
これまではごく限られた地区で実証実験ということで運用され、色々な意味で注目を集めた「特定小型原動機付自転車」がいよいよ今月1日より全国で制度が開始されましたね。最も、今月の1日2日は土曜日曜でしたから実質特定原付としてナンバー交付が開始されたのが一昨日からということでしょうから、これからちらほらと街でお見掛けする機会も増えるのかも知れません。
先に色々な意味で注目と書きましたが、これもそうですし何でもそうですが何事においても新制度に歓迎される方も居れば拒否反応を示される方、或いは無関心と大体三パターンに枝分かれするのは必然。利用する・しないによってもそうですし立ち位置によっても色々ご意見あるでしょうが、私個人の意見と言うと
使い道によっては便利な乗り物になるのではないのかな?
と思っています。
いやいや、あんな小さな乗り物危なっかしくて仕方ないよとか、また車道の邪魔者が増えた(主に四輪しか運転しないドライバーの身勝手な言い訳)ですとかネガティブに考えると大体否定的な意見は形骸化していると言わざるを得ない一方で、無法者が何を勘違いしたのかルール無視の迷惑運転が悪目立ちすることの懸念もあります。ただ、それら意識の低い運転者によって乗り物そのものの価値を落とす様なことがあってはいけませんしそれであればそもそも乗り物ではなく悪者(要は悪質運転者)を糾弾すべきでなければいけません。自動車界隈でもよくお耳にするではありませんか?
何とかミサイル
ナニファード
等に代表されるあたかも車が悪いと言わんばかりのヘイトが。。。結局の所モノは意思を持ちませんからそれらを使って悪目立ちや悪質運転や重大事故を起こすドライバーが絶対悪。いつでもそうです、悪いのは使い方を誤る「人」であり「モノ」に罪はございません。。。こんな簡単な事すら理解出来ない愚か者が多く居る事が浅はかだなと感じる訳でこれは例外なく特定原付にも当てはまる事でしょう。
先程、使い道によってはと書きました。私がいいな、と考える使い道は決して人混みの都心部を縫うように走り抜けたり幹線道路を縦横無尽に走り回ることではありません。そう、私は
地方こそより安全かつ快適に使えるのではないのかな?と考えています。地方といってもそれこそピンキリで、都道府県庁所在地中心部に見る人や車両の往来が比較的多い場所ではなく郊外地、それこそ車通りや人通りの比較的少ない、要は田舎でその実力を発揮でき往来の少なさから比較的安全に運用することが可能ではないのかな(要はこれまでの車両との共存が容易に出来る)と考えています。
勿論、種類にも寄りましょうがキックボードスタイルであればそれこそ収納は下駄箱の隅に、使う時だけ外に出し最寄り目的地までの移動体に使うですとかであれば、保管場所に困る事も無く、盗難対策も同時に出来、何でしたら免許も不要ですから人力をほぼ使うことなく自走機能を有するツールとして活躍の場は広いのかな?と思う一方で、
四半世紀前に一大ブームを巻き起こした「キックスケーター」の終焉劇場
のようにゆくゆくはなるのかな?なんて懸念もございます。
お若い方はそれこそご存じない方も多いでしょうがその昔、自走機能を有しないキックスケーター(通称キックボード)の流行期がございました。その当時、10代から20代の若年層を中心にキックボードを愛用する者で街は溢れかえり販売当時は二万円近くで売買されているものもございました。時を同じくして公道でキックボードを使ってもいいのか?といった議論もあり(この件は随分と後に解釈が発表される)それが一過性のブーム終焉と共に街中で活用する人はぱったり姿を消し、本体価格も三千円程度まで値下がりを見せ、誰もが使わなくなった一方で今は子供が遊具として使っている様子はお目にすることはある程度。流行の負の側面である「飽き」の到来が早くそれから随分と時を経て原動機を搭載して市場にカムバックするとは誰もが想像していなかったでしょうが、ある意味復活を果たしたキックボード、今回も話題性は十分ですからその地位を築き続けられるのかも個人的には注目しています。
特定小型原付といいましても必ずしも立ち乗りのキックボードスタイルだけ、という事ではなさそうで、
座席を有するキックボード
三輪仕様のキックボード
自転車とうり二つな特定原付
等、出始め早々に多岐に渡り、車やオートバイのような誰もが知るブランドネームがあって販売されるものばかりでなく、海外メーカーやベンチャー等の新参までありますので中々選択し辛いこともありましょうが、それこそ想定されるユーザー様毎のお使い方次第で選択の幅が広いという事はある意味いい事なのかなとは思います。その一方で、
アフターメンテナンスが今後の課題にもなり得る
懸念もございます。
現状、多くはネット通販で売買されるケースが殆ど。店舗販売といいましてもまだ多くは無く、それこそ今後は家電量販店などにも陳列する事も予測されますが、使用の過程で故障が生じたら誰が直すの?といったことです。現状、販売元に送る位しか手立てもなく、街の自転車屋さんで修理が出来るとは到底思えません。或いは価格もピンキリで、安価に一桁万円台から高値で高価な原付と大差ない程ですからそれもびっくりですが、安価であればある程、故障や消耗部品の交換で高額の修理代が掛かるとそれこそ家電品を買い替えるのに躊躇がないように安易に捨ててしまうような気がしてなりませんが、電動化の宿命でもあるいずれ訪れる電池交換の際どのような判断をされるかでその個体の延命の有無が決まる事も多いのではないのかなと想像してしまいます。
とは言う懸念はあったとしても、それこそお車のトランクに積んでレジャービークルにするもよし、お近くに行くための簡単な足にするもよし、それこそマニアの如くピカピカに磨いて飾りにするもよし(電池劣化の問題はありますが)、楽しみ方は様々。ただ、偏見を持つ方も一定数居るのもまた現実としてありますので一般公道で使われる際にはルールを遵守しマナーを持って活用いただきたいものでございます。
もう小言でしかありませんが、不満と言えば対原付一種と比較し絶対的性能に著しい差があるにも関わらず、専用の標識を用意するにも関わらず、
税額は同じ年額2,000円
だそうですね。そもそもキックボードで税金獲るってどうよ?と思ったりもしますが、これがお上の魂胆の一つとも取れますし、何なら維持費変わらないならもう原付でいいじゃん?とも思う事も出来たりはしますが、原付には原付の、特定原付には特定原付の良さと言いますか棲み分けがあるのもまた事実。定かではありませんが来年度から自賠責保険区分に特定原付用が新設されるとかといった話も聞き及びます(保険料がどうなるかの言及はまだ先)。
熟考して煮詰まりすぎてから世に出すよりもスピード命で見切り発車が大好きな人間が多く、こと電動キックボードの特定原付制度においても今後めちゃくちゃ課題が出てくるとは思います。必ずしもスピード感が悪いのではなく、多くの方が簡単に想像できる良くない若しくは改善した方がいい状況を放置無視し強行施行した事で問題が生じれば、その課題で不利益を被るのは誰ですか?と言ったときもうお分かりですよね??利用する当事者であり不利益事案に直接的に関わらざるを得なくなった方たちです。。。
電動キックボードに限らず乗り物は便利であり楽しみや利益をもたらす反面、使い方を誤れば危険を伴う凶器にもなり得ます。簡単な乗り物だからと甘く見ず、ハンドルを握る以上責任が伴うといった自覚をもって誰もが模範的な運転を心掛けて頂きたいものです。
余談.、.ハードルは原付一種より高いですが、ひょっとすると自作魔改造特定小型原付なんかも物好きな方が作ってしまう・・・かもしれませんね、(;^_^A
Posted at 2023/07/05 20:30:03 | |
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