本日にマツダが発表したファミリア(BG系)とクロノス・アンフィニMS-6(GE系)の中間に位置づけられるサッシュレスのピラードハードトップ採用のブランニューモデルの4ドアセダン(海外では323アスティナハードトップとして販売)とBG系ファミリアアスティナ後継で海外では「323F(BA系)」として販売される4ドアクーペを用意するグローバルCセグメントカー(現在の基準ではBCセグメントに相当)のマツダランティス(CBA系)の発表から30周年を経過しました。
概要
従来、5ナンバーミドルサイズを担っていたカペラ(GD系)の3ナンバー化によるクロノス・アンフィニMS-6(GE系)への移行により空白となった「CDセグメント」と言われる5ナンバーミドルを担う車種で当初は「アンフィニMS-5」として企画されたブランニューモデルの4ドアセダン(海外では323アスティナハードトップとして販売)と当初は「ユーノス200」としても企画されたBG系ファミリアアスティナ後継で海外では「323F(BA系)」として販売される当初は「ニューツーリングカー選手権」と言われた「JTCC(全日本ツーリングカー選手権)」などのツーリングカー選手権出場を視野に入れた4ドアクーペが用意されて世界最高のボディ剛性と1994年4月(平成6年 継続生産車は1996年1月から適用 平成8年)からの新規型式認定車に適用義務化される1994年50㎞新前面衝突基準をはじめに50㎞後面追突や北米基準の54㎞側面衝突基準と言われる世界最高レベルの衝突安全基準へ対応するサッシュレスドアでありながらセンターピラーを備えるピラードハードトップボディと1994年発売のファミリア・日本フォードレーザー(BHA系)にも採用されるCBAプラットフォームが採用されて5チャネルだった当時のマツダでもマツダ店をはじめにアンフィニ店(現マツダアンフィニ店 一部地域のみ存続)とユーノス店(現在は消滅)の3店舗併売体制となっていた。
ボディ設計
ボディ設計についてはセダン・クーペ共にサッシュレスドアでありながらセンターピラーを備えたいわゆる「ピラードハードトップ」でも徹底したコンピューター解析と高張力鋼板により軽量化を実現しながらも世界最高レベルのボディ剛性を実現した「スポーツボディ」の採用をはじめにKF-ZE型V62.0DОHC24Vエンジンを搭載するCBAEP型2.0V6にはストラットタワーバー(4ドアHTクーペにはリアにも採用)の採用やセンティア・アンフィニMS-9(HD系)に匹敵する遮音静粛性の実現。
さらには2605㎜のロングホイールベースとショートオーバーハングの実現、空力性を高めるエアロパーツや世界最高レベルのボディ・シャシー防錆処理の実現が行われた。
パワートレーン・シャシー
パワートレーンについてはマツダの横置き用V6エンジンの「K系シリーズ」でも世界最高レベルの回転性と吹き上がり性能が評価と専用チューニングにより170psに出力が向上したKF-ZE型2.0V6DOHC24VエンジンのCBAEP型2.0V6への搭載をはじめにCBA8P型1.8には低速トルクと経済性が優れたBP-ZE型1.8直4DОHC16Vの搭載やトランスミッションは「HOLDモード」が備わる4EC-ATと操作性を高めた5速MTが用意された。
シャシーについては1994年発売のファミリア・日本フォードレーザー(BHA系)にも採用される2605㎜のロングホイールベースと限界能力の高いCBAプラットフォームの採用をはじめにマツダのFF車ではBD系ファミリア以来長年使用されている「SSサスペンション」と言われる4輪ストラット式独立懸架の採用やアスベストを使用しない4輪ディスクブレーキ(CBAEP型2.0V6には大径ローターを採用)と2.0V6タイプR(CBAEP)には205/50R16インチハイグリップタイヤ/16インチアルミホイールが採用された。
セーフティ・エコロジー
パッシブセーフティについては国内向けマツダ車としては初の助手席SRSエアバックを備えたデュアルエアバックのメーカーオプション設定をはじめにダイレクトクランプとテンションリューザーを備えた後席中央部を除くELR3点式シートベルトと警告灯の採用や厳格な衝突実験やコンピューター解析とフレーム設計の適正化をはじめにサイドインパクトバーやシートアンダーボックスとより安全性を高めたロールオーバーバルブ採用の燃料タンクの採用により1994年4月(平成6年 継続生産車は1996年1月から適用 平成8年)からの新規型式認定車に適用義務化される1994年50㎞新前面衝突基準をはじめに50㎞後面追突や北米基準の54㎞側面衝突基準と言われる世界最高レベルの衝突安全基準に対応した衝撃吸収安全設計ボディが採用された。
アクティブセーフティについては雨水処理対策としてレインガターモールとドアミラーの外周に3mmのガターの装着をはじめにベーシックグレードの1.8タイプS(CBA8P)を除き4センサー3チャンネル方式の4W-ABSのメーカーオプション設定やさらに2.0V6タイプR(CBAEP)にはビスカスLSDの4W-ABSのメーカーオプション設定とハイマウントストップランプ・プロジェクターヘッドライトの標準化が行われ4ドアHTクーペにはさらにリアワイパーの標準装備、フォグランプ(CBAEP型2.0V6タイプRに標準 その他グレードはディーラーオプション)の設定が行われた。
エコロジーについてはエアコンの冷媒にオゾン層の破壊の少ないHFC R134a「代替フロン」の採用(ディーラーオプションのCBA8P型1.8タイプSを除き標準 CBAEP型2.0V6とCBA8P型4ドアHTセダン1.8タイプXにはフルオートエアコンが標準)をはじめにリサイクル素材の使用と廃車時リサイクル率80%以上可能化や樹脂パーツへのマーキング実施とアスベストの全廃が行われました。
年表
1993年
8月 発表
9月 発売
荒木真樹彦氏が手掛けるCMイメージソング「LANTIS~誘惑の未来~」発売。
1994年
2月 テレビ朝日系「木曜ドラマ・新空港物語」第5話以降の劇用車にマツダがスポンサーとなったことから4ドアHTセダン2.0V6タイプR前期Ⅰ型(CBAEP)を起用。
新社会人向け特別仕様車4HTクーペ1.8タイプGリミテッド(CBA8P)発売。
4月 1994年シーズンから開始される「JTCC(全日本ツーリングカー選手権)」に4ドアハードトップクーペ2.0V6タイプR(CBAEP)ベースのツーリングレーシングカーが出場するが専用チューニングエンジン「KF-X」のフロントヘビーから1994年シーズンのみで1995年シーズンはBHA8P型ファミリア4ドアセダンベースのツーリングレーシングカーに変更、マツダは1995年シーズンをもって経営不振によりJTCCワークス撤退(プライベーター車両は1996年シーズン以降も出場)。
6月 「JTCC(全日本ツーリングカー選手権)」1994年シーズン出場記念として4ドアハードトップクーペ2.0V6タイプR(CBAEP)に専用大型スポイラーやフロントスポイラーなどのエアロパーツとレイズ製16インチアルミホイールなどの「ツーリングキットAスペック」が装着されたマツダスピードバージョン(CBAEP)が限定発売と既存4ドアハードトップクーペ用の「ツーリングキットAスペック」が発売。
9月 発売1周年記念4HTクーペ1.8タイプGスポーツ(CBA8P)発売。
10月 一部コストダウンが実施された1995年モデル言っていい前期Ⅱ型へ移行、4ドアハードトップクーペにシルバーストーンメタリックが用意される。
1995年
7月 バブル崩壊の長期化とマツダの経営不振によるコストダウンが実施されてデュアルエアバッグのメーカーオプション価格が引き下げられた1996年モデルと言っていい中期型にマイナーチェンジ、同時にキャッチコピーが「ランティス・アピール」から「THE SPORTS BODY」に変更される。
1996年
6月 バブル期に住友銀行(現三井住友銀行)主導により進められた5チャネル計画の失敗に代表されるバブル崩壊の長期化によるマツダの経営危機により米国・フォード・モーターのマツダに対する資本関係の強化を行い傘下化をはじめにさらなるコストダウンとグレード削減が実施されて運転席SRSエアバッグと4W-ABSが標準化された後期型二マイナーチェンジ、同時にキャッチコピーが「THE SPORTS BODY」から「スポーツボディの約束」に変更される。
1997年
7月 当時の親会社である米国・フォード・モーター主導の車種削減を行う経営再建をはじめに4HTセダンであればサイズの近いカペラのGF系へのフルモデルチェンジによりランティス(CBA系)は生産終了、輸出用で欧州では好調で北米を除きグローバル展開される「323F(BA系 4ドアハードトップクーペ)」とアジア・オセアニア向けの「323アスティナハードトップ(BA系 4ドアハードトップセダン)」の生産は継続されて「323F(BA系 4ドアハードトップクーペ)」はマツダ3ファストバック(BP末尾S系)の先祖であるファミリアSワゴン(BJ末尾W系)に引き継がれる。
CBA系ランティスについては各車種の専売チャネル化を実現したマツダ5チャネル計画完了後のオートラマ(1994年から屋号はフォード店 1997年からフォードセールスジャパン その後、フォード自動車日本 通称日本フォードとの統合により米国・フォード・モーターの100%出資の米国法に基づく直轄子会社フォード・ジャパン・リミテッドへ移行 現在は撤退済み VTホールディングス傘下のピーシーアイがフォード・サービス・ジャパンとしてアフターサービスを実施)とオートザム店(現マツダオートザム店)を除くマツダ店をはじめに旧マツダオート店のアンフィニ店(現マツダアンフィニ店 一部地域のみ存続)とユーノス店(現在は消滅)の3店舗併売車種と言うことからセールス・ユーザー共に大きく期待されCBAEP型2.0V6に搭載される5ナンバーFF横置き車では数の少ない6気筒エンジンのエンジンのKF-ZE型2.0V6DOHC24Vエンジンをはじめにクラス最高レベルのボディ剛性・衝突安全性・防錆処理や4ドアハードトップクーペの独創的なデザインが評価されて発売当初は好調なセールスを記録しましたがその後は当時全盛期のRVブームにより人気の高い4WDやステーションワゴンのラインナップがないことをはじめに4HTセダンはファミリアのBHA系へのフルモデルチェンジやクロノス兄弟ベースのCG2系であるが「カペラ」の復活や4HTクーペは5ドアハッチバックセダンのジンクス、DW系デミオ発売以前の一部を除くマツダ車全体に当てはまる話ですがマツダを経営危機に追い込み2008年のリーマンショックまで米国・フォード・モーター(現在のマツダはトヨタ自動車と包括提携・一部OEⅯの実施)との資本を強める結果となった5チャネル作戦の失敗によるマツダグループのイメージ悪化により国内販売の低迷が続いたと思います。
当時はマツダが経営危機と言うことから実際には実現しないと思うことですがCBA系ランティスにクーペに近いステーションワゴンである「シューティングブレーグ」が個人的に用意されればいいと思いましたが仮にフルタイム4WDを用意するのであればエンジンルームの関係から2WDと異なり北米用と教習車同様のロングノーズが採用されたBHA系ファミリア4ドアセダン4WD(BHA6R/7R型)同様にエンジンスペースの関係から4HTセダンのノーズが必要で仮に発売されればバランスの悪いデザインと言われたと思います。
海外ではファミリア5ドアハッチバックの役割を引き継ぐ事実上の先代「ファミリアアスティナ(BG系)」同様に「323F(BA系)」として販売されたランティス4ドアハードトップクーペの系譜はファミリアSワゴン(BJ末尾W系 4HTセダンの役割はBJFP型スポルト20が受け継ぐ)が受け継ぎ、その後はBK系からは海外では「3」として販売される「フォードC1プラットフォーム」を採用のグローバルCセグメントカー「アクセラ」でもスポーツがCBA系ランティスであれば4HTクーペの役割を引き継ぎセダンが4HTセダンの役割を受け継ぐBK6FJ型セダンであれば教習車としても多く使用されて2009年はキープコンセプトのBL系にフルモデルチェンジを行い2013年には2014年発売のBM6FJ型教習車を除きKE系CX-5以降のマツダ車に採用される新開発プラットフォーム(SKYACTIV-CHASSIS)やSH-VPTR型2.2クリーンディーゼル(BM2FS/FP/AS/AP BM2AP/AS型AWDは2016年マイナーチェンジ時に発売)に搭載と6EC-AT/6MT(BM6FJ型教習車を除く)に代表される「フルSKYACTIV TECHNOLOGY」をはじめに「マツダコネクト」と言われる専用ナビや「MRCC」と言われるレーダークルーズコントロールなどの豊富な「ADAS」と言われる運転支援システムを採用するBM/BY系にフルモデルチェンジを行い2019年には「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」と言われる新世代車両構造技術をはじめにBPEP/BPEK3R型には「SKYACTIV-X(e-SKYACTIV-X)」と言われるマツダ独自の火花点火制御圧縮着火とマイルドハイブリッドHF-VPH型2.0が搭載されるグローバル統一通称名の「BP系3」に移行ししたが海外では特に北米では「SKYACTIV-Gターボ」と言われるPY-VPT2.5直4ガソリンターボを搭載する25Tシリーズ(BP5FPと思われる)を用意するなど積極的なラインナップですが「三密」回避のためにマスメディア主導により一時的にマイカー論が高まった「COVID-19(SARS-CoV2)」と言われる「コロナ2019」により発生したコロナショック以降顕著となった同一アーキテクチャを採用するDⅯ系CX-30などのクロスオーバーSUVが強い日本ではBP末尾R系と言われる後期型はセダンのラインナップ整理を行うなど低迷が続きマツダ自体も「CX-60(KH系)」からFR縦置きベースの「ラージアーキテクチャー」と多くのグレードにマイルドハイブリッド搭載を含めた自社開発直6ディーゼル・ガソリンエンジンを採用するDセグメント以上のクロスオーバーSUVをリリースする予定ですがFF横置きベースの「スモールアーキテクチャー」の技術的進展は日本国内でも少量販売されている「MX-30(DR系)」に化石燃料を使用しない「BEV(DRH3P)」と言われる電気自動車仕様と現段階では欧州向けが発表されている「e-SKYACTIV R-EV」と言われる「8C型」ロータリーエンジンを「レンジエクステンダー(小型発電用エンジン)」用に搭載と充電により蓄えた電力のみで走行できる「PHEV(プラグインハイブリッド)」仕様をリリースする以外は少なくクロスオーバーSUV以外のマツダのラインナップでは「CAFE」による燃費基準の強化と将来的な「CASE」と言う自動運転化と電動化への対応は他メーカーに比べて遅れていることから課題が出てると言えます。
今回の画像については本日発表30周年となったCBA系ランティスを特集します。
1枚目の画像についてはCBA系ランティスでもサッシュレスドアを採用するいわゆるピラードハードトップとハッチゲートの4ドアハッチバックボディを持つ4ドアハードトップクーペの最上級グレードでKF-ZE型2.0V6DОHC24Vエンジンの搭載と16インチハイグリップタイヤ/アルミホイールを備え新安全基準第一号認定により超ショートオーバーハングでも高い追突安全性とスパークルグリーンメタリック塗装が話題となったマツダランティス4ドアハードトップクーペ2.0V6DОHC24VタイプR(CBAEP 前期Ⅰ型)です。
2番目の画像については前期Ⅰ型(1994年モデル)4ドアハードトップセダン2.0V6DОHC24VタイプR(CBAEP)がテレビ朝日系「木曜ドラマ・新空港物語」第5話以降に劇用車として使用されたマツダランティス4ドアハードトップセダン2.0V6DОHC24V(CBAEP型前期Ⅱ型1995年モデルもしくは中期型のタイプR/タイプXと思われる)です。
3番目の画像についてはCBA系ランティスでも一部コストダウンが実施された1995年モデルと言っていい前期Ⅱ型で4ドアハードトップクーペの通常グレードに4HTクーペ特別仕様車「1.8タイプGリミテッド/スポーツ(CBA8P)」で好評だったシルバーストーンメタリックが用意されたマツダランティス4ドアハードトップクーペ2.0V6DОHC24VタイプR(CBAEP 前期Ⅱ型)です。