
*この記事は歴代デミオの比較をしています。
比較ですので「どれかが良くてどれかが良くない。」と読み取れると思いますが、この記事ではマツダの「Zoom -Zoom」と、そうなった背景(排ガス規制)に焦点を当て書いています。
「ステンレスエキマニが至高で鋳物エキマニは悪い。」と言う意図ではありません。
DYデミオのエキマニはトルク重視の4−2−1の仕様で、ステンレス製。
1-4(等長) 2-3(等長)のエキマニ。
これ、意外と貴重品なのですよ。他のデミオでは次のようです。
DWデミオ 鋳物
DEデミオ 鋳物
DJデミオ 鋳物
DJデミオのMBのみステンレス。これも4-2-1のステンレスエキマニ。
このスペックだけ聞くと「Zoom -Zoom」はDYデミオとDJデミオ(MB)ですね。
コンパクトカーにコストは掛けられないとは思いますが、少し前に「Zoom -Zoom」と言ったばかりなので、後には引けなかったのかな。
*余談ですがこの頃のマツダは結構「Zoom -Zoom」に忠実で、初代アテンザでは開発時の足回りの検討時、技術開発陣は
①コストがかかる部品を用いた仕様と、
②お安い部品を用いた仕様
の2種類のテスト車を作りコース上で走らせた上で、コスト管理部署を説き伏せ、「①のコストがかかる方」を採用させたようです。
話は戻りますが、それぞれのエキマニには理由がある筈で、私的な考察は以下の通り。
DWデミオ コストが掛からないように、順当に採用
DYデミオ 「Zoom -Zoom」を優先し、ステンレスエキマニ
DEデミオ エキマニ長を短くし排ガスを高温のまま触媒に送る事で環境性能の確保(コストダウンのおまけ付き)
DJデミオ *DEと同じ
DJデミオ(MB)環境性能より車としての性能を優先したと思われます。これも4-2-1のステンレスエキマニ。
*MBのデメリットとしてエコカー減税対象の適用外になるようですね。
平成30年排出ガス基準には達しているものの、低減レベルはなし。(他のガソリンモデルは50・75%低減)
DWは普通に鋳物、DYになり後方排気とする事や全車インジェクション化による燃料制御と後方排気により、排気ガスのクリーン化を妨げる低温の触媒を速やかに熱する事で触媒による排ガスのクリーン化を促す仕様にしているようです。
これは冷間時の燃料消費率が悪いというデメリットがあります。
実際、DYは水温が上がるのが異様に早いし、冷間時の燃料消費が多い。
しかしDYデミオは「Zoom -Zoom」に忠実であったと思います。
そんな事もあってか、「DYデミオは燃費が悪い。」とはよく言われてきたと思います。特にチョイ乗りが多い人は燃費が悪いと思います。
マツダが「Zoom -Zoom」と言い出したのは平成12年頃からで、DYデミオの発売は平成14年。
自動車業界にはよくある事ですが、このようなキャッチコピーは出来た当初は良いのですが、時が経つにつれ効力が薄れる傾向にあるのは残念だと思います。
*ベリーサもDYに準じます。
写真はDYデミオ(前期)取扱書1ページより