
第一印象は「薄い」だった。車幅、車高、全長含め488と変わらないはずなのに、とにかくウエストラインが低い。特にリアの早めに落ちるCピラーと複雑な曲面を持つグラスハッチ部分が思っていたより低い位置にあり、リアのフェンダーの膨らみと合わせて、ミッドシップに有り勝ちな後ろのマスを感じさせないデザインに仕上がっていた。
これは実車で特に強く感じると共に、実際には見た事がないが往年の250LMのクラシカルなラインがあった。
危惧していたAピラーのブラックアウトとフロントガラス上部のスパッと切ったデザイン変更は、それほど気になるものではなく、乗車したときのガラスエリアの上部圧迫感を若干ではあるが感じるところはあったものの許容範囲。
内装は最近のromaに通じるモダンなデザインと、黒を基調とするものだが、よりパイピング処理が映える。室内は良い意味でタイト。
特に実車で感じたのは、ドアから後部フェンダーにかけての垂直面のデザイン処理。決してリアフェンダーの膨らみは僅かなのに、上下の絞り込みやエアインテークの膨らみで立派なくびれを表現。にも関わらず実際の膨らみはほとんどないため、前輪による飛び石の側面ヒットはあまり心配がいらないだろう。ここは488ではほぼ平面だが、それに近い線を描きながらも、しっかりと膨らみを表現した複雑な曲面の集合体は唸るしかない。
もちろん良いことばかりではない。PHEVのバッテリーのメンテナンスは基本常に充電が必要。さらにその電源は、三口コンセントが必須。バッテリー等でごまかすことができそうにない。フロントナンバープレート装着位置後方には複雑な形状のウィングが鎮座。この部分SF90では電装系のラジエーターがあって、ナンバープレートがフロントバンパーの線よりも上に出ている。296でも同じことが心配される。
ルーフエンドとタルガ風のCピラー起始点の帯の間にはスリットがありグラスハッチ前方の排熱スリットの関係を見ると、スパイダーの屋根を格納するエリアとの関係性がどうなるのか心配。
しかしrosso imolaの塗装は低温焼き付けを復活したとか。きめの細かいメタリック塗装はどこまでも平滑で写り込みに下地の荒れなど微塵も見せない仕上がり。電子ルームミラー装着も、OFFでもあまり気にならない後方視界。浅くはなったがまだまだ広めのフロントラゲージ。
都心で維持するには富豪の財力が必要だけど、田舎に引っ込んだらアリかなー、など妄想しつつ、一方で488の良さも噛み締めたひととき。
(写真は撮ったが公開してはならぬとの指示)
Posted at 2021/10/21 06:10:47 | |
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