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2023年07月03日 イイね!

PCシミュレーター用Gフィードバック・バックレスト(背もたれ)の検討

PCシミュレーター用Gフィードバック・バックレスト(背もたれ)の検討
PC用のシミュレーター(ゲーム)で、加速度(G)が発生していることを操縦者に体感で伝えるデバイスを作成しました。実機ではGがかかると体がシートに押し付けられたり離れたりして体に受ける力が変わるわけですが、それをシート側から体を押すことで模擬しようというものです(もちろんリアルなGとは感覚的には全く異なりますが)。
いくつかのフライトシムとカーシムで動作することを確認しました。
☆フライトシム
 ・Microsoft Flight Simulator X (FSX)
 ・FlightGear 2020.3 (FG)
☆カーシム
 ・Live for Speed (LFS)
 ・RaceRoom Racing Experience (R3E)
 ・Assetto Corsa (AC)

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・動きを動画にしてみました。アームの動きが良くわかるように白いテープを貼ってます。


・技術的な詳細はGitHubにアップしました。

●事の発端と経緯
・この春、友人に誘われて桜木町にあるフライトシミュレーターでエアバスA320の操縦を体験しました。特に地上でまっすぐ走らせるのはなかなか難しく、自宅のPCでもトライしてみたくなり、中古ソフトのMicrosoft Flight Simulator Xと、中古のグラボ、それとジョイスティックを購入しました。(ソフトの最新版はFlight Simulator2020なのですが私のPCがi5-8400なので過去のバージョンのソフトを選択しました。また購入したグラボはGEFORCE GTX 1060でこれも一昔前の物になるのかな?。中古品の値段は今見たらいずれも馬鹿高値になってるようですが私が購入した時は割安でした。)
・で、少し調べてみたら今のシミュレーターはソフト内部のデータをリアルタイムで読み書きできるようになっていて、姿勢とGのデーターを取り出してモーションシミュレータを自作している方もいらっしゃる。すごい!
http://www.hoihoido.com/blog/wp/?cat=51&paged=2
・さらに調べると、世の中には「モーションプラットフォーム」という製品もあり、これを使えばいろいろなシミュレーターソフトからデーターを取り出してコックピットを揺動させることができることがわかりました。価格が40万以上しますが。
https://www.amazon.co.jp/Next-Level-Racing-Platform-NLR-M001v3/dp/B01N7OI0OX/
・また「motion simulator DIY」などで検索すると海外では車用のワイパーモータなどを使ってコックピットをバッコンバッコン動かして楽しんでいる人が大勢いらっしゃることもわかりました。
・これ、昔からそんな事ができたらいいのになぁと思っていたことでもあり、滅茶苦茶やってみたくはなったのですが、いかんせん私の部屋には置き場がありません。
・そこで思いついたのがマッサージクッションです。クッションの内部にモーターでグリグリ動くもみ玉が入っていて、椅子の背もたれに置いて使う商品です。人間はGを内耳の三半規管だけでなく体がシートに押し付けられることでも感じているわけで、Gの大きさにより背中やお尻をグーッと押してやったらどんな感じがするのかなぁ?ということです。もちろん、三半規管はGだけでなく回転も検知していることもあり、押し圧だけではリアルなGとは似ても似つかない事は百も承知でトライしてみることにしました。名付けてGフィードバック・バックレスト(背もたれ)です。

●構造
・面で押したほうがよりリアルになるのかもしれませんが、押す面積が大きい分パワーが必要です。今回は指の面積ほどで体を押すことにし、300mm角のMDF板にラジコン用のサーボモーターを4か所(背中とお尻に2か所づつ)配置しました。それぞれのサーボにアームを取り付け、ゼロG状態でアームの先端が軽く体を押すように調整しておき、Gの大きさによりアームを動かします。
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①MDFボードが穴だらけなのは色々検討した痕跡です。
②そのままでは背板が痛いのでセリアのカーペットを適当にカットしてマジックテープで貼り付けました。
③ダイソーのクッションの中綿を抜いてサイズを一回り小さく縫って、これまたダイソーのファスナーを縫い付けてカバーを作りました。ちょっと大きすぎたかな。
④ゴムバンドで背もたれに固定して、座布団で手前にずれないように押さえます。使わない時にも邪魔にならないかな。
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・左右のアーム先端の間隔とアーム自体の長さや先端の形状は個人の体格と皮下脂肪の厚さ(^_^;によって変わってくると思いますが、今回220mmと30mmとしています。
・コントローラーとしてArduino NANOを使い、シリアル通信で前後、左右、上下Gをカンマ区切りのデータで受けてサーボに指示します。
・Windows側ではあらかじめシミュレータからデータを取得してGをシリアル送信するためのソフトを起動しておきます。

●結果
・結構面白い物ができたと思います。飛行機でバンクしたり車でコーナリングすると体の片側がグーッと押されます。飛行機でループ飛行するとお尻側だけが押されます。急降下では背中側の圧が抜けるのでフワッとした感じがすると言えなくもないです。予想通り全然リアルなGではないのですが、Gの発生タイミングと大きさが体にフィードバックされるのは面白いかなと。
・三半規管を揺らさないから酔わないというのもメリットかもしれないです。車の研究用の本物の揺動タイプは被験者がシミュレーター酔いしやすいと聞いたことがあります。本物の揺動タイプのシミュレーターでもリアルなGは発生できないわけで、中途半端に三半規管を揺動させると視覚とのずれで酔ってしまうのではないかと思います。以前私はVRでバイクで走行する動画を観たら激しく酔いました。VRだと頭が自然と動いてしまうけど実際のGは体感できないのが原因かなと。
・また前述のモーションプラットフォームにしても重力Gが頼りなので、±10°傾けても発生できる前後&横Gは±0.17Gにすぎませんし、上下Gの発生はそもそも伝えられませんしね。
・ただしサーボモーター本来の使い方ではないでしょうから耐久性は疑問です。また健康被害という事も考えられますね。今までこういう商品を見たことがないのはそれが理由かも。今回はあくまで自己責任での個人的な検討という事で。

●主要部品
①サーボモーター MG995 x4 Amazon購入価格 4個で2,070円
②金属製円形サーボホーン x4 Amazon購入価格 5個で970円
③Arduino NANO x1 AliExpress購入価格 400円
④5V10A AC/DCアダプター Amazon購入価格 1,660円
⑤300mm角MDFボード セリア購入価格100円
⑥板と角材 ダイソー購入価格100円x2
⑦クッション(外側だけ利用)とファスナー ダイソー購入価格100円x2
その他タクトスイッチ、抵抗などは手持ちから流用。DCジャックはジャンク品です。
アームなどの部品は3Dプリンタで印刷しました。
トータルで6,000円弱かと思います。

・サーボモーターはそこそこのトルクが必要と思われたので10kgf・cmの金属ギアの物を選択しました。MG995とラベルが貼ってありましたが他では1個1,500円くらいするので、値段から見てコンパチ品だと思います。ちゃんと動作しました。
・サーボモーター用の電源ですが、改良品のMG996のスペックでは6Vでのストール電流が1.4Aとなっていたので5Vで4個分だと5A以上の電流容量が必要です。今回10A品が安かったので購入しました。ちゃんとPSEマークが付いていました。
・MDF板は最近ダイソーで見かけなくなっていますがセリアにちょうどいいものがありました。

●検討中にわかったことあれこれ
・アーム先端を最初は球形にしたのですが、3D印刷に時間がかかるしアームが横方向にしか動かないこともあり面取りした平板に変更しました。これでも押された感覚は変わりません。
・初めてサーボモーターを使いましたが、体重をかけて軸を動かないように押さえてしまうとストール電流が流れ短時間でモーターが焼損することが予想されました。そこで当初はストールしないようにアーム部分に洗濯ばさみのバネを使ってバネ機構を持たせました。ばね1つでは全く押す力を感じず、3つパラでちょうどいい感じにはなったもののモーターの発熱がすさまじく、バネ機構の採用は見送りました。常時バネ力と釣り合うためのトルクを発生するための電流が流れてしまうという事ですね。押す部分の面積が小さければ体が痛いので連続して体重をかけることはないようで、リジットの方が発熱は少ないことがわかりました。
・背中よりも肩を押したほうがよりリアルに近いと思ったのですが、後ろにもたれかかっていても肩甲骨から上の部分は腕を動かすと前に動くので、押し圧が腕の位置によって感じられなくなることがわかりました。よって肩甲骨から下の背中を押す仕様としています。バケットシートなら肩の位置でもいいのかも。
・車の場合上下Gはほとんど発生しない(カートではサスがないせいか?上下Gが大きいようですが)ので、カーシムだけならお尻側を押す機構の必要はないかもしれません。もっとも車の場合経験的にGを脳内で補えるのでそもそもこんな仕掛けは不要な気もしますが。

●確認したソフト雑感
PCのOSはWindows10 homeです。

★Microsoft Flight Simulator X
・中古なのでアクティベーションできるか不安でしたが問題ありませんでした。
・アップデート用のSP2はMicrosoftのサイトにあるのですが、SP1が発見できず。SP2を入れるためにはSP1が必要なので、あきらめました。
・「栄光の翼」を入れるとゴールドエディションと同等となりSP2が適応されるようですが、そちらの中古も数が少ないせいか高価なのでそこまでしなくてもいいかな。
・後から気づいたのですがSteamから英語版が出ていて、そちらの価格の方が安いことがわかりました。英語のメニューや字幕を日本語に置き換えるパッチを作成された方がいて、ゲームとしてはそれで問題なさそうでなので、もし新たに買われる方はSteam版がいいと思います。またSteam版はゴールドエディションなので航空機やミッションも増えているようです。
・本物のフライトシムでは地上でのラダーを使ったタキシングが感覚と逆で(左ペダルを前に踏むと左へ進む)難しかったので、本当はラダーペダルが欲しいところです。
■この文章を作成中にSteam サマーセール2023 06/29~07/13 10AM でMicrosoft Flight Simulator X: Steam Editionが-80%の496円で購入できることがわかりました。アドオンを1つ追加しても-77%の1,040円です。これはもう買うしかないですよね。インストールしてみるとグラフィック描画性能が良くなっているようで、設定画面の各スライダがデフォルト状態で右に張り付いてます。Disk版だと真ん中あたりでした。Gフィードバックも動作しました。

★FlightGear 2020.3
・オープンソースでフリーのフライトシミュレーターです。英語版のみ。
・Microsoftとは違いゲーム性(ミッションなど)はありません。
・ガチで飛行機の飛ばし方を学ぶのにいいかもしれません。私は今のところセスナとUFO(!)しか飛ばせてません。チュートリアルは英語字幕と合成音声ですが、Pキーでポーズを掛けながら字幕を読んで、セスナでは始業点検からエンジンの掛け方からフライト後の駐機場での係留の仕方、エンジントラブル時の不時着のやり方をマスターできました。(UFOはスロットルとジョイスティックひねるだけですが)

★SimTools 2.0
・これはシミュレーターではなく、シミュレーターとモーションプラットフォームのインターフェースを行うソフトウェアです。海外でDIYしている人はこれを使っているみたいです。詳しくはDIYのサイトXSimulatorへ
https://www.xsimulator.net/
・無料のままではLive for Speedというカーシムのみ対応で、それ以外は有料のプラグインを購入する必要があります。
・早速Live for Speedをインストールして車の姿勢とGを取得してみたのですが、、、
 →データーにパラパラとノイズが乗り安定しない
 →データーが0~100に正規化されていて単位が不明
ということで、このソフトを使うことは諦めました。シミュレーターからのデータ取得に関してはソフトメーカーから公開されているAPIを使って自分でもやればできるわけで。(ハッキングするわけではありません)

★Live for Speed(LFS)
・日本語対応。無料版では車3種類とコース1種類のみ。お金を払うと車種とコースを増やすことができます。
・トレーニングメニューは昔持ってたプレステでやったグランツーリスモを彷彿とさせます。(最近のゲーム機を持ってないので今のは知らないんです)
・シングルレースでは相手のAI車の追加とレベルの設定、自車のグリッド位置を選べます。でもこのAI車、強気で平気でぶつかってきます、、、
・インストールフォルダのcfg.txtを編集してSteer Smooth が0.00とあるのを0.95に変更するとゲームパッドのステア操作が滑らかになります。(1.0と書き込んでも0.95に変更されます。0.95未満の数値をいれてもスムージングは機能しないようです。)
・軽いソフトなので非力なPCでも大丈夫そうです。

★RaceRoom Racing Experience(R3E)
・Steamのカーシム。英語版のみ。無料版でもそこそこ車種とコースが選べます。
・重いです。起動に時間がかかる。

★Assetto Corsa(AC)
・GW中はDMM版が8割引きだったので思わず購入してしまいました。日本語版だし。
・Steam版があることを後から知ったのですがSteam版の方が良かったかも。というのも設定用のGUIアプリのContent ManagerがSteam版を前提に作られているので。
・Content Managerを起動しようとするとAssettoCorsaをインストールしたフォルダにacs.exeがない、と出たので、DMM版のAssettoCorsa.exeをコピーしてacs.exeとリネームしてとりあえずの起動はできました。(別段同名のexeを置いておけば何でもいいと思いますが)
・車種やコースはMODとしてネットに上がっているのでダウンロード後自分で解凍して所定のフォルダにコピーするか、圧縮ファイルのままContent Managerにドロップすればインストールはできます。ただしContent ManagerからはDMM版のAssetto Corsaの起動はできません。これがちょっと不便。
・いくつか試して起動しない車のMODがあったりしましたが、これがSteam版だとちゃんと走れるのかはわかりません。
・手持ちのbuffaloのゲームパッドではうまく走れなかったのでXbox360ワイヤレスコントローラーを購入しました。でもゲームパッドとしてXbox360コントローラを選ぶと(というかそれしか選べない)ブレーキとアクセルの割り当てが変更できず(ステアとブレーキを左手で同時に操作するのは難しい)、ホイールとして設定しました。ただしホイールの場合ステアリングフィルタの設定が無効となるようで、スティックを左右に動かすとロックトゥロックで瞬間的に回転してしまいます。やっぱりカーシムはハンコン前提のようですね。
■この文章を作成中にSteamのサマーセールでAssetto Corsaが-80%の410円になりました。Ultimate Editionだと-90%の824円ということで、そちらを購入。DMM版との共存ができないようでDMM版で作成されたドキュメントフォルダの中のAssetto Corsaフォルダをリネームしておかないとうまく表示されませんでした。Gフィードバックも動作しました。

Posted at 2023/07/04 10:44:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | ゲーム | パソコン/インターネット

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