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2022年08月13日

ローコスト自律航法ユニットの開発

ローコスト自律航法ユニットの開発
★その前に
・現在(2022年8月時点)のいくつかのナビアプリはGPS信号をロストした時の車速が継続しているものとして経路案内中の自車位置が更新されるようになっています(実車確認はGoogle、机上確認はYahoo, moviLink)。よってトンネル内で渋滞したり分岐を間違えたりしなければ何事もなく経路案内は継続されるので、中華ナビでの自律航法へのニーズは以前ほど高くはないものと思われます。

●イントロダクション
・4年ほど前に車を買い替えた際、カーナビとしてAndroidヘッドユニット(中華ナビ)を選択しました。
・Androidヘッドユニットは安価で地図の更新料もかからず気に入ったのですが、国産ナビでは普通に備わっている車速パルスの取り込み機能を持っておらず、当時のナビアプリ(Googleマップナビ)はGPSからのリアルタイムな情報だけで自車位置を決定していたため、ナビゲーション中にトンネルに入ると自車位置が変化しないという点に違和感を覚えました。
・そこで自律航法ユニットを外付けしようと検索したところFURUNOのPT-G1がヒットしたのですが、価格がナビ本体よりも高価なことがわかったので購入することはあっさりとあきらめ、自作でどこまでの性能が出せるかにトライすることにしました。
・考え方としては、GPS正常受信時にGPSデータで安価なジャイロを校正して、GPSロスト時に自律航法に切り替えるというものです。
・自律航法の手法を検索すると行列式やカルマンフィルタが出てきますが、私の頭では理解不能だったので高校の物理と数学レベルで組んでいます。専門家が見たら噴飯ものだとは思いますが、これはそんなレベルでもここまではできたよ、という記録でもあります。

・今回当初設定した目標性能が達成できたので備忘録として資料をまとめました。開発時にネットからいろいろ情報を得たことへの感謝を込めて、素人なりに今まで積み上げてきた成果として公開することにしました。内容は以下の通りです。技術に興味のある方への参考になればうれしく思います。
①自律航法ユニット本体の開発時のメモ&ハードウェア&ソフトウェア
②開発の手法とツール
③Android側の受信アプリ&ログ表示アプリのソースと実行形式

これら一式をGitHubにアップしました↓
https://github.com/Toshi2020/Low-cost-INS-unit-development-project
上記URLにあるpdfファイルにプロジェクトのすべてを記述してあります。

●性能目標
・首都高都心環状線C1の北の丸から3号線への地下トンネルでナビのマップマッチングが外れない精度を有すること、としました。昔バイクで間違って4号線に分岐してしまった苦い思い出があるので。
(山手トンネルから大橋ジャンクションなど長い距離は無理と思われるので実力把握程度とします)

●結果
目標をクリアできたので今回のプロジェクトは終了としました。
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●実力把握
https://www.furuno.com/jp/products/gnss-module/PT-G1
FURUNOのPT-G1のページ↑にあるコース。ナビのマップマッチングは外れませんでしたが、私の手法ではFURUNOほど直線にはなりません。FURUNOがマップマッチングなしで実現しているなんてすごい。
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山手トンネルから大橋ジャンクション。予想通りダメでした。
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映画館の地下駐車場を1周して地上に一度出て、その後ショッピングモールの地下駐車場を1周。まずまずの位置精度かと思いますが、元々ナビを行う場所ではないのでありがたみは微妙です。
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●主要部品
 ①GPSレシーバー BN-880 AliExpress 1,600円
 ②Arduinoマイコン NANO AliExpress 400円
 ③6軸慣性センサ MPU-6050 AliExpress 150円  (型番GY-521)
 ④I2Cレベルコンバータ AliExpress 50円
 ⑤Bluetoothシリアル HC-06 AliExpress 250円(技適がないので動作確認のみ)
 ⑥ケース パーツ入れ DAISO 単価20円
 その他合わせるとトータルで3,000円ほど(2020年時点での参考価格)

●システム構成
基本的にはArduino NANOに車体側の各種信号を取り込む回路とYawGセンサーを付けた物です。
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●外観
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●Android側アプリ
ユニットから受信して位置偽装するアプリも望む物がなかったので作りました。これでログもできます。同時に画面の動画もキャプチャできるようにしてみました。動画は音声なしで約3倍速で再生されます。
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ログ表示アプリも作りました。それを使って表示したのが先ほどの画面になります。

●独白
改めてプロジェクトを振り返ってみると4年もかけるといろんなことができるんだなぁという感じですね。思いついてはトライし行き詰っては放置し、、、を延々繰り返してようやくここまで来ました。たくさん勉強になって楽しかったな。業務じゃないから納期に追われることもないしね(^_^)

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Posted at 2022/08/13 13:52:25

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この記事へのコメント

2023年3月16日 8:12
素晴らしいプロジェクトですね。真似をする実力もないし、Furuno のモジュールの予算もないし、出来ることといえば Google の海をさまよう事だけです。WTGAHRS2 という中華の測定モジュールが見つかりましたが、、US Amazon の説明を見ても X,Y, Z しか取れないのか否かさっぱり分かりませんでした。。hahaha
2023年3月16日 8:14
Amazon にこんなコメントもあったので、多少の光はありそうですが。 "Accuracy is impressive. Easy to install with its TTL serial output. I use it in my car with a Chinese head unit."
コメントへの返答
2023年3月17日 9:59
そら10さん、コメントありがとうございます。
>WTGAHRS2
こんな製品があるんですね。メーカーのWit motionのHPには詳細説明がないのですが、型番で検索するとマニュアルのpdfが発見でき、そこのリンクからサンプルコード等を入手できました。
ざっと見た感じ、これは単なるセンサモジュールのようです。速度データはGPSから受け取った値を出しているだけで、車速パルスを取り込んでいるわけではないので車のNAVIには使えないと思われます。またジャイロのキャリブレーションを自動で行うとあり、その手法は不明なので推定ですが、Gセンサでロールとピッチ側を、地磁気センサでヨー側を校正するんだと思いますが、地磁気センサは車のNAVIの場合は周囲の建造物の磁気の影響で使い物にならないのは経験済みです。
だからこの製品の用途って、、、例えば広い畑の中を自動運転するトラクターとか、に向いているのかな、と思います。
2023年3月17日 21:59
返信ありがとうございます。
大変勉強になります。
2024年2月29日 18:36
こんにちは、素人考えですみません。
aliexpressで売ってるようなbluetoothのodb2ドングルみたいなのつけて接続すればgoogle map も車速取れるようにするなんて簡単な気がするんですが、どうしてgoogleも対応しないんでしょうかねー?
コメントへの返答
2024年2月29日 19:44
cona_cona_conaさんコメントありがとうございます。
これは私の想像ですが、Googleは「車速の取り込みの必要はない」と考えているからだと思います。(経路案内中であればトンネルに入っても経路上を一定速で走ればNAVI的には問題ないわけで。)
ちなみに私のFitは日本仕向けなので車体側から車速パルスの信号がハーネスに来ていますが、海外仕向けのFit(JAZZ)ではそもそもこの信号は出ていません。つまり海外では純正NAVI(があったとして)も車速を取り込めないわけです。NAVIが車速を取り込まないのがグローバルスタンダードで、Googleはグローバル仕様という事かと。
OBD2で車速がどのくらいのインターバルで取り込めるかというのは調べていませんが、100msは必要なのでその辺も厳しいかもしれないですね。

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