このビルを見ると、心がザワザワします。
東京環状8号線、通称カンパチ。東京の西側、羽田空港から赤羽までを結ぶ半環状線です。
東名高速道路の東京インターにほど近いカンパチ沿にこの建物はあります。
M2ビル。
葬儀場がどうして?って思う方も多いと思いますが、この建物はかつてマツダの子会社「M2」の本社ビルでした。
第二のマツダというネーミングだったのでしょう。
今やM2といえば、BMWでしょうが、BMW M2が誕生する遥か前の1991年に誕生。
ロードスターやAZ-1のスペシャルモデル等を企画。今のトヨタのGAZOOやホンダの無限のような感じでしょうか。
ビルの設計はあの隈研吾氏。
新国立競技場や、所沢の角川武蔵野ミュージアムを設計された日本を代表する建築家です。
M2ビルのデザインは当初から賛否両論。どちらかと言うと否が多かったとか。
マツダ本体が5チャンネル体制で鼻息が荒かった頃のお話です。M2が企画されたのはバブル絶頂の頃。スタートした時は、既にバブルが崩壊しており、マツダ本体が経営危機に瀕します。M2も短命に終わります。
M2ビル自体は残されたものの、奇抜なデザインから売却先が見つからず、色々あって現在の葬儀場に至っています。
今でも、ビルの屋上にはM2の看板が掲げられています。
もしも、バブルが弾けなかったら、マツダの5チャンネル体制が続いていたでしょうし、M2も存続していたことでしょう。
そして、アキュラ、レクサス、インフィニティに並ぶマツダのプレミアムブランド「アマティ」も誕生していたことでしょう。
1992年に発表されたアマティのシンボルマーク。
M2ビルの前を通ると、そんなことが頭をよぎり、心がザワつきます。
Posted at 2024/05/10 06:58:27 | |
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