
15年、31万km超を連れ添ってきた現在の愛車“Lupo GTI”との別れの時がついに来たのか…と思う出来事があったことが、今回の一連のクルマ購入の旅のきっかけでもある。
Lupo GTIは、エンジンやミッションなど走りに関する部分については、トラブルの少ない頑丈なクルマだと思っている。ゴルフ4世代のVW車特有の窓落ちは経験&交換済みで再トラブルは無い。また、運転席側のドア開閉を感知するスイッチが壊れ、ドアを開けて乗り込んでも、ドアを開けたことを感知せずに時間の経過とともに自動的にロックがかかり、最悪閉じ込められてしまうことも…(笑)。
パワステのポンプやホースからのオイル漏れは劣化と共に起こっている。エンジンチェックランプ点灯も最終的にはECUを載せ替えないと完治しなさそうでもある。
いろいろ問題を抱えていても、それなりに走り続けていること、日々の忙しさ、今後どれだけ乗り続けていくかの判断に迷いもあり、状況は把握しつつも様子見を続けていた。
ただ、今回のトラブルが起こるまでには徐々に症状が進行していたことは認識していた。この2年前くらいから、冷却水が徐々に減っていることに気が付いていた。最初は少しずつ、しかし、だんだんと冷却水を補給する頻度が高くなっていった。
もうそろそろ直さなくてはと思い、ディーラーで診断を受けた。原因は「サーモスタットハウジング」につながるホースから冷却水が漏れ出ていたことだった。
その診断を受けたのが2021年の5月。しかし、その時点で肝心のサーモスタットハウジングを始め、多くのホース類が“本国生産中止”となり国内ディーラーでは入手できない状態になっていた。
「さて、どうしたものか…。」
ディーラーメカニックからは「社外パーツなどを探してみては?」とのアドバイスを受けたが、社外品のラジエターホースなどは見つからなかった。あとは、海外のVW部品を扱う会社の在庫や純正同等品から探してくるしかない。
探してみると、チェコやドイツなどの会社がメーカー生産中止の部品も取り扱っていることが分かった。しかし、海外からの通販で価格もそれなりにかかること、海外通販という壁もあり、躊躇しているうちに時間が過ぎるとともに、頻繁に冷却水(水道水)を補充することにも慣れてしまっている自分がいた。(慣れとは恐ろしい…)
エリーゼの売却が決まったことで、クルマに関することが一つ進んだこともあり、重い腰を上げてルポのパーツの手配をしたのが12月上旬。サーモスタットハウジングはebayを通してアメリカから、ホース関係はドイツの“HANDLER”とチェコの“oemvwshop”から購入した。しかし、ebayからは連絡がなく、いつ到着するのか分からない状態が続いていた(普段のアドレスとは違うアドレスに何度も連絡が入っていたことを、後になって知った)。
暮れも押し迫った2021年12月26日、ついに“事件”が起きてしまった。
仕事も一段落し、趣味の写真撮影を冬山でしたい欲がむくむくと湧いてきた。しかしLupo GTIの冷却水はほとんどが水道水に入れ替わっているので、危険があることも分かっていた。長い時間停車し続ければ凍結するかも…という不安がよぎるが、「一か所で長く粘らなければ大丈夫だろう」と思い、決行した。
夜明け前から行動を開始し、日の出の時間には標高1100mはある寒冷地に到着。久しぶりの冬山。木々に霧氷がついており、俄然写欲が高まる。最初の地点で1時間程撮影し、次のポイントへ移動。気温は−8℃か、もう少し下がっていたと思う。この地では珍しいことではない。それ故に生まれる美しい風景があるのだ。
次のポイントへ移動し、トイレに立ち寄り、Lupoの元へと戻る。
「シュー」という音がボンネットから聞こえる…!?
一応ボンネットを開けて冷却水の様子を確認…と思ったら、例のサーモスタットハウジング辺りから勢いよく水が噴き出ている!!!
これはマズイ…。一刻も早く帰らないと…!
帰り道に向けて走り出す。しかし、間もなく水温がどんどん上昇する。
あっさりと100℃を超えて、さらに上がり続ける。
「これは、もうダメだ。自力走行は不可能だ!」
しかし、真冬の標高1200mはあろう山の上で何時間もレッカーを待つことになれば自分の身も危険である。幸いにして近くにスキー場があるので、暖が取れ、食事も取れるレストハウスがある。その近くまで戻ろうと引き返した。
天井知らずに上がる水温は110℃を超える。エンジンから「キュゥゥゥゥ…」という高い音が聞こえてくる。オーバーヒート寸前だ。
「早く着いてくれっ…!」
水温が120℃に達したころ、ようやく安全な駐車場に到着。原因は明らかだったので、すぐにエンジンを止め、ボンネットを開けた。その後も水温の変化を追っていたが、気温がかなり低いこともあり、水温はどんどん下がっていった。
クルマと自分の危機的な状況に、高まっていた鼓動も少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
場所は自宅から60kmも離れた冬山。
「さぁ、どうするか…」
自分の置かれた危機的な状況とは裏腹に、窓の外には美しい冬山の風景が眩しく広がっていた。

サーモスタットハウジングにつながるホースからの水漏れ

ラジエターホースとの接合部からの水漏れ
Posted at 2022/04/29 23:46:27 | |
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