どぅりんりです(^^)/
今では専門的なお店でしか聞かなくなった印象の強い「100km程走行したらまたお店に寄ってください、増し締めを行います」のセリフ。
この問題についてのご質問にお答えしていきます。
Q:最近新車の納車を受けたのですが、時期が冬だったのでスタッドレスタイヤでの納車でした。特別な説明はなかったのですが、最近の車のホイールナットは緩まないのでしょうか?
A:増し締め(締結確認)は必要です。
先に核心からお話しすると、「緩むものです」。
なぜなら脱着するものだからです。ハブボルトは靭性の高い材質で出来ています。この靭性を利用して、規定トルクで締めることで、ボルトが適度に伸び、戻ろうとする力を利用して緩みにくくしているといった構造をとっています。
日常点検(法令義務)にも空気圧と並んでナットの締結確認の記載がされています。
最低でも空気圧を確認する1~2か月の間に1回は確認すべきでしょう。
オーバートルクで閉まると、ハブボルト本来の伸縮範囲を超えてしまい、塑性破壊が起き、伸びたままになってしまいます。この場合ナットは取り付けてあるだけになり、ホイールを抑える効果はなくなってしまいます。
規定トルクで締めることが一番安全にホイールを装着することになるのです。
国産車は、そのランニングコストから、ハブボルトのみを交換することのできる構造にもなっています。これは四季でホイールの脱着が多い日本ならではの造りで、万一不具合が生じてもハブボルトのみを比較的安価で交換できるようにしているものでもあります。
また、「増し締め」とは自動車産業初期からの業界用語です。決して後から力を追加で加えるものではなく、「締結確認」「トルクチェック」「緩み確認」であり、規定トルクで締めてみて緩んだナットがないか確認する行為を指します。
最後になりますが、ホイールナットは、タイヤの空気が抜けるのと同様に「緩むもの」です。
ブレーキの点検やスタッドレス交換、構造によってはオイルエレメントやファンベルト交換時に容易に脱着ができる「構造になっています」
日常的な確認をオーナーさんで行っていかなければ、長距離運転時には危険を伴う可能性があるので確認する姿勢を身につけて行きましょう。
余談になりますが、アフターパーツで「ジュラルミンナット」というものがあります。とても軽量でドレスアップ性の高い商品です。
しかし、スチールナットと違い、ジュラルミンナットはアルミを硬化処理したものの「強度はスチールの3分の1」しかありません。サーキット走行などでの使い捨て感覚なら良いのですが、より負担の大きい鬼キャンバー車などでの日常遣いはおすすめできません。
経験値的にも、ホイールが脱輪した車両の大半がジュラルミンナットでした。 路面からの衝撃で割れることはよくありますので安全なスチールナットにしましょう。
Posted at 2022/09/04 10:40:58 | |
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