★経緯
Pumpkinナビを搭載していた昨年夏のこと、1週間ほど留守にしていざ乗ろうとしたところ、キーレスはおろかLED化した室内灯すらも全く点かないほどバッテリーが完全に上がっていたことがありました。ナビ以外の電装品は付けていないのと、バッテリー充電後に再起動したとき、ナビがテキストベースのリカバリーメニューで立ち上がったことからバッテリー上がりの原因はナビが正常終了しなかったためと推定されます。
考えてみるとナビは+Bをメイン電源としておりACCは単なるデジタル入力信号にすぎず、ACCがオフになったことをソフトウェアが検知して自らをスリープやシャットダウンしています。よってエンジンオフで画面が消えた後でナビ側がフリーズすると自分では電源を切ることができず、通常の動作に近い電流がそのまま流れ続けて二日もすればバッテリーは完全に上がってしまうというわけです。
そこでフェールセーフとしてACCオフかつバッテリー電圧が設定値を下回ったら、ナビに供給している+B電源ラインを電気的に切り離すようなハードウェアを探したのですが、望む物が見つからなかったので自作してみました。実車で夏と冬を越して問題なさそうだったので、参考までに情報をアップしておくことにします。
★回路説明・ACCがオンの時、K4150のゲート側のコンデンサはチャージされておりK4150はオンなので、J334のゲートがLになりJ334もオンしておりNAVIへは+B電圧が供給されています。
・電圧検出システムリセットIC M51957BではNAVIへの+Bの供給が12.0Vを下回ったら6番ピンがLに落ちます。するとコンデンサのチャージが100kの抵抗2本で放電されますのでしばらくするとFETは2つともオフになり、NAVIへの+Bは遮断されます。この状態になると次回ACCがオンになるまで出力遮断状態をキープします。
・ACCはアイドルストップ状態からのエンジン再始動時は落ちないのですが、最初に始動する時のエンジンクランキング中は出てこないので、ゲートにコンデンサがないとクランキング時の+B電圧のドロップで遮断してしまいます。
・実験したところ容量的には10μFで大丈夫でしたが、極寒時にクランキングが長引くようならさらに10μFの追加が必要かもしれません。
・走り始めればはACCはずっとオンなのでアイドルストップ中に+Bが下がったとしてもクランキング時に出力が遮断されることはありません。
・なおこの回路自体で0.25mA程度消費しますが車体の暗電流(30mA程度はあるそうです)に比べたら無視できる量だと考えています。
★実装・J334は完全にオンしているので発熱はしないと思いますが、遮断途中ではロスが生じるので念のため小型のヒートシンクを付けました。
・全体をダイソーの小型PPケースに入れました。
・ナビと車体側ハーネスを接続するための変換ハーネスの+Bをカットし、ACCとGNDはリード線の被覆を剥いて半田付けして分岐して接続しました。
★懸案
・ひと夏&ひと冬経過して誤作動はしませんでしたが、本当にバッテリーがへたった時にこのユニットで遮断した後でエンジンがかかるだけのバッテリー残量があるか?は検証してません。
・+B入力を外したときにK4150のゲートのコンデンサが放電するまでの間にゲートに電圧が残るのが気になるのでゲート・ドレイン間にダイオードを入れたほうが良いかもしれません。まあ100k経由なので破壊されることはないと思いますし、外さなければ問題ないわけですが。
★Owniceナビでは不要かも?Ownice C960-Highナビでは開発者向けオプションの先のEngineerModeの先のDEBUG&LOGタブの中にWatchDogのスイッチがあってオンになってます。これを信じればこのナビはフリーズしたら再起動してくれる可能性がありますね。でもまあ安心材料として(空港の駐車場で1週間後の夜中に戻ってきたらエンジンかかりませんでした、とかを心配しなくていいように)入れておくことにします。
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中華ナビ | クルマ
Posted at
2021/05/31 19:44:00