• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

ToshiTechのブログ一覧

2025年01月09日 イイね!

デジタル吊り下げ秤を改造して簡易プッシュプルゲージを作る

デジタル吊り下げ秤を改造して簡易プッシュプルゲージを作る
バネの押し圧と変位の関係や、小型モーターのトルク測定に使うためにプッシュプルゲージ(フォースゲージ)が欲しかったのですが、本物は中華製でも数千円します。絶対的な精度にはこだわらないのでデジタル釣り下げ秤(amazonで750円で購入。今見たら630円というのもあり)を改造してみました。

どの辺が簡易型なのかというと、計量誤差が10g(表示分解能が5g)という点以外にも、
・ピークホールド機能が無いので、目で見てその瞬間の数値を覚えておく必要がある。
・数値が安定するまで2~3秒ほどじっと待つ必要がある。
・センサーのゼロ点がずれるたびにTAREボタンでキャリブレーションする必要がある。
などです。まあ値段が本物の1/10くらいであることを思えば許せる範囲かなと。

●改造(といっても)
・とりあえず測りたいのは押しつけ側の力なので、当初秤内部のセンサー部分を逆向きに取り付け直そうと思っていたのですが、入手した秤のフック部分を押し込んでみるとLCDの左上に"-"マークが表示されてマイナス側もちゃんと数値が表示されることがわかりました。
・センサー自体は歪ゲージなので出力は双方向に変化するのでしょうがマイコン側もそれに対応しているということです。
・そこで今回行った改造とは、基本的にはセンサー部のフック部分を外してM4/30mmのねじに付け替えただけです。(あと吊り下げ用の持ち手は外しました。)
・ケースのセンサー押さえ部分の構造は引き側と押し側で違いがないようなので、同程度の強度があると見て無改造です。
alt

・ねじ先端部のアタッチメントを3Dプリンタで作成してみました。M4のナットを押し込んで瞬間接着剤で固定しています。あまり強い力をかけないのでこれで十分です。
・持ち手を外した跡地がぽっかりと凹んでいるのが気になったので、3Dプリンタで適当にパーツを作って埋めました。(フィラメントを差し替えるのが面倒だったので白色ですが、デザイン的にこれもありかも)
alt

●使い方のコツ
・この秤はTAREボタンの長押しで数値ロック機能のオンオフができます。ロック機能がオンだと、計測中に数値が安定すると右上に鍵のマークが現れて、引き側だと表示が固定(ロック)されます。押し側だと鍵は表示されても数値はロックされません。引き側で使う場合に途中でロックして使いづらい場合はこの機能はオフにしたほうがいいと思います。電池を外すとロック機能がオンの状態に戻ってしまうので注意です。
・荷重を抜いてもセンサー部に若干の歪が残ることがあるようで、数値が0に戻らないときはTAREボタンで0クリアする必要があります。
・TAREは荷重がかかっているときの表示を0にオフセットするためのボタンです。もし計測時の押しつけor引っ張り力のピークの瞬間にこのボタンを押すことができれば、荷重を抜いた時に数値が逆の符号で表示されるので、手動ピークホールドとして使えるのかもしれません。

●使用例
・現在検討中のゲーム用ブレーキペダルの特性の一例です。クッションゴムを押すことで踏むに従って実車同様グニュ~ッと重くなる感触を狙っています。この特性から近似式を求めるかマップを作成して自作コントローラーに組み込めば、ペダル踏力に比例したブレーキ力が得られるというわけです。本格的なシミュレータでは油圧or空圧シリンダーと圧力センサーが使われているみたいですが、同様の効果をチープな手法で得られないかな?とトライしているところです。
alt

Posted at 2025/01/09 21:43:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電子工作 | 日記
2024年09月30日 イイね!

中華電動ツールでジャッキアップとタイヤ交換の検証

中華電動ツールでジャッキアップとタイヤ交換の検証
8月のお盆のころ、amazonを何気に見ていたらよさげな電動インパクトレンチが安く出ていたので思わずポチりました。これでタイヤ交換が楽になるし、勢い良く回した十字レンチで足を強打して悶絶することもなくなるなぁと。あわせてトルクレンチも安いやつを購入しました。
で、ふと「これを使えばパンタジャッキの上げ下げも電動でできるんじゃない?」と検索してみると同じことを思う人はたくさんいるようで、インパクトとジャッキを接続するアダプタなども市販されていることがわかりました。
ただし、さらに検索してみると、インパクトでジャッキを回すと打撃の騒音が近所迷惑になるほどデカい、ジャッキが衝撃荷重ですぐに壊れる、などという声もあり、それならばと同じメーカー製のドリルドライバーも追加購入しました(今回は電工試験を頑張った自分へのご褒美です)。
ドリルドライバーとジャッキとの接続は、本物のジャッキハンドルを別途調達してカットしてフック部分を使うことにしました。
前置きが長いですが、灼熱の夏も過ぎ去ったようなので、実際にこれらの電動ツールでジャッキの上げ下げとタイヤの交換ができるのかを検証してみました。

●結果
・動画はこちら

・購入したドリルドライバーのトルクは35N・mですが、このトルクでFit3の前輪のジャッキアップが可能であることがわかりました。
・ただしドリルとジャッキの回転軸が斜めっていると過負荷検知が働いて途中で停止してしまいます。トリガーを引き直せば再び回転するのですが。このことからこのトルクがギリなのかもしれません。
・購入したインパクトレンチで110, 120, 130, 140N・mで締め付けたナットを簡単に外すことができました。
・このインパクトレンチには締め付け時に打撃開始で自動停止するモードがあるのですが、私の買った製品では残念ながら機能しませんでした。トリガーを引いている間は連続して打撃してしまい締め付けがオーバートルクになってしまいます。発売元に問い合わせ中。
・仕方ないので締め付けはLモードで行い、打撃が開始されたらトリガーから指をすぐに離すという運用で対処することにしました。
・このやり方でHONDA車指定の108N・m以下で締め付けが終了できることを確認しました。

●購入品と価格
・電動ツールはDong Cheng(トウセイと読むらしい)というメーカーで、中国ではメジャーのようです。3年保証だし、バッテリーは独自仕様ですがamazonでの単体販売もありいいメーカーだな、と思ったのですが、最近軒並み売り切れで再入荷の見込みなしとなっています。もしかして日本から撤退かな?在庫一掃のサマーセールだったのかも。一応リンクは貼っておきますがページ自体がいつなくなるかわかりません。
同じものは入手できないかもしれないのでスペックも貼っておきます。機種選びの参考になれば。

インパクトレンチ 購入価格:4,500円

ドリルドライバー 購入価格:5,500円
alt

alt

alt


トルクレンチ 購入価格:3,184円

ジャッキハンドル 購入価格:966円
alt


●電動ツールを検討されている方へ
・今回購入したのはいずれもブラシレスモーターのモデルです。これからこの手の物を購入される方はブラシレスモーターの機種を目いっぱいお勧めします。
→ブラシによるロスがないので同じサイズのバッテリーならブラシ付きより大電流が流せる。すなわち高トルクが出せる。
→ブラシ付きと比べるとモーターのお尻の出っ張りがない分コンパクト。
→もちろんブラシの摩耗を気にしなくてもいい。(摩耗するほど使わないでしょうが)

★タイヤ交換って踏ん切りをつけて重い腰を上げるのが常だったんですが、次からはちょっと楽しみかも(^_^)

Posted at 2024/09/30 19:14:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電動工具 | クルマ
2024年09月16日 イイね!

中華電ドラボールを改造して高速化と自動停止を追加

中華電ドラボールを改造して高速化と自動停止を追加
電気工事士の技能試験の練習をやってるときに、ネジをクルクルと回すのに意外と時間がかかっているという事に気付きました。木ネジの場合はねじ込むにしたがってトルクを掛ける必要がありますが、電工部品や私が普段いじるようなPCや樹脂ケースなどはM3かせいぜいM4の小型のネジで、かつ相手側にめねじが切ってあるため、最初に緩めるのと最後に締めるにはトルクが必要ですが、中間状態ではトルクはほとんど不要で単にクルクルしているだけなわけです。
そんな時に現役電気工事士の方々のYouTubeを見ていたら、あにまる電工の鳥バードさんの動画でベッセルの電ドラボール・ハイスピードが紹介されていて、「私の欲しかった物はこれだったんだ!」と目の前がパッと開けた気がしました。時短だけでなく締め付けの最後は自分の手でトルクを確認したいということもありますし。
☆ベッセルの新しい電ドラボール使ってみた【No.220USB-S1ハイスピード】

ただ充電端子が今更ながらのMicro-Bというのが引っかかり購入を躊躇していたところ、次のような情報が得られました。
☆中華電ドラボールを4倍速に改造したら最強かも!?

☆中華電動ドライバー TILSWALLをハイスピードに改造してみた。

そこで私も改造してみることにしAmazonで以下の中華電ドラを購入しました。
alt

タイムセールで300円offクーポンが出ていたので2000円でゲットできました。

●改造後の動画
ランプレセプタクルと端子台のネジを外して再度組み付ける動作を手廻しと比較しました。ドライバーの柄(グリップ)を回した場合の約半分の時間で完了しました。


●購入した電ドラについて
・付属するビットはダメダメ
→ネジの頭に食い付かないし、ネジを回すと電ドラ本体が歳差運動してしまいます。ビットの中心が出てないのかとよく見たら、ビットの後端が見た目で分かるほど波打っています。ベッセルのビットを別途調達しました。ベッセルはネジの頭を噛ませると横や下に向けても落ちないので気持ちいいです。
ちなみに中華ビットは溝までの距離が9mmのタイプですが、ドライバー側のチャックは13mm仕様なので差し込んだ時に前後のガタも大きいです。日本で売られてるビットはほとんど13mmだそうです。
・スペックのバッテリー容量2000mAhはうそ
→中を開けてみたら18350の900mAhが入ってました。もっともベッセルの電ドラボールも800mAhなのでそこは問題ではないのですが。
・ボタンを離してもブレーキはかからない
→モーターはだらだらと動きが止まります。気の利いた電ドラなら一瞬逆電圧掛けてバシッと止めるみたいですが。また思った通りストール(モーターの回転をロック)しても通電は停止しませんでした。
・ネット情報通り遊星ギアは3段構成でした。
 太陽ギア T12 φ4.2 モジュール0.3mm モーターのピニオンも同じ
 内ギア T42
 遊星ギア T15

速度伝達比= zc / za + 1  太陽ギアA(za)、遊星ギアB(zb)、内ギアC(zc)の歯数
なので速度伝達比 = (42 / 12) + 1 = 3.5 + 1 = 4.5
これが3段あるのでトータルの減速比は4.5^3 = 91.125
ちなみにビットの回転数がスペック通り280rpmだとすると、モーター回転数は91.125 * 280 = 25515rpmということになります。

●ハイスピード化の手法
・ネットの情報を元に1段目の遊星ギアを外して、モーターで1段目の遊星キャリアを回転させます(モーターのピニオンギアで直接2段目の遊星ギアを駆動する)。そのためにモーターのピニオンギアと遊星キャリアを結合させる部品をダイソーのエポキシパテで作成しました。
alt

①②1段目と2段目の遊星キャリアは同じ物なので、この2つでエポキシパテをサンドイッチします。中心軸を合わせるのが難しそうだったので3Dプリンタで内径12.2mmの筒状の型を作り、その中を押し出しました。パテを盛る前に遊星キャリアと型には離型剤としてCRC5-56を吹いておきました。
③完全に硬化する前に取り外し、完全硬化後にモーターにセットして回転させてヤスリで整えました。
④1段目の遊星ギアの代わりにセットします。これで4.5倍速になるというわけです。トルクはその分減るわけですが。

●電流が意外と大きい!
・手元にあった0.1Ω2Wのセメント抵抗をシャント抵抗としてモーターに直列に入れて電流を測ってみました。シャント両端電圧が1.1Vなので起動電流 = ストール電流 = 11Aで、この時のモーター印加電圧は1.2Vでした。
alt

・ということはモーターのDC抵抗は1.2 / 11 = 0.109Ω
・バッテリー電圧を4.2Vとして電池とドライバの内部抵抗は(4.2 - (1.1 + 1.2)) / 11 = 0.173Ω
・もし0.1Ωを付けていないオリジナルの状態ならモーターのストール電流は4.2 / (0.109 + 0.173) = 14.9Aとなります。ストール時の全体の消費電力は4.2 * 14.9 = 62.6W、モーターで14.9^2 * 0.109 = 24W、電池側で残り38.6Wが熱になることになります。
→ダイソーで売っているような一般的な半田ごてが30Wであることを思えば、62Wも発熱したらどうなるか、、、モーターが燃えるのが先か電池が燃えるのが先か、、、
→つまりこのような自動停止しない電ドラは、ストールはごく短時間に抑える必要があるという事です。ふつうの使い方をするならば、ねじを締めに行ってロックした瞬間に電ドラ本体が左に回されて指がスイッチから離れることでモーターは停止するはずです。が、YouTubeではコーススレッド(太くて長い木ネジですね)を角材にどこまでねじ込めるかを試すような動画がアップされていたりするのですが、自動停止機能を持っていない電ドラでは絶対にそれを真似してはいけないということです。

●回路
・エポキシパテの硬化を待つ間に制御回路を調べてみました。
alt

・U2は8ピンのマイコンですが型番が印刷されていません。電源ピンからおそらくPICかと。
・LEDはモーターに通電している間だけ光るようになってます。基板単独で外部電源で作動させて、スイッチを押しながら電圧を下げていったところ2.78VでリセットがかかるようでLEDが消灯しました。このまま電圧を上げてもLEDは点灯しません。スイッチをいったん離して電圧を上げると2.86V以上で再び通常作動するようになりました。
・充電の最大電流は333mAhに制限されています。900mAh / 333 = 2.7hなのでスペックの充電時間=150分というのはおおむねあっているといえます。

●自動停止の手法
・先のシャント抵抗0.1Ω2Wをバッテリーの+端子と基板までの間に入れて、ストール電流による電圧降下でマイコンU2の電圧をドロップさせてリセットを行うこととしました。
・そのままだと無負荷でのモーター起動電流による電圧降下でリセットされることが考えられたので、マイコンU2の電源端子に入っているC2と並列に10μFのコンデンサを入れることにしました。
alt

・いじってる間のショートが怖いので熱収縮チューブやカプトンテープで保護を入れてます。
・バッテリーに直列に0.1Ωが入りますが、充電は電流を制御していて充電終了に従って電流値が減少するに伴い抵抗での電圧降下も減少するので、充電自体は問題なく行われるはずです。

●実は偶然うまくいっただけかも?
・狙い通りに動作したのでモーターの回転とマイコンU2の電源電圧を見てみました。
alt

・マイコン電圧Vddの最大が4Vなのは、ショットキーダイオードD3の順方向電圧降下によるものです。バッテリーはフル充電後なので4.2Vあります。
・10μFの効果はなかったようで、モーター回転開始からすぐに電圧が2.4Vまで落ちています。トランジスタのベースに流れ出す分があるからかな。付けなくても良かったという事かも。
・リセット電圧が2.78Vと判明しているのでここの電圧が2.58V以下になるとリセットするわけですが、疑問なのは起動時にはリセットがかからないことです。2.4Vまで落ちているのに。
・最初からストール状態で起動した場合は50msでリセットがかかってます。
→マイコン側で起動後50ms経過するまではリセット電圧の設定(ブラウンアウト検知)を行ってないのか?謎です。

●改造後のトルクは?
・減速比を落とした分と、電源の0.1Ωで電流が減少する分トルクは落ちることになります。遊星ギアの効率を80%と仮定して、改造前のトルクがスペック通り3N・mとするなら、
→改造後トルク:3/4.5/0.8 * 11/14.9 = 0.62N・m
ベッセル 電ドラボールハイスピードは1200rpm 0.4N・mなので同等以上といえそうです。

●動作確認
・回転速度をビットに貼った紙テープとCdSで拾ってオシロで観察しました。
→回転周期:50.32ms → 60 / 50.32 = 1192rpm これはほぼベッセルと同じです。
・端子台のビスM3.5を緩めて締めることを100回繰り返すテストを行いました。
 テスト前フルチャージしたバッテリー電圧:4.19V
 テスト後のバッテリー電圧:3.98V
 テスト後のモーター及び電池温度:40~41℃程度
 その後フルチャージまでの総電流量:119mAh
バッテリー容量が900mAhなのでもう何百本かはいけそうです。

●最後に
・かなりトリッキーな手法で自動停止を実現しているので、他の電ドラでは再現できないかもしれません。中華電ドラでも自動停止機能付き(トルク切り替えができるタイプはおそらく自動停止するのでは?と思います)があるようなので、それを使った方が素直かも。少し値が張るようですが。
・思うに、コーススレッドを打ち込むならインパクトドライバーがマストだし、一般的な木ネジやニトリなどの組み立て家具にはドリルドライバーが最適解(最終的な締め付けトルクを設定できるので)かと。してみると通常の電ドラの立ち位置ってどこなの?って感じですね。ボタンを押す強さで回転速度が変わり、最終トルクをダイヤルで設定できればいいのになぁ(ってそれはドリルドライバーと同じか。ドリルドライバーも中華なら安いしね。でも小物の工作にはデカすぎる)
・とりあえず今回は偶然にも機能的に満足な物ができたのですが、信頼性に関しては疑問なのでベッセルからType-C版のハイスピードタイプが出たら買い替えようと思っています。
・リチウム電池はショートすると大変危険なので、いじるなら最大限の注意を払って自己責任で!

Posted at 2024/09/16 21:24:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電子工作 | 日記
2024年08月02日 イイね!

第2種電気工事士 技能試験を終えて

第2種電気工事士 技能試験を終えて
さる7/20に第2種電気工事士の技能試験を受けてきました。(第2種電気工事士とは、簡単に言うと家の壁や天井にあるスイッチやコンセントなどの器具の裏側の配線をさわるのに必要な国家資格です。例えばスイッチのカバーはだれでも交換できるのですが、スイッチ本体を交換をするにはこの資格が必要です。年に2回試験があり、学科試験に合格すると技能試験を受けることができます。)
技能試験の合格発表は8/16なので私の合否はまだわからないのですが、この先試験を受けられる方へのアドバイスや、不合格であった時に再試験する自分への申し送り事項をまとめておこうと思います。

●準備した物
・Amazonでホーザン(HOZAN)電気工事士技能試験工具セットと電気工事士2種技能試験セット 2回練習分(電線、器具、テキスト)を購入しました。技能試験の本番ではあらかじめ公開されている13問のうちの1つが課題として出され、40分以内に欠陥なく施工するというものですが、この練習セットは13問を2回練習する分の電線などが入っています。
→電線セットは試験前になると品薄になり価格が上がるようなので早めの調達がお勧めです。

●練習にあたり
・ホーザンはじめいろいろな人のお勧め施工動画がYoutubeにアップされているので、それらを参考にまずはやってみて、その後自分がベストと思われる施工手順をあみ出すのが良いと思います。

●心がけたこと
①技能試験本番では自分は平常心を失っているはずなので、バカになっている自分が作業してもミスを犯さないような施工手順を考えてその通りに実行する。
②無駄な動きはできるだけ排除するが、試験はタイムトライアルではないので極端な時短にはこだわらない。
③ミスを犯しても時間内にリカバーできることを確認しておく。

●①に対する具体的な手法
・複線図をシャーペンで描くときに、配線の色をW,B,Rと線の上に記入したらその後カラーマーカーでWとRの線それぞれに色を付けました。
→最初から色付きペンで書かないのはもし間違っても消しゴムで消せるからで、色を付けるのはW,B,Rの文字を目で追わなくても接続点だけを見て線の色を把握できるからです。
・また複線図ではリングスリーブ接続箇所を極小なら「〇」で囲み、それ以外は脇に「小」「中」を記述しますが、さらにリングスリーブと差し込み形コネクタが1か所に混在する場合はコネクタの接続点を「コ」で囲みます。
→接続ミスや心線長を間違えるミスを防ぐためです。何度か練習すればここまで開始後3分もかかりません。
・ケーブルの切断長を間違えるミスは重い(その後リカバーするのに頭を使う)ので、切断する前に器具への結線を行い、その後単線図の施工寸法+100mmでケーブルを切断するようにしました。
→よってケーブル切断長さを計算して複線図に記入する手間を省けます。またバカになっている自分が足し算を間違えることを防げます。
・その後器具と反対側のシースを100mm剥いで、さらに複線図を参照して心線をコネクタ接続なら12mm、リングスリーブ接続なら20mmストリップしておきます。
→いったん全て20mmでストリップしてコネクタ接続の場合さらに12mmにペンチでカットする手法もあるのですが、最初から12mmにしておけばコネクタで接続すべき場所にリングスリーブを圧着するようなミスを防ぐことができます。

●②に対する具体的な手法
・作業中の動画を撮影して、自分が無駄に時間を費やしている作業を客観的に洗い出すのがいいと思います。考え込んでいるときは面白いようにフリーズしている自分がいました。
・ランプレセクタプルや露出形コンセントの施工では最初に2か所のネジを外し、2番目のネジはドライバの先端に噛ませた状態にしておきます。それからケーブル外装と心線をストリップし、輪作りを行ったら外した1つ目のネジを輪にあてがって適正なサイズの輪ができたかを確認&調整し、その後ケーブルを器具に通してそれぞれの輪のセンターとねじ穴が一直線になるように電線の曲がり具合を調整してからねじ止め作業に取り掛かります。
→輪のサイズが小さかったり穴の位置がずれていても無理やりねじ込むことはできるのですが、それをやると思った以上に時間を食うので焦るし指を怪我をする可能性もなきにしもあらず。「急がば回れ」です。
・1本目は、先ほど噛ませたまま置いておいたネジを指で押さえながらドライバのシャフトをつまんでネジを輪に通して2~3回ほど回して仮止めしたら、もう一方のネジも仮止めします。
→一方の心線を完全に固定しない方がもう一方のネジが穴に入りやすいからです。
・その後器具の底面を机に置いて、ドライバのシャフト部分をシュルシュルと高速で回転させてねじを締め、その後ドライバの柄を握ってしっかりと本締めします。(ネジを外すときも緩めた後はシャフトを回転させれば素早くできますね)

●③に対する具体的な手法
・いずれも実際にやってみてどのぐらい時間がかかるかを把握しておくことが重要と思います。接続ミスに関してはいったん施工を完成させた後でやってみてトータル40分以内に終わらせることができることを確認しておくと自信になると思います。
・リングスリーブを「〇」で圧着すべきを「小」で圧着した。
→凹部分を合わせて「〇」で圧着し直します。これは正式なやり方です。この場合一瞬でリカバーできます。
・リングスリーブを「小」で圧着すべきを「〇」で圧着した。
→圧着の凹箇所をカットし、残った下半分のスリーブをペンチで引き抜いて心線の曲がりをペンチで正してから20mmストリップして圧着し直します。リングスリーブの下端でカットしないのはその方が1cmほど得だからです。
・圧着後によく見たら絶縁被覆とリングスリーブの間の隙間がほとんどなかった。
→4本圧着で裏側の心線に注意がおろそかになると発生します。1本だけなら電工ナイフか小型のニッパで絶縁被覆を2~3mm剥ぎ取るか、↑の手法でリングスリーブを付け直します。
・差し込み形コネクタの種類を間違えた。
→クリクリ回して外します。コネクタから心線を外すのは練習で何度もやる作業なので、あまり力を入れなくてもいいことはわかっていると思います。実際の電気工事では心線に傷がつくのでカットしてやり直しですが、試験ではその必要はないと思います。(電気技術者試験センターの資料でNGとなっていないので)
・ケーブルを施工寸法+接続用の100mmでカットすべきを施工寸法通りにカットしてしまった。
→例えば施工寸法が150mmなら接続のために+100mmして250mmでカットすべきなのですが、これを150mmでカットしてしまった場合、そのまま接続用にシースを100mm剥いてしまうと残りが50mmとなってしまい150mmの50%以下となり欠陥です。よってシースは100mmではなく60mm剥いて残りを90mmとして作業を続けます。75mm以上残っていればOKなので90mmあれば安心です。リングスリーブ圧着の場合心線の絶縁被覆の残りが20mm以上必要ですが、60mmあればリングスリーブ用に20mmストリップしても余裕ありです。
・2mmケーブルのシースをストリッパの1.6mmの歯で剥こうとして心線の絶縁被覆に切れ込みを入れてしまった。
→シースを少しずらして傷の部分を隠します。傷に関しては心線を曲げた時に銅線が見えなければOKではあるのですが精神的に悪いので。検定員もわざわざシースをずらして傷の有無を確認したりはしないはずです。もちろん本当の電気工事ではNGですが。
シースずらしはランプレセクタプルや露出型コンセントでシースのストリップが長すぎた時にも使えるテクニックです。

●私が犯したミス
・実は上に書いた「絶縁被覆とリングスリーブの間の隙間がほとんどなかった」と「心線の絶縁被覆に切れ込みを入れてしまった」というのは練習時にはやらなかったのに本番でやってしまったミスです。
→4本の心線を束ねるためにダイソーの「繰り返し使える結束バンド」を使ったのですが圧着直前に裏側の1本がなぜか上にずれていたことに気付きませんでした。時間に余裕があったのでカットしてやり直しました。
→電源の2mm青ケーブルのシースがなかなか剥けなくて、再度ストリッパーで挟んだら1.6mmの歯で噛んでしまいました。シースをずらして傷を隠しました。
・それ以外は練習中に実際にやってしまったミスです。「リングスリーブ小、ヨシ」と頭の中で唱えながらなぜか極小〇で圧着して途中で気付いたもののもう戻せない、とか、シースを100mm剥こうとしてなぜかカットしてしまったり、頭と行動が別になることがあってショックでした。少し慣れた頃に発生しやすい感じでした。

●合格ゲージは必要なかった
・心線を希望の長さでストリップするために、ホーザンのストリッパP-958本体にはゲージが印刷されているのですが、これに頼るとどうも長さがばらつくので、1回目の練習中に合格ゲージを追加で購入しました。これを使うと簡単に長さの精度が出せるので本番でも使ったのですが、ふと疑問に思ったのが「コネクタの12mmという長さはどこまでが許容範囲なのか?」ということです。
・そこで差し込み形コネクタで心線のストリップ長を変えて確認してみました。
→結果10~16mmなら合格基準を満たすという事がわかりました。
→ということは、「大体12mmくらい」にストリップすればOKということで、合格ゲージに頼らなくてもP-958本体のゲージを使って(あるいは慣れれば目分量でも)多少ばらついてもOKという事です。スイッチやコンセントの差し込み部分に関しても、接点の構造は差し込み形コネクタと同じなので、そちらも結構許容範囲は広そうです。(実際のプロの電気工事の動画を見ると、いちいち12.0mmジャストであることを確認したりはしてませんしね。)
alt


●自分を信じて試験に臨む!
・試験数日前に試験のことを考えて心が穏やかでなくなっている自分に気付きました。妙にイラついたりドキドキしたり、、、けれど「今までこれだけ練習したのだから大丈夫」と思ったら落ち着きを取り戻すことができました。
これから受験される方は(今回落ちていたら次回の自分も含めてですが)、今まで練習してきた長い道のりを思い返して自信をもって臨んでください!

●銅を売却してみた
・2回分練習して細切れになったケーブルの銅線部分を取り出して買い取り業者に持って行きました。銅が2.44kg、リングスリーブ部分が0.16kg取り出せました。(弱電の電子工作なら一生かかっても使いきれないほどの銅の量ですね)
・リングスリーブの材質は銅ですがメッキされているので分別してみました。
alt

・業者の秤は1kg単位のようで、2kgの扱いで2,800円になりました。
・たまにこのような電気工事士練習用の銅線を引き取ることがあるそうです。「またよろしくね」と言われちゃいましたが(^_^;
・ケーブルのシース部分はカッターでサクッと外せます。IV線の絶縁被覆を安全に素早く剥くために、このような↓ツールを作ってから作業しました。それでも延べ工数は丸一日分はかかったかも。暫定で作ったツールですがカッターの刃を交換することなしに2回分の電線を剥き終わることができました。
alt

・ツールの3Dデータはこちらに置きました。

Posted at 2024/08/02 21:38:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電気工事士 | 日記
2024年07月09日 イイね!

リコールへのリスク対応をしたら中華の闇を見た

リコールへのリスク対応をしたら中華の闇を見た
少し前にホンダからFit3の燃料ポンプのリコールについての「重要なお知らせ」の封筒が来ました。部品が近々準備できそうなのでそれまで暫定として同梱のタグをワイパースイッチに掛けておいてね、というものでした。
alt

その時はやらないよなぁとは思ったのですが、いざそのような事態になった時に頭が真っ白になることもあるかな、と考えなおしました。発煙筒と三角表示板は積んでありますが、それだけでなく赤く点滅する非常灯があった方が追突されるリスクを減らせるのではないかとも。

そこでAmazonでこのような物を見つけました。作業灯でありながら赤色点滅灯にもなるというもので、今持っているLEDフラッシュライトは照射範囲が狭くて実車作業が不便という事もあり一石二鳥かと。2つで1,800円でした。
alt


連続点灯可能時間が書いてなかったので、フルチャージ後にCOB(強)で確認したのですが、うっかり3時間半ほど放置した後で見るとぼんやり光るだけになっていました。「自動停止しないのか?」と中を開けてバッテリー電圧を見ると2.53Vまで落ちていました。そこから中華の闇を見てしまった次第。

まずバッテリーはリチウムの18650なのですが、リード線が本体に直接半田付けされています。ふつうは電池に金属の薄板(タブ)をスポット溶接して、半田はタブ側に行いますよねぇ。(下手すると半田ごての熱で爆発したり劣化したりする可能性があるので)
また電圧が2.5Vまで下がっても出力があるという事は、保護回路のない生のセルなのだと思われます。という事は電源を切り忘れると過放電で電池が壊れます。
組付け時に被覆を噛んでいるリード線もあるし。
alt

alt

こて先に盛りすぎた半田を、半田ごてを振って払ったと思われますが、基板上に溶けた半田が点々と飛び散っています。2台とも似たり寄ったりです。レジストが傷ついたらショートです。あるいはこの半田屑がポロッと落ちてどこかをショートさせるとか、、、あっぶないなぁ。
溶けているリード線の絶縁被覆もあるし、、、この作業者が電池も半田付けしているなら恐ろしいことです。
alt

alt

リード線は半田付け部分からちぎれそうだったので、とりあえず各リード線の付け根と、ついでにUSBコネクタ周辺をホットボンドで補強し、基板上の半田屑を取り除きました。

暗電流で電池が消耗するのを防ぐため、小型のスライドスイッチで電気的にバッテリーを切り離すようにしました。非常時に電池切れでは話にならないので。
alt

alt

時がたつと操作方法を忘れる自信があったのでネームランドで印刷した説明を貼り付けて完成です。これをグローブボックスに入れてリスク対応完了です。
alt


ちなみに点灯時の消費電流[mA]は、
・COB(強)       284
・COB(弱)       140
・先端LED       52
・赤色点灯      151
暗電流は私の持っているテスターでは測れませんでした。1[μA]以下かと。

また各LEDはバッテリーからスイッチ素子と電流制限抵抗を介して接続されています。(インバーターで電圧を安定させていたりはしていません)
各電流制限抵抗[Ω]は、
・赤        10
・先端LED   100
・COB       1.5     (弱はデューティ50%)
先端LEDは夜に鍵穴を探すくらいしか役に立たないと思われるほど暗いので、抵抗値を小さくすれば多少使い物になるかもしれませんし、点灯していることに気付かず切り忘れることを防止できるかもしれません。(スイッチを追加したので私はやってませんが。)

なお2.5Vまで落ちたバッテリーをフル充電するまでの累積電流は613[mAh]でした。バッテリーには何も書いてないので公称容量不明ですがかなりしょぼいですよね。COB(強)で2時間で空になる計算です。まあ非常灯としては使えるのかな。防滴構造じゃないので車内に置いて使わないとダメですが。
久々中華製品で遊べて楽しかった~

Posted at 2024/07/09 21:43:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 電子工作 | 日記

プロフィール

ToshiTechです。よろしくお願いします。 なにかを作るのが好きです。優先順位としては  ①世の中にないから作る  ②世の中にはあるけど値段が高いので...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

愛車一覧

ホンダ フィット(RS) ホンダ フィット(RS)
ホンダ フィット3(RS)に乗っています。

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation