
7月9日午前、北海道ニセコ町において、52歳の女性が運転する1100ccのバイクが信号柱に衝突し意識不明の重体となる交通事故が発生したというニュースを聞きました。
最近、全国的に大型バイクによる交通死亡事故、重傷事故のニュースが増えています。私も一応ライダーの端くれであり、また自動車学校に勤務させて頂いている身でありますので、こうした悲惨な事故のニュースを耳にする度に、非常に心が痛みます。
ただ、昨今の傾向として、すごく気になる点が一つあります。それは、いわゆるバイクのステップアップ、小排気量のバイクからスタートし、経験を積みながら排気量を段階的に増やしていくということをせず、いきなり大型バイクに乗り始める傾向はないだろうか?ということです。
私にとって最初のバイクは、新聞配達のため販売店から借りたスーパーカブ50でした。広告を折り込んだ新聞200〜300部を毎朝カブに積んで走り回ること、特に雨の日や路面が凍結した日には、すごく良い練習になりました。
また、ヤマハのGT80(ミニトレ)、TL125で山道を走って経験を積み、これも滑りやすい路面でバイクをコントロールする非常に良い練習になりました。
そうする中でお金を貯め、ようやくGS400、GSX-R等に辿りつきました。
私の場合は意識してステップアップした訳ではなく、小さいバイクに乗りながらお金を貯めていったのですが、それが自然とステップアップに繋がったのであります。
また昔は大型自動二輪免許は運転免許試験場でしか取得出来ませんでしたので、いきなり腕も経験もない者が大型自動二輪車に乗ることはありませんでした。(大昔のように、普通免許取ったら大型自動二輪付いてきたという夢のような時代の話は除きますが・・・😅)
しかし、現在は状況が違います。自動車学校で普通自動二輪免許を取った後、18歳以上ならば、続けて大型自動二輪免許を取ることも可能です。
ウチの自動車学校でも、そういう方法で大型自動二輪免許を取得される方も相当数おられます。
私はそのことをダメだと言うつもりは全くありません。ただ免許取得イコール運転が上手いという訳ではないのです。というよりも、むしろ最低限の技量はある、スタート地点に立った段階というレベルだと思います。
であれば、いきなり大型バイクを購入するのではなく、125か250などで腕を磨き、それなりの経験を積んでからから大型バイクに移行すればよいのではないかな?と思うのであります。
特に最近のYouTube等動画サイトでは、いわゆる「映え」を意識した動画を見かけます。
女性や若者がハーレーやリッターバイクに乗るなとか、乗るのは無理とか申し上げるつもりは毛頭ありません。むしろもっと沢山の女性や若者に大型バイクに乗ってほしいと思います。
そうしたら、バイクに対する世間の理解が深まり、バイク=危険だから禁止などという短絡的な考え方も少しは減るだろうと思います。
でも、経験の少ない者が、いきなりハーレー、リッターバイクに乗るのは、男女を問わず賛成できません。
たとえ125ccクラスのバイクでも、初心者ライダーが正しく制御し乗りこなすのは大変なことだと思います。
まして「ハーレー女子」「大型バイク乗り」等と呼ばれるためだとか、見栄を張るために無理をして乗っているのだとしたら、それは愚の骨頂でしかありません。
一番最初にお話しした北海道ニセコ町のバイク事故、この当事者の女性のバイク経験については分かりません。ひょっとしたら豊富な経験をお持ちの方だったかもしれません。でも、もし突っ込んだのが信号柱ではなく、通学中の小学生の列だったとしたら・・・
今一度、バイクに乗る際のステップアップの必要性、重要性について、考えてみることが大切だと思います。
※このブログの写真等は全て借り物です。
Posted at 2023/07/11 21:44:58 | |
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