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2008年06月10日

不滅の愛

不滅の愛  みなさん、こんにちは。
 映画『コレラの時代の愛』、さっそく月曜日に試写会に行って来たけど、よかったですね。原作は知っての通り、コロンビアが生んだ文豪、ガブリエル・ガルシア=マルケス。ぼくは本の方は読み始めたばかりなんだけど、「魔術的リアリズムの旗手」と言われただけあって、ページをめくるたびに赤や緑や黄色といった原色の光の洪水、土や雨や動物や汗や香水や熟れ過ぎた植物などのにおいがあふれ出てきて圧倒されます。

 僕は今、4冊の本を同時に読んでいるんだけど、この本だけは深夜、みんなが寝静まった後、ウイスキーのオン・ザ・ロックを飲みながら、ゆっくりと味わうようにしています。

 さて、映画の方なんだけど、まず物語を簡単に解説すると、背景は内戦とコレラの蔓延に揺れる19世紀後半から20世紀前半のコロンビアのカルタヘナという港町。

 若く貧しい電報配達員のフロレンティーノ(ハビエル・バルデム)は、裕福な商人の娘フェルミーナ(ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)に一目惚れし、彼女に何通もの情熱的なラヴレターを送ります。彼の想いは彼女の心を動かし、二人は結婚を誓い合います。しかし、フェルミーナの父親は二人を引き裂くために、娘を遠く離れた親戚の家につれていってしまいます。時が経ち、町に戻って来たフェルミーナはフロレンティーノを一目見て、私たちの恋は青春の幻想にすぎなかった、と言い、父の望みどおり、高名な医者のフナベル(ベンジャミン・
ブラット)と結婚してしまいます。

 失恋の苦しみに長い間喘ぐフロレンティーノはそれでも彼女への永遠の愛を誓い、富と名声を得て彼女に相応しい男になるんだと決意します。

 長い長い時が流れます。徐々に名声と富を手に入れつつも一途にフェルミーナのことを待ち続けるフロレンティーノ。そんな彼の甘く切ない香りに引き寄せられるのか、たくさんの美しい女性が彼に愛を捧げます。彼は彼女たちの求愛に肉体で応えながらも、心は純潔を守り通していると信じ、フェルミーナにたいする想いが揺らぐことはありません。

 さらに長い長い年月が流れ、彼女を待ち続けて51年9ヶ月と4日、622人の女性と体で結ばれてきた彼に、やっとその時がやってくきます。 フェルミーナの主人が事故で命を落とし、70を過ぎてやっと一人身になった彼女の元へ彼は向い、求愛の言葉を投げかけます…

 すごいストーリーでしょ?

 一人の女性を51年間、一途に待つ…

いくらなんでもそんなの絶対無理だよって最初は思ったんだけど、この映画を観ているとなんか自分もやれそうな気になってくるんですよね。

 彼にとって、彼女に対する愛が全てなんですね。彼は絶対に彼女のことを諦めようとしない。でも、彼はフェアなんですね。彼女をつきまとったり、自分を押し付けようともしない。彼女のことを遠くから見守りながら、自分の人生を静かに送っていく。

 唯一救いなのは、たくさんの美しい女性が彼を愛し、欲する、ということ。孤独を一人で抱える彼の優しさに惹かれるんでしょうね。

 そんな悲劇的なフロレンティーノをハビエル・バルデムは絶妙なタッチで演じています。

 タイプ的には彼が演じた『空を飛ぶ夢』の主人公に似ていますけど、今回の作品の彼からは愛の病に侵され、それを喜んで受け入れて自分の生きがいにするという、狂気に近い情熱を感じることができます。

 唯一どうかなあと思ったのは、だんだん禿げてきて、猫背で、爺っぽくなっていく彼のことをホントに女の人は魅力に思ったり欲したりするんだろうか、という点ですね。もう少し肉体的な魅力を彼に与えてもよかったんじゃないかな、と思いました。

 あと、何といってもすばらしかったのは、フェルミーナを演じるジョヴァンナ・メッツォジョルノというイタリアの女優ですね。フェルミーナという女性は美しいだけではなく、自立していて、頑固で、他人が押し付けようとするものを全て拒絶するタイプの女性です。優しくて気品があるんだけど、根は独創的で鼻っ柱が強い、タフな女なんですね。そんな複雑な役を彼女は堂々と、見事なまでの集中力を持って演じています。

 この作品でいちばん心に響いたのは、フロレンティーノが彼女に送った手紙の中のこんな言葉です。

 ─“愛というものは何かを達成するためにあるのではない。愛こそが人生のアルファであり、オメガなんだよ」─

 かっこいいですよね。僕もこんなことを堂々と言える男になりたいですね。
 この映画を観てますます確信したのは僕が次に書こうとしている長編小説のテーマ、というかメインフォーカスは愛に生きる男の青春物語だということです。僕が今まで体験してきた恋の甘さから苦さ、天に昇るような喜びから地獄の底をのたうちまわる苦しみまで、全部、激しく、そしてユーモアのセンスを持って書きたいなと思っています。

 今回アップした写真は、僕が最近ずっと乗り回している“彼女”です。僕の家の近くで撮りました。可愛いでしょ?

 車ってそれぞれ顔があるし、少し乗っただけで、こいつは男っぽいな、この子は女っぽいなと性別から性格まで感じられる気がするんですけど、この白のマスタングは気性の激しい、そして激しいゆえに可愛い、女性ですね。そう、怒らすと怖いんだけど、ちゃんと愛してあげると男のことを体を張って守ってくれる...そんなイイ女ですね。乗れば乗るほど愛着を感じます。

 最近は家でものを書いていることが多いので、気晴らしにこれに飛び乗って、横浜の元町とか山下公園とか山手のほうにドライヴに行きます。
 つい先日も元町の仲通りで僕の親友が経営している霧笛楼のカフェ、「NEXT DOOR」へ行って、名物のカレーを食べたんだけど、うまかったなあ!ここのカレーはとても上品な味で、辛さも程よい程度なんだけど、一度食べるとやみつきになります。ぜひ一度トライしてみてください。

 そうそう、この霧笛楼の社長、クリスチャン・ネームがアンジェロっていうんですけど、先週の日曜日に還暦の誕生日パーティを自分の店でやって、仲間みんなで集まって、ブルース・バンドの演奏があったり、ダンスをしたりしたんですけど、元ゴールデン・カップスのエディ・バンがゲスト・シンガーとして、哀愁のこもったブルースを歌ってくれました。彼も僕の青春時代の登場人物の一人なんですけど、彼の歌、ホントによかったです。

ブログ一覧 | 日記
Posted at 2008/06/10 18:14:36

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この記事へのコメント

2008年6月10日 21:27
51年って・・・本当にすごいですね。自分の年齢よりかなり長い年月なので、その間ずーっと一人の女性を想っているって、想像を絶する感じです。
私も是非その映画を見てみたいです。
2008年6月11日 1:48

ぜったい 観ます!!
 本もこの間、本屋さんでみかけました~
 ASAもやっと買って聴きました。
 朝に気持ちをあげる時、いいですね~~
 車変えられたんですね~
 いけない、あぶない男感がぐっと増しますね~
 でもとっても似合ってます!
 
2008年6月11日 7:50
「この映画を観ているとなんか自分もやれそうな気になってくるんですよね」
←この部分がハリスさんの全てに・・なんていうか・・・オヤジを感じさせない
素晴らしいところ。朝から幸福な笑い満たされました。
                        
2008年6月11日 8:13
う~ん(-.-;)

正直な女心からみると、待ってる間622人の女性と体の関係もっちゃってるのはどーなんだろ…な感じですねぇ(^。^;)

でも、最後にお婆ちゃんになった彼女でも待ってるのは、彼にとって肉体は本当にどうでもよかったんだろうなぁ

ということは、622人の女性の事もどうでもいい、関係ないと思ってたのかなぁ…

本を見ないと彼を誤解したままになりそうなので、読んでみます~
2008年6月11日 18:37
こんばんは。

私もハリスさんの解説だけ読むと、
ミルミルeさんとまったく同じ意見です。
622人の女性の気持ちを考えると、彼女達の一人一人も彼に対しての深い愛情があったのに報われなかった女性が多数でしょう。
男女問わず、相手の中で一番の存在になりたいと思う気持ちは少なからずある気持ちですからね。

まぁ、本を読まないとなんとも言えませんけどね。 (*^-^)b
2008年6月12日 21:14
こんばんわ。楽しい映画の紹介をアリガトウございます。
コレラ・・・とインディージョーンズはチェックですね~。さてレディースDAYでどちらを見ようか?
具体的に622人ときちんと数字がでてくるあたり男性的ですね。メモでもしてたのかしら?それに50年も待ち続けるというあたりがなんだかロマンに近いですね。
622人の女性達はいったいどんな運命をたどったのかしら?報われたのかしら?

さてアマゾンからASAが届きました。それもシンガポールからでした。(新品よ)
軽くてテンポアップでノリの良い仕上がりのアルバムですね。
これからドライブのお供のお気に入りの1枚になりますね。

クルマ変わったんですね・・・。
でもマスタング、赤じゃなくって白っていうところがいいですね。
爽やかで。CREAのオープンのBMWも青で爽やかでした。
マスタングってあたりがロバートさんらしいですね。一瞬フェラーリと見間違えました。緑の木が多い道路ですね。爽やかです~~。
2008年6月12日 22:31
はじめまして。

お手紙を出そうかと思ったのですが、ブログを見つけたので書き込ませていただきます。
私の名前は鈴木 萌といいます。東京の高校に通っている高校3年生です。
今、学校の総合という授業で、人生の中で出会いとはなにか?
という課題でいろいろな出会いをした大人のひとに、インタビューや話を聞くということをやっています。
先日、ロバートさんの「人生の100のリスト」を読みました。
私は高校3年生になって将来があまり見えていなくて、将来への不安や悩みでいっぱいです。
そこで私はいろいろな経験をなさっていて、自分のやりたいと思っていることを
なさったりと、本をよんでとても興味を持ちました。
そしていろいろな経験をされているロバートさんなら沢山の出会いがあったんではないかと、思いました。
出会いというのは、人生を大きくかえたり、人々の交わりで成長したりと、とっても大切なものだとおもいます。
社会に出て生きていくのに、出会いというのは私にとっても大きなキーワードです。

そこで、突然で申し訳ないのですが、私のこのインタビューを受けてほしいのです。
お忙しいかもしれませんが、もしこれに興味をもっていただけたらお話を聞かせて頂けないでしょうか?
突然で申し訳ありません。

よかったらご連絡下さい。  鈴木 萌
moe.s.s.c@hotmail.co.jp

プロフィール

'48年横浜生まれ。 上智大学卒業後、'71年日本を後にし、東南アジアを放浪。 バリ島に1年間滞在後、オーストラリアに渡り延べ16年間滞在。シドニーで書店&...
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