E92 M3 のハンドリング

M3のハンドリングに関して、踏み込んだ内容の記事は多くありません。
大概は、他車と比べれば良好な50:50の重量配分による素直なターンイン特性であったり、
電子制御により減衰を3段階に変更できる可変ダンパー(EDC)の動作のコメントであったりします。

中には、サスペンションの構造やセッティングに起因する特性をコメントしている記事もあります。

CAR GRAPHIC 　APRIL 2008 より。
　　「EDCのスイッチでノーマルを選択し、サーキットを走ると、そのロールマナーは
　　　かなり違和感を覚えるものとなる。
　　　横Ｇの高まり方がロールの増減に対してリニアではなく、バンプラバーに達した瞬間、
　　　外輪にいっきに荷重が集中する傾向があるため、ドライバーは繰り出すべき舵角を
　　　あらかじめ計りにくい部分もあるのだ。ステアリングは情報量に富むと前述したが、
　　　これは外輪に荷重がしっかりと乗った状態での話で、そこに至るまでの過程では
　　　希薄な部分もあって必ずしも一定とは言えない。
　　　これらの不満点はEDCでスポーツモードを選ぶとある程度改善されるが、
　　　今回のようなウェット路では外輪へ荷重が集中するロール設定は、どうしても挙動が
　　　神経質なものとなり、扱いやすいハンドリングとは思えなかった。」
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柔らかい長いスプリングをギューっと縮めて、減衰の高くないショックと組合せ、乗り心地と接地性を確保しようとすると、こんな動きになるのでしょうか？
内輪は長いスプリングが伸びて、タイヤが路面を離れない。
外輪はというと、柔らかいバネが高荷重を支え切れないので、バンプラバーで底付きしないようにストロークを規制する。

GENROQ 　OCT 2007 より
　 　「個人的に嫌いなアシのフィーリングが高速域で見事に露呈した。
　　　ストローク長が無さ過ぎるダンパーがボディの上下動を抑え切れず、
　　　大きなうねりではボディが跳ねてしまうのだ。」
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BMWER(ビマー) vol.01 　(2008年12月)より
　 　「前が流れ、さらに、ケツが出るような領域に踏み込むと、バンプラバーをストッパーに使って、
　　　もろに路面の荒れを拾って上屋(ボディ)が動く、そして、旋回軌道が乱れる。
　　　それを、修正舵で抑え込む。
　　　(そんな運転ができる)ちゃんとMだよE92も。」
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高いGが掛かって、サスがストロークしていくとバンプラバーで荷重を支えることになり、
路面が荒れているとリジッドサスのようにボディが揺さぶられます。
東名の御殿場に行く途中の荒れた高速コーナで、この動作が顕著に表れます。
横Gが最大限になったところで、サスが底付きしたように、ドカンドカンと衝撃が伝わります。

特選外車情報 F ROAD　 JAN 2009 より
　「GT-Rは、100キロ巡航でも全然飽きなかったですけど。」
　「やっぱ接地感ですよね。
　　この巨体と重量、フロントヘビーのバランスに対して路面インフォメーションがまったく足りない。
　　足りないけど、車はちゃんと重いなりデカイなりに物理的にイナーシャがついて
　　動いちゃうわけだから、運転しててなんとなく心もとないのは当然だ。
　　だから充実した操縦感がないんですよ。
　　すべてが絵空事のようなんですね。
　　このビーエムは全然『フロイデ・アム・ファーレン』じゃない。
　　　(BMW車の古い標語で『運転する喜び』のこと) 」
　「GT-Rは、ゆっくり走ってても操縦感ありますもんね。」
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GT-Rと比較するからか、それとも、そもそもステアリング・フィールが希薄なのか。

とは言っても、素直な操縦性はコーナリングの楽しみを大いに与えてくれる、今や貴重なハイパワーNA後輪駆動車です。
もちろん、気に入っています。