クランクケースの減圧最終章 私個人の感想
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
長らくクランクケースの減圧と向き合ってきました、さまざまな目線から減圧を考案してきましたが、結局スタンダートなインマニ負圧を利用した純正のクランクケース掃気システムを利用する事にしました。
つまり、吸気ラインにブローバイガスを混流させなければならないので、しっかりとしたオイルセパレーターが必要になりました。
そこで私はこのように工業用のミストセパレータを改良して取り付ける事にしました。
ターボ車でエキマニ付近に流れる排気負圧で引っ張るのはタービンが邪魔して一時排圧により不可能とわかりましたので•••
その他にも走行風を使った負圧や、タイヤハウス内に流れる負圧を利用しようとしました、また強制ファンによる負圧も考えましたが、安定してうまく減圧はできなかったので。
2
オイルキャッチタンクのところでも申し上げましたが、まず、ブローバイガスの経路にオイルキャッチタンクを割り込ませる際は絶対抵抗になってはいけない。
これは絶対ルールだとおもいます。
世間一般で売られているオイルキャッチタンクというのはどうもホース径が細すぎると思っています。
確かに、インマニ〜PCV〜クランクケースのサイズなら問題はないんでしょうが、エンジンヘッドやクランクケースからの直からだとホースが細いように思えます。
クランクケース掃気型の車はPCVとサクション部に戻る2系統のブローバイ経路があるわけですが、よくオイルキャッチタンクをどっちの経路につけたらいいか、と言う話がありますが、サーキット全開のマシーンで横転の時のオイルキャッチなら流れやすいサクション部です!となりますが、おそらく大概の方々は単純に綺麗な空気をエンジンに吸わせてあげたいからと言うエンジン労り派の方だと思います、なのでそんなの問答無用で2系統どっちもというのが私の答えであり、PCV側だけとかサクション側だけつけても効果の程は?とう思います。
NAの場合は基本的にインマニ圧が大気圧以上になることは稀ですので、PCV側につけておけばいいのではないかなと思いますが。それでもアイドリング時やスロットル全開になると大気圧に近くなりますし、アクセル全開でぶん回して一瞬アクセルをまたアクセル全開なんかにする時はNAでもインマニが大気圧を越えるのでなんとサクション部にブローバイガスがまわってしまうんですよね。
なのでNA車両であっても綺麗な空気を吸わせたいと言うことであれば2系統どちらにもオイルキャッチタンクを装着するのが良いと私は思います。
ターボ車に関してはお解りの通り過給するとインマニは正圧になりまし、過給時はブローバイが出やすいですから多量のブローバイガスがサクション部にまわってきてしまいますので、やはり2系統に取り付けるのが良いと思われます。
そこで、取り付ける場合は純正ホースより細くなく、太くもなくが良いと思います。
細いといけないのは言うまでもなくですが、太くなくというのは太すぎると流速が落ちます、そうなるとホース内にブローバイガスが溜まり排出の妨げになる可能性があるからです。
インマニ負圧により減圧している際はクランクケース〜ホース〜オイルセパレータ〜PCV〜インマニと減圧されているので強制的な流れができていますが、いざ過給圧をかけるとなるとインマニ負圧が取れないわけですから、ブローバイガスの排出圧力のみでブローバイ配管を通っていかなくてはなりません。
ブローバイガスは何もインマニだけではなくてエアクリーナーのところだったり、エアクリとタービンの間のサクション部に必ず戻しています、これは過給時にはエアクリに戻っている物はエアクリから吸われる吸気に一緒に吸わせてしまおうとしていて、サクション部ではタービンの吸引に引かせようとしているのです、またサクション部ではエアクリーナーボックスは基本的には多少なりの抵抗になっていますから、タービン吸引力によってサクション部に負圧がかかるので、効率よくブローバイを抜くことが可能です。
が、大概の人たちはエアクリーナーをキノコやらに変えてしまったりしてしまい、純正ほどサクション部には負圧がかかりませんので、過給時にはそれほどブローバイガスを吸い出せていないでしょう。
また、私のように減圧している場合、過給が終わり、インマニ負圧が発生した場合にすぐさまクランクケースを減圧するにしてもレスポンスが変わってきてしまいます、太くて長いホースではホース内空間が多くなりますからその空間を負圧にするには多少時間がかかると私は思います。
また、基本的ホース内を流れる流体の流れを変化させるのは中々大変ですので、細すぎないことはもちろんのこと太すぎない事も重要だと思います。
しかし、これには矛盾が生じてしまうのです。
効率面では短い方がいいとは思うのですが、オイルミストを効率よく分離するには長いホースでもってオイルキャッチタンクをエンジンから遠くに置いて冷えるところにおいた方がガスが冷えることで分離しやすくなるのです。
でも。そんなスペースがある車はいいでしょうが、世の中にはエンジンルーム内がパンパンな車も少なくありません。
そうなるとそんな冷える位置なんて考えてられないしブローバイホースを狭いエンジンルーム内に這わせるのさえ大変なんですよね。ということで、なるべく高効率に分離してもらうしかないわけです、そこで今回私が用意した工業用オイルセパレーターは入り口と出口のサイズは大きいもの筐体は小さなものにしました。小さくても装着しているフィルターはしっかりとしている物です。
ミストセパレーターというくらいですから、その効果はかなり高く、セパレータ前のホース内はオイリーで湿っているのですが、セパレーター後のホース内部はさらっとしていてオイルを感じません。
しかし冬なんかはしっかりと水分が溜まっていることからオイルキャッチとしての効果も高いと言えるでしょう。
3
さて、オイルミストの分離が整ったら今度はクランクケースを減圧する方法になりますが。
これも最初は1/2の工業用のワンウェイバルブを使って減圧しようかと思ったのですが、対応圧力が結構高めで低い流圧では開かなかったり、ブローバイガスも脈動があるので、その脈動にうまく追従しないっぽいんですよね、また実際負圧計をつけてクランクケース内圧を計測したところ、工業用ワンウェイバルブではインマニ圧が正圧の際にクランクケース内圧力も正圧になってしまっていました。
排出する際に抵抗になってしまっているみたいです。
そこで、やはり巷で売っているいわゆるクランクケース減圧用のリードバルブの入っているお高いワンウェイバルブを使わなければならないのかな•••?と思ったのですが、そもそも4輪用はあってもなんかサイズが合うかわからないし無駄に高いのでこんなの使ってられないなと。
そこで、2ストバイク用のリードバルブを用いる事にしました。
またサイズがいい感じだったんですよね、これならバイクからすると吸気用の用のリードバルブですから、吸気抵抗になったらこまるわけですからそこそこに内部も考えて作られているでしょう。
ちなみにこのバイクはですね、プジョーの104というバイクのものらしいです。
結構古いバイク見たいですね、っていうか2ストっていう時点で•••。
取り付け場所は迷いました、というのは嘘で取り付けられる場所なんか限られているのでいかにその場所にホースを這わせるかの方が迷いました。ホースだってなるべく曲がりがなくて、なおかつ継ぎ接ぎがない方が抵抗にならないわけです。
その辺も考慮しつつこんな形で取り付ける事にしました
リードバルブがなぁ•••形がでかいですね、もう少しスマートであれば•••。
まぁでもそんなに欲は言ってられないのでどこかで妥協をしなくてはなりません。
ちなみに、写真を見るとわかってもらえる人はわかってもらえるかもしれませんが、ブローオフバルブからサクションに戻るホースの途中にブローバイガスのホースを組み込んでいます。
TT8Nの前期しか確認したことはないのですが、ブローオフの吹き返しは一見サクションパイプの上流に入っているように見えますが、サクションパイプ内部で隔離されてそのままタービンの手前付近まで流れるようになっているんですよね。
これはおそらくですが、過給中はタービンが回転していますが、アクセルオフした時タービンの回転数が落ちるわけですが、ブローオフを戻してタービンに吸気側から再度当てることでタービンの回転数を極力落とさないようにしているのではないかと思われます。ということで、このブローオフのホースに混ぜることで、過給時はタービンの吸入負圧を用いてブローバイガスを積極的に抜き、アクセルオフ時にはブローオフがリターンする際の流速に乗ってブローバイガスを抜き去りやすくしようと思いました。
4
今現在、クランクケース内圧をこれまた工業用の連成計でモニターしていますが、負圧走行時は最大負圧−26.3kPa、アイドルやエンジンブレーキ時にこのくらいになっているので、走行中は-18.4kPaとか変化はありますが、基本的に減圧してくれています。過給した際は0.02kPaで済みました、これはほぼほぼ大気圧です。
本当は過給時でも負圧を保ちたかったのですが、そうは問屋が卸さないとはこのことでうまくはいきませんでしたが、それでも大気圧なら気になりません。
ちなみに大気解放してる時は如何なる時でもクランクケース内圧は0.09kPaほどでした。まぁほぼほぼ大気圧なんですけど。
5
現在の私の1.8Tエンジンのブローバイガスの流れを書いてみました。
これは負圧走行時です。
1.8Tはクランクケース直とエンジンヘッドからと2系統出ているのでそれを統合してミストセパレーターにぶっ込んでその後のPCV行きとサクション行きに分けサクション側にはリードバルブ式のワンウェイバルブを取り付けてインマニ圧が負圧の時はクランクケースを減圧するようにしました。
6
これが過給している時のブローバイガスの流れです。
クランクケースとエンジンヘッドからミストセパレーターに入ったあとはリードバルブを超えてタービン手前までブローバイガスが流れてタービンの吸入負圧でブローバイガスを吸い出してもらいます。
7
体感ですが、好みが別れるんじゃないかと思います。
正直減圧をしない方がパンチがあるように思えます。
ただ、エンジンを回していくと雑みを感じると言いますかちょっとザラつきがあるように思えます。
減圧をするとパンチ感がないのですがシルキーさがあるように思えます。なめらかに回ってく感じです。
不思議なのは過給した時です、過給してる時はクランクケースの減圧は関係ないはずなのですが、なぜだかパワーに満ち溢れていると言いますかもしかすると負圧領域からの立ち上がりがスムーズに上がるからなのかもしれませんがグワーッと盛り上がってくる感じと言いますかこれこそターボパワーだなと言った感覚です。
しかし、正直なところ、この変化は微々たるものでやはり直列4気筒では減圧の恩賜はそこまでだなと思われます。
なぜなら通常の4発ではクランクケースの容積は変わらないからです。ただ、クランクケース内で滞留すること無く、排出されてくフローが出来上がっているだけでも効果はあると思います。なぜなら排出だけに任せた待機解放ではクランクケースの中のガスは出口を探して滞留して出口から出ますが少しでも吸われていればそこが出口かってことでそこに向かって流れ出るので排出されやすくなります。そういう意味ではやたら無闇に減圧しても逆に抵抗になる(真空になってる注射器のピストンを抜くのは結構大変です)と思われるのでいい感じの負圧を保つのがベストだと思います。
また、この減圧を行うために使うワンウェイバルブは必ずPCVを使わないといけないということです。
仮にインマニ圧がエンジンブレーキ等ですごい負圧がかかってる場合、ただのワンウェイバルブだとその負圧が全部クランクケースを減圧するのでクランクケース内が凄まじい負圧に晒されてしまいますので、オイルのキャビテーションや、オイルポンプの吸い出し量の低下、シール類のエンジン内への引き込み、エンジンブレーキが効かなくなる。
アイドリングが怪しくなる。←これはスロットルが閉じてるのにインマニ圧がかかってる限りワンウェイから空気を吸い続けてしまうからアイドル回転数があがりますよね。
等の弊害が起きます。
PCVの何が素晴らしいかは既に周知の事ですが、圧力に応じて適切なバルブ開放を行ってくれながらも強すぎる負圧がかかった際は遮断してくれる所が優れているのです。
つまり、エンジンブレーキ時などの真空圧に近い圧力の際はバルブを閉じてくれますし、アイドリング時の負圧はだいたい.0.7kPaくらいでしょうか、そのくらいの時はかなりバルブを狭めてくれているわけです。
ですから、減圧を試みるのであればPCVを用いることです。
因みに、気がついた人がいるかもしれませんが、私が作成した図に、サクションからインマニにPCVを取り付けて接続されているのですが、通常のクランクケース掃気型は負圧走行時にはサクションから新鮮な空気を1度クランクケースに取り入れてクランクケース内のブローバイガスを一掃してPCVからインマニに入るわけです。
いつもきれいな空気でクランクケースが満たされることでオイルの劣化を防いでいるのですが、減圧してしまうとその機構は死んでしまいますよね。
私は別にきれいな空気をクランクケースに入れられなくてもいいのですが、そんなことよりもPCV越しに新鮮ではありませんが多少なり、スロットル以外のところからも空気を吸っているという事実がなくなってしまうということが。
もしかすると、アイドル時は微々たる流量だとしてもアクセルを少しでも開けたら負圧の力が弱まりPCVが大きく開放される、となるとインマニ内に入る空気はスロットルからと開放されたクランクケース越しの空気が入ることになるわけで、恐らくその辺りもECU計算されていると思うので大事なことでは無いかな?ということでそれに似たような機構を付けたのです。
次回は、このクランクケースの減圧をブイツインマグナにやってみようと思います。
クランクケースの減圧は排気量の小さいエンジンほど馬鹿にならないと思うので。
如何せんこのVT系の90度Vツインのピストンの動きがどういう動きなのか分からないのがあれなんで、今調べてる途中なんですが、どなたか知りませんかね。
片バンクが上死点にある時は片バンクは下死点ですか?それとも上死点なんでしょうか?
サウンド的に不等間隔爆発ではなさそうな音なんですよね。
分からないですね。
とりあえずやってみて変化を楽しんでみることにしますか。
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