
皆さん、こんにちは。
いつも変わらず、たくさんのお便り、ありがとう。
最近、『ベーブ』や『ミス・ポッター』などの監督で、僕の親友のオージーのクリス・ヌーナンが日本に遊びに来ていて、二人で食事をしながらオーストラリアを車で走った時のことなどを話してすっかり盛り上がったので、今日はオーストラリアをオン・ザ・ロードした時の話を少ししようかなと思います。
まず、僕が車の免許を初めて取得したのがオーストラリアで、30になるちょっと前のこと。遅い ですよね。
日本で大学へ行っていたころ、僕の遊び仲間が日産ブルーバードU2000GTやホンダS800クーペやトヨタスポーツ800(ヨタハチ)やトヨタ2000GTなどにむちゅうになっていたんだけど、僕はなぜか車にはまったく興味がなかった。なぜなのかは今でもわからないのですけどね。
そんなわけで、大学在学中にアメリカ人のゲイルという女性と結婚して、お袋の運転していたカルマンギアを買い取った後も、運転はすべてワイフの担当。この車で東北の秋田までドライヴした時も、僕は助手席に座ってナヴィゲーター。ぜんぜん違和感なかったですね。
そんな僕が初めて運転免許を取ろうかなと思ったのはオーストラリアのシドニーに暮らすようになって数年経ったころのこと。
当時の僕はシドニーから電車で40分ぐらい離れた郊外に住んでいて、仕事も家の近くでしていたんで、町まで遊びにいくには時間がかかるし、あたりは田舎で何もないし、車なしでは不便だったんですね。
車の運転の仕方を教えてくれたのはピーターという僕のオージーの親友。近くの空き地へいっては逆ハンのきり方とか砂利道でのスピンターンの仕方とか、けっこう高度なテクニックを教えてくれました。
あのころのオーストラリアは運転免許を取るのもめちゃくちゃ簡単で、20ページぐらいの交通法が書かれたパンフレットを勉強して、試験日にはそこから出された20問ほどのマルバツテストをやって、それにパスしたら次は実施テスト。警察官と車に乗ってそのへんを20分ほどドライヴ。
一応、坂道発進と駐車を要求されるけど、難しいのはそれぐらいで、あとはおまわりさんとぺちゃくちゃおしゃべりをして、そのへんをぐるっと回っておしまい。ばかみたいに簡単でした(聞くところによると今は日本と同じぐらい難しいそうです)。
一発で免許を取った僕は(一発で取れないほうがおかしいんですけどね)さっそくディーラーから中古のホンダの軽自動車を買って(名前は忘れたけど、とにかく小さい車で50キロ以上出すとガタガタゆうようなやつでした)そのへんをちょこちょこドライヴしたり、町まで行ったりしていたんだけど、ちょうどそのころ僕はワイフのゲイルとわかれ、しばらくしてオージーで旅好きのゲイノーという女性と暮らすようになりました。
彼女とは本当にいろんな所へドライヴしましたね。
もちろん、僕のちっこいホンダでは遠出が出来ないので、よくレンタカーを借りて三日とか一週間とか二週間の旅をしました。
借りるのは大体においてオーストラリアのホールデンっていうメーカーの車なんだけど、たまに奮発してヨーロッパ車やアメ車もレンタルしました。
ある夏休み、僕たちは「エグゾティック・カーズ」というレンタカーからフォードのマスタングをレンタルしてクイーンズランド州のケアンズまでドライヴしたんだけど、あの時のことは今でもよく覚えていますね。
とにかく遠かった。
毎日、沿岸沿いのパシフィック・ハイウエイを何時間もビュンビュン飛ばすんだけど、夜、ビーチやブッシュのキャンプファイヤーの明かりで地図を見ると、まだまだケアンズまでは長い道のり。
三日もすると急いでいくのが馬鹿馬鹿しくなり、それからはのんびりと、いろんなところを寄り道しながらオンザロードの旅を楽しみました。
いろんな景色を見たけど、オーストラリアは本当に自然がすごいところです。
何百キロも続く純白のビーチ。人がほとんどいなくて、砂が砂漠の砂丘のように波打っていて、たまに巨大なペリカンが水際にポツンと立っていたり、カンガルーの群れがビーチに横になって日向ぼっこしていたり。
枯れ木と化した真っ白な木々に覆われた化石のような森。
砂塵舞う、赤土の荒野。
早朝、霧が波のように静かに流れ込んで来て全てを覆う、緑の湿地帯。
崖の斜面に重力に抗うように立ち並ぶ、巨大な丸い石の群れ。
道の両側に2メートルほどの高さの蟻塚が何キロにもわたって並ぶ、広大なブッシュ。
そんな風景の中、ぼくたちは窓を全開にして風の音を聴きながら、或いはテープの音楽を聴きながら、車を飛ばしました。
よく聴いた音楽はムーディブルーズ、ピンクフロイド、ジャクソン・ブラウン、ヴァン・モリソン、クリス・レア、トーキング・ヘッズ、アメリカ、etc.
夜はほとんど毎晩、自然の中でキャンプ。
ゆらゆらとゆれる炎の光に照らされた赤いマスタングはなかなかかっこよかったですね。
このように、オーストラリアのオンザロードの話は尽きないので、これからも半シリーズ的に書いていきますね。期待していてください。
Posted at 2008/04/09 17:49:05 | |
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