
みなさん、こんにちは
しばらくこのブログから遠ざかっていました。実はイタリアの紀行文の執筆に埋没していて、何かを書くという行為から逃避したい気持ちに陥っていました。
でもそんな僕のやわな気持ちを叱咤して吹き飛ばしてしまうような映画を最近観て、心を入れ替えなければなと真剣に思っている今日このごろです。
映画のタイトルは『
潜水服は蝶の夢を見る』。『バスキア』や『夜になるまえに』を監督した画家・映像作家のジュリアン・シュナーベルの作品で、同タイトルの実話の手記を映画化したものです。
ストーリーは、フランスは『ELLE』誌の編集長だったジャン・ドミニク・ボービーが43歳の時に突然、脳梗塞で倒れる。意識は回復するが、体の全てが麻痺し、身体的自由を完全に奪われた状態、ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)になってしまう。
─ 唯一動くのが左目。
瞬きの合図でアルファベットを綴る、という新しい会話方法を身につけ、彼は妻や子供や友人たちとの関係を保ち、最後には自伝『潜水服は蝶の夢を見る』を書きあげるまでにいたる。書きあげるまでに要したのはなんと20万回の瞬き! 潜水服とはもちろん、自分が置かれた状況。蝶はその状況からの飛躍を可能にしてくれる想像力と思い出…というもの。
映画全体がひとつの美しい詩のような、圧倒的な映像美で描かれた作品で、ボービーを演じるマチュー/アマルリックの演技も見事だし、物語の半分ぐらいがボービーの主観、つまりかれの左目の視点から語られているっていう手法もすごいし、それよりも何よりもこんな人が実際に存在して、彼のような状況で自伝を書いたという事実があまりにも驚異的で、本当に度肝をぬかれましたね。
ぼくは早速、原作の日本語訳を買って【講談社 1600円】今、読んでいるんだけど、全てが感動的ですね。
『ELLE』の編集長という華やかな仕事について、人生を謳歌していたこの人物がこんな絶望的な状況に陥ってもなお、希望を捨てず、ユーモアのセンスを失わず、愛したり、感動したり、夢をもったり、人間としての尊厳を保ちながら毎日を生き抜き、そしてなんと、自伝まで書いてしまう。本当にすごいと思うし、それに比べて五体満足な俺はいったい何をしてるんだろうと、自分を叱咤激励したい気分にも陥ってしまいます。。
ま、そんなわけで、僕は今、気持ちを新たに、何でもやろうと思えば出来るんだという確信を持って、執筆に日々、取り組んでいます。もちろん、このブログも然り。なるべく毎日更新していこうと自分に言い聞かせています。
とにかくこの映画は生きることがどれだけ貴重で美しくてすばらしいことか、ということを真正面から、詩的に、感動的に伝えてくれる、類まれな作品です。
おすぎじゃないけれど、これを観て感動しない人間はいないと思うし、もっとちゃんと生きようと思わない人間もいないんじゃないか、とも思います。
Posted at 2008/02/13 17:01:41 | |
トラックバック(0) | 日記