そもそもは、この事故において、私もバイクとの衝突でバスが動くとは考えられませんでした。初期の頃は、運動量保存の式で、バスを10t、バイクを250kgとかで計算したりしてましたので、衝突後に一体となるにしても2km/h程度の初速しか得られないという結果に、動くなんてあり得ないと思ったものです。
しかし、衝突箇所がバスの前端部分。前輪のみが滑ったとしたらどうか、という話になります。また、軸荷重は前後比3:7程度だという話もあり、前軸荷重は2500kg程度だろうという話になります。
同時に簡単ながら力積計算をしてみたところ、数字の桁が大きいことに気づきます。
300kgの物体が100km/hだったら、衝突時間0.1秒なら8.5tの衝撃があったことになる。
高校物理もバカにできません。
私はここから深みにはまってしまいました。
最大静止摩擦係数が1.0を超えるのは、固体同士の世界ではあまり考えられません。いくらタイヤでも、1.0以上の数値で計算するのはレース用タイヤくらいでしょうか。最近のスポーツ系ラジアルタイヤならあり得るでしょうか。
即ち、2.5tのものを動かすなら、最大静止摩擦係数1.0でも2.5tあれば良いということです。
それなら、いくらボディの変形などによる損失や後輪による拘束条件があったにしても、8.5tもの衝撃があれば前輪くらいは滑るだろうと考えたわけです。
そこからの検討結果が、ここにある式群です。
掲示板での意見交換がなければ、このような計算をすることはできなかったでしょう。
いかに自分に物理のセンスがなく、自分に向いてなかったか、そしてそっち方面に進まなくて良かったかを思い知らされました。デキる人なら、こんなに時間をかけることもなかったと思います。
久々に受験生時代を思い出させてくれる、面白い計算でしたけど。
Posted at 2008/02/19 05:08:13 |
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