
ストレスとストレングスによって基本的な設計品質などを考えることができます。チューニングする時も同じで、ストレスが増えるならストレングスを上げる方向にチューニングする、というのは基本だと思います。
例えばサーキットに行くとブレーキの温度が上がってフェードするから、ブレーキパッドの耐熱温度を上げようとか、一般道よりも速い速度でコーナーを曲がるために、車体にかかる捻りや曲げの応力が増えるので、ボディに補強入れようとか、エンジンのトルクを上げたから強化クラッチ入れようとか。
大抵の場合、ストレングスを上げる方向へのチューニングのほうをイメージすることのほうが多いと思います。それはそれでもちろん間違いではないのですが、ストレングスを上げるとなると、どれだけストレスが上がるかを把握した上でそれに対応できるストレングスアップが出来てないと安全率はチューニング前より落ちますよね?また、ひとつの箇所を強化しても、別の部分が弱い状態だとしたら、違うところが壊れることになります。なのでストレングスを上げる方向のチューニングって実は難しいと感じます。
安全率を上げるには、もうひとつアプローチがあります。それはストレスを下げるということ。ストレングスが同じなら、ストレスを下げれば安全率は上がります。実はこっちの方が間違いない方向性だと思ってます。確実に今までより安全率は上がりますし、他の部分も含めてストレスが下がるとすればあちこち強化する必要も無いです。
え、そんなチューニングあったっけ?と思う方もいるかもしれませんが、ストレスを下げるチューニングもたくさん存在します。
例えば、最も簡単なのはタイヤのグリップを落とす、強度はそのままに軽量化する、冷却効率を上げて温度を下げるなど。
ボディの剛性アップでたくさん補強するより、タイヤのグリップ落としてボディへのストレス下げればボディ補強しなくても良かったりとか。
でも一般的にはハイグリップなタイヤ履いて、ストレスを増やしてストレングスも上げるというチューニングする方のほうが多いです。結局速く走りたいっていう願望はみんなあるんですよね。
ブレーキもそうですが、温度が上がるからブレーキパッドの耐熱温度上げます、でも温度が上がるのはキャリパーもブレーキローターもなのですが、他のパーツは耐熱温度上げないなら、そっちは安全率下がります。キャリパーが高温で開く側に変形したり、ローターに亀裂入ったりするかもしれません。
ですが、ブレーキ系の熱容量を拡大してブレーキシステムの温度を下げる(今までと同様の温度以下になるようにする)とすれば、キャリパーもローターも安全率はキープできます。ダクト付けたりで冷却効率を上げるとかもストレスを下げる方向ですね。
そもそも車を軽くすればブレーキへの負担は下がります、それもストレスを下げる方向ですね。
ということで、ストレングスを上げるより、ストレス下げる方向のチューニングのほうが安全で、次から次へと弱いところを強化するようなことが必要無く、実はメリットたくさんあると個人的には思ってます。
あちこち順番に強化していってフルチューンするのが目的だし、それが楽しいんだ、という方もいるでしょうし、それは人それぞれだと思います。
ただ、あんまりお金をかけたくないし、あちこちいじりたくないという方は、悪戯にタイヤのグリップを上げないとか、要らないパーツ外して軽量化に取り組むなど、ストレスを下げる方向のチューニングがリーズナブルだと思います。
まぁ、走る速度を落とせば、それが1番ストレスが減るわけなんでしょうが、速さを求めるとどーしてもストレスは増えてストレングス上げるになっていくんですよね。
それでも私はまずストレス下げる側で出来るチューニングを優先して考えるようにしてます。
さて、皆さんはどうでしょうか?
  Posted at 2025/07/17 22:41:25 |  | 
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