ケーブルカー乗りつぶし旅第22弾 その1
投稿日 : 2014年07月12日
1
岩木山の裾野から日本海の沿岸まで続く青森県道3号、鰺ヶ沢街道も緩急取り混ぜたカーブの連続でなかなか楽しい。
日本海に沿って津軽半島の根元からは県道12号で北上する。
水田が続く平坦な景色の中をほとんどまっすぐに走る田舎道は、ちょうど滋賀県の虎姫やら高月のあたり走っている錯覚を起こす。
しかし道路の脇に防雪柵が設置されているのを見るに付け、ここが北国だということを思い出す。
ほぼ予定通りの12:10、十三湖の河口近くにある民宿「和歌山」に到着。
2
ここで本日の昼飯にするのだが、すでにほぼ満席で、もう少し遅かったら席が空くまで待たされていたかもしれない。
津軽半島に来たからには十三湖の特産シジミを食わねばなるまい。
もう20年以上前の学生時代、初めてのロングツーリングで来たときも道中で湖畔に下りて、膝まで水に浸かってシジミを拾って帰ったなあ。
当時の先輩の実家に泊めてもらって、シジミの味噌汁にしてもらったのが懐かしい。
島根県の高校を卒業して、遠く北海道へ渡ったばかりのあの頃、嘘かホントか、十三湖のシジミは島根県にある宍道湖からの移植放流によって増やされたと聞いて、ちょっとうれしかった気がするな。
さて、前置きが長くなったが、注文したのは特製シジミラーメン(1000円)。
ノーマルと「特製」の違いはシジミの大きさだそうだ。
あんまりこんな大きさのシジミを口にした記憶がない。
うちのオカンはけちってスーパーに並んでる一番小さいシジミを買ってきてたに違いない。
小豆の粒みたいなシジミなんて、身を食べてるんだか殻をしゃぶってるんだかわかりゃしない。
しかしさすが特製、大きな身が食べ応え充分。
スープはシジミの持ち味を殺さないあっさりしたもので、「シジミ食ってる」感に大満足。
ラーメンの麺は…いらないな。
むしろシジミのスープと別盛りで白飯にタクアン2切れでいい。
さすがにそれでは店に出すメニューとして貧相だから、見栄えとコストのバランスをとって、ラーメンって形にしたのかもしれないな。
いやー、うまかった。
朝早くにコンビニでおにぎり食ったきりで、山を一歩きした後だから胃袋にしみいるわー。
3
満足の昼飯を済ませて北上を続け、13:20に青函トンネル記念館に到着。
ケーブルカーが登っていくような山が見えないが、今回は地中に潜るケーブルカー、青函トンネル竜飛斜坑線なのである。
トンネル建設時に物資や人員を運び込み、掘削で生じた土砂を運び出した斜坑を利用した路線で、海面下140mまで潜る。
青函トンネル記念館の施設の一部であるが、鉄道事業として登録された私鉄なのである。
4
走行するのは「もぐら号」と名付けられた小さな車両が1両。
ほかの多くのケーブルカーとは違い、上りと下りの車両をつるべのようにケーブルで結んだり、一方の車両の代わりにカウンターウェイトを結んだりする、交走式という方式ではなく、巻き上げ機で車両を吊って走行させる。
鉱山で人員を運搬する車両によく見られる方式である。
5
車両を吊っているケーブルは建物の壁に開けられたスリットを通って外に出ている。
6
建物の外壁には大きなプーリを介して、少し離れた小さな建物へと繋がっている。
この建物の中に巻き上げ機が入っているのだろう。
路線の最上部と最下部の位置が変わらない、通常のケーブルカーやインクラインでは、建設時にケーブルの長さが決まって運用中に延ばす必要はめったに生じないが、穴を掘り進めていく鉱山では掘り進めて行くにしたがって車両の走行距離、つまり必要なケーブルの長さが長くなっていく。
交走式だといちいちケーブルを付け替えることになりそうだけど、巻き上げ式ならば、巻き上げ機のドラムにあらかじめ多めにケーブルを巻いておけば少しずつ繰り出す量を増やしていくだけで済む。
その代わり、一方の車両を引き上げる力として、もう一方の車両の重さを利用できないので、巻き上げにはそれなりに高出力の巻き上げ機が必要になってしまうにちがいない。
7
車両の停車位置から少し下った線路上には大きな鉄の扉が設置されている。
8
風門と呼ばれる扉だそうで、トンネルの奥から吹いてくる強い風を止めるのだそうだ。
線路上の鉄の扉が開かれるときは、停車場の建屋を密閉することで強風が抜けるのを防いでいる。
ケーブルカーが地上の停車場に戻ってきてからこの大扉が閉じられるまではやや時間を要するため、乗客はケーブルカーから降りてもしばらくは停車場の建屋から出ることができない。
関連リンク
[PR]Yahoo!ショッピング