
2021年11月23日(勤労感謝の日)、12年3か月所有したロータス エリーゼS(08モデル)の売却手続きを済ませ、買い取って頂いたお店にキーを預け、エリーゼとの時間に終止符を打った。最寄り駅までカイエンで送ってもらったことに少しばかり興奮しながらも、帰りの電車から見た鮮やかな夕焼けは、12年連れ添ったエリーゼを自分から手放す寂しさと、どうか次のオーナーに大切にされてほしいという思いが入り交じった思いと共に、深く印象に残っている。
エリーゼと出会った頃は、現在の職業に就いてまだ数年しか経っておらず、毎日の仕事に忙殺されながら、心のどこかでストレスが発散できる何かを求めていたように思う。また、現在も愛車のLupo GTIに満足しながらも、どこか他のクルマに目移りする気持ちもあった。特に当時はVW車が(自分の中で)輝いていた時期でもあった。ゴルフ5GTIの6MTやパサートR36に試乗し、ゴルフGTIの高いボディ剛性感や、コシがあってしなやかな足回りの上に成り立つパワーを6MTで駆る楽しみ、ルポよりはるかに上質な内装などに感銘を受けた。「日本に上陸する最後のマニュアルGTI」とディーラーに言われ、好みでない白のボディカラーでなければ契約していたかもしれない。また、R36の「シャーンッ」と精密に回るエンジンの圧倒的なパワーと、DSGのスパッスパッと電光石火の如く瞬時にタコメーターの針が上下しながらギアシフトし、そのパワーを受け止めるミッションに当時は大いに感動した。またワゴンボディの広さや「R」のもつ特別感にも大いに惹かれていた。もちろん、そのお値段はサラリーマンにおいそれと手が出るものでもなく、現実的にそのボディの大きさは手に余るものだった。
そのような中、今も変わらずにある志向の「より軽く、シンプルなクルマ」というところを突き詰めていった時に候補に挙がったクルマが「ロータス エリーゼ」だった。
当時の自分にとってエリーゼは、輸入車オールカタログで眺めていただけの「詳しいことの分からない、得体の知れない車」だった。ただ、そのデザインと軽さ、オーナーブログ等から伝わるスパルタンな魅力にだんだんと引き寄せられていった。おそらく最初に実物をしっかりと見たのはACマインズのショールームだったと思う。そこでは、エリーゼの魅力と共に、「故障などのトラブルはどうか」「FRPボディで衝突したら安全性はどうか」などの質問にも英国車専門店ならではの知識と経験で丁寧に答えて頂いたことで、所有することに対する不安が徐々に消えていった。また、中古車も含めて購入を検討していた際、東京への“出張”(笑)があり、仕事の手が離れたときに一人別行動でエリーゼの中古車を見に行き、試乗もしたのは良い思い出である。ただ、中古車から探しながらも、値段の割に年式や程度があまり良くなく、割高に感じたことで、「本当にこんな高い買い物をしてもよいのか??」と悩みながらも、新車で購入すべき、という結論に至った。
そこまで決まれば、あとは実際のクルマ選びだった。予算の都合でグレードは素のモデルであるエリーゼSの一択。あとはボディカラー選びだが、今も昔も、自分が好きなカラーを選ぶのではなく、そのクルマに合う色を選びたい、という思いがある。エリーゼの流れるようなボディラインを生かすカラー、特別なクルマにはどうせなら派手なカラーを選びたいと思い、クロムオレンジを纏うエリーゼが販売されているのを発見した。当時は正規ディーラーであったオートトレーディングにそのエリーゼはあった。購入した当時は09年で、販売されていたのは08年モデルだったことから、LCIから割引クーポンなるものが発行されて値引きされていたことと、好みのカラーということもあり、契約に至った。545万円だったと思う。人生最大の買い物だった。今思えば若気の至りだと思うが、思い切ったことで得られた楽しい思い出や、大げさに言えば生き甲斐などを考えると、買ってよかったと本当に思う。
真夏の8月に納車。積車に載せられてきたエリーゼの姿、月極駐車場のスロープにボディが擦らないかを汗だくになりながら営業さんと二人で確認したことは忘れられない。

Posted at 2022/04/23 19:03:56 | |
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