
かっこいいクルマが好きである。そして速い方がいい。これまで、自分の手が出せる範囲だが、見てヨシ、乗ってヨシのクルマを求めて来た。
一時期、ATがかったるくなったことがあった。運転していて、ちっとも面白みを感じなくなってしまった時があった。
最初に自分で買ったクルマがいきなりE30-M3という、とんでもない経験をしてしまい、その時の感触が忘れられなかった。
そして、それが高じてMTコンバートしてしまった。今考えるとこの時代が黄金期だったと思う。運転が楽しくて仕方がなかった。
しかし、歳と共に東京都内の渋滞をMT車で移動するのがだんだん辛くなってしまった。単に移動するだけなら、ATの方が楽である。このクルマをセカンドカーとして持っているというのも、普通のサラリーマンには厳しい。
結局、子供の進学を優先することを選択し、手放さざるを得なくなった。
我が家は大の犬好きである。ミニチュアダックスが2匹、トイプードルが1匹いる。この子たちも大事な家族なので、たとえ1泊の旅行であっても、犬だけ残して出かけることはしない。その際は、夫婦と娘の3人に3匹が同乗する。となると、それなりの日程を掛けて出かけることになるため、荷物も増える。
自ずと我が家の選択肢に、2ドアやクーペはあり得なくなった。どうしても乗ってみたくなり、330Ciカブリオレを手に入れたが、さすがに短命のうちに終わってしまった。
行き着いたのはステーションワゴンである。ずっとBMWファンを貫いてきたが、中でもE61-525は我が家のスタイルにぴったりである上に、BMWの走りと駆け抜ける喜びを味あわせてくれたベストチョイスだったと思う。
カーゴスペースも広く、パワーもあり、とにかく楽だった。
そう、このあたりからクルマに「楽さ」を求めるようになってきた。
今回、歳とったら乗ってみようと思っていたメルセデスだが、ディストロニック・プラスというレーダー追尾システムを備えている。
買った時には「そんな機能は使わないだろう」「運転した気がしないのでは?」と思っていた。
しかし、試しに使ってみて驚いた。こんなに楽をさせてもらえるとは思わなかったし、これを使うと疲労感も違う。
高速だけでなく、都内の一般道でも有効で、運転するという感覚がこれまでと違うものになったように感じるのである。
歳をとるごとに、衰えを感じることが増え、それと共に望むものと質が変わってくる。メルセデスに乗りたくなったのもそういった要因があるのかもしれない。クルマの弄り方も変わった。

かつてのように下に潜り込んで、油まみれになるような弄り方はもうできない。
ただ、一つ普遍的なことがある。
それは同じ車種でも、他人とは多少なりともどこか違う、オリジナリティを出したいと思う気持ちである。
ブログ一覧
Posted at
2016/09/07 22:58:21