
愛車を選定するのに重要な点として重きを置く方が多いであろうポイント、その一つにデザインが挙げられると思います。私は車が表現するデザインはその時(つまり新車が販売開始された頃)の時代を大きく反映する要素だと見てしまうのですが、厳密な話しをすれば新車が販売開始された頃、ではなく世に発表される前、そのデザインが完成された頃の時代背景が表現されていると言う方が正しいのかも知れません。しかしながら、多くの人が現物としてお目に触れるのはリリース後の話しですからタイムラグがあろうとも今回の文面として認知認識は新型発表後と位置づけしておきます。
それこそ我が道を行く!という車両やメーカーもありますが、凡そは各メーカーが「今売れるであろうデザイン」として大体似たり寄ったりな出で立ちを採用する傾向にあります。角ばったフォルムが主流であればそれに右へならえ、流線形デザインが主流であればそれも右へならえ、といった具合に勿論細部の構成や表現方法は異なるために似て非なる商品とはなりますが、それであっても何処か同じ雰囲気を感じてしまうこともあるかも知れません。私が思うに今時代の代表的な例が
フロントグリルの大型化
ブランドイメージの統一化やハイブランドイメージの象徴、或いはお人によってはその迫力あるデザインからちよっと苦手だな・・・と思われたり、数は少ないもののその印象的な問題から品性の良くない方もお好みになられるようで時折問題行動を起こしメディアで報じられたりする様もお見掛けします。その様子から特定の車種を揶揄する表現がネット界隈で飛び交ってはいますが、
悪いのはドライバーであってその車種ではない
という事はしっかりと理解しておく必要がありそうです。たまごが先かニワトリが先かの話しではありませんが、そういった属性の低い方も好む傾向の強いデザインが問題なのか或いはそういったターゲットを見据えて企画しているのが良くないのか、最早どっちもだろ?と言わんばかりではございますが、おそらくですよ?売れに売れる顔面凶器と揶揄されるデザイン性のある高級車がそれこそ内容は同じでも素の無味的なデザインであったならば、
恐らくはここまで支持層を獲得していなかったであろう
と思われます。つまりはこういった
強面デザインが今の多くのユーザー層には刺さり属性の高い低いに関係なく多くの方がお好みになられているという結果であろうと思われます。これらを世に生み出した車種でかつ人気の絶えないモノは正にマーケティングの勝利とも言えるかも知れません。
一方で、そんな多くの支持者に受けているデザインであってもその反対で刺さらない層というのも一定数居るのは事実でしょう。それは好み云々のお話しですから正誤はないのですが、ではその刺さらない、否定的、拒否感を持つニーズはその対極、つまりは迫力を売りにせず威圧高圧的に感じないデザインを売りにするお車をお勧めします。ただですよ?よく聞き及ぶお話しで、
自分はこれ(優しい表情のお車)を選ぶけどパートナー(旦那さまやボーイフレンド等)には強面の新型車に乗っていて欲しい
等と言った最早論理破綻とも言えなくもない思考や希望を持つ方も居るようです。強面=カッコいいという発想なのかどうかは分かりませんが、その意思と相手の意思とが一致するならそれでいいでしょうが、対立するような事になればあとは勝手ご自由にといった感じです、爆。
小生が自動車のデザイン的な魅力が高いと感じるのは主に1980年代後半から1990年代終盤にかけて誕生から生産終了或いは時期モデルにバトンタッチする前の車両が今の自動車界隈を見ても最も魅力的なデザインが多かった時代だと令和の今でも感じています。勿論現行ラインナップであっても色々な意味で刺さる車はございますが、その台数がもう天地との差。平成初期頃は高級車であろうがスモールカーであろうがもうどれを選んでいいのか分からない(それだけ魅力的な車両が多かったの意)状況でしたが、今は選択肢が少なすぎて困るレベル。。。2000年代初期ごろに比べればそれは選択肢は増えましたがそれでも当時越えのレベルには到底及びません。あ、またお断りを入れておきますがこれら全てが
※個人の感想です
から現行車を否定するものでもなければそのユーザー様をどうこう言う気は毛頭ございません。そもそも論、ご存じの通り私はより多くの方々には新車を推し進めている立場の人ですから。
そんなちょっぴり?威圧的なフェイスの車とは裏腹にそれらを微塵も感じさせないどころか優しさを最大限表現したようなお車が過去にも今も存在します。デザインは去ることながらネーミングセンスも言えて妙なこともございます。こういったデザインはある意味時代に流されず普遍的な価値を持つような気がしてならず、いつの時代であっても何処かしらのメーカーから世に輩出されてくるような気がします。デザインだけなら愛嬌たっぷりのお車は他にもございますが、印象を含め車名にまで及ぶとなれば最近の車種でいくと
スバル プレオ 「ニコット」(2000年~2002年)

ネーミングセンスがまたド直球でして、ニコッと微笑んだという表現からつけられたものだそうですね。現存数はかなり限られますが、プレミア市場という感じではなくデザイン一目ぼれパターンであれば見つければ即買いレベルで確保しなければ近く市場絶滅が危惧される車種の一つでもありましょう。
ダイハツ ムーヴ「ラテ」(2004年~2009年)

笑って、笑って、ムーブラテ。のCM(ご存じの方居ます?爆)の通りであれば笑っての造語かと思いましたが実は名前の由来が「カフェオレ」たったんですね、爆。今もこれらのメインターゲットが若年女性を主としている場合が多くその層に刺さりやすい名前も重要、という事でしょうか。経過年数的にそれなりのタマ数がまだ確認でき、おそらく今が底値レベルでの流通ですから安価に可愛い雰囲気の車に乗りたい、と言われる層には今が狙い目でしょう。
これらは高圧的だとか威圧感はそもそも戦闘力として皆無で見る者、乗る者を笑顔にさせてしまうような特徴を持ちます。好き嫌いの分かれるデザインといえばどれもに当てはまるでしょうが同じ鉄の塊が表情一つでこんなにも印象が変わるのであれば私はきちんと棲み分けがあることは素晴らしいことだと思います。
そんな令和の時代に名前からしていかにもな車両、
スズキ ワゴンRスマイル(2021年~現在)

我が愛車のキャンバスと真っ向ライバル関係にある車種ですね。時代背景的なお話しをすると初代キャンバスがモデルチェンジを控えた最終年に近しき時期に登場しそれまで歩んできた牙城にメスを入れるべく投入されました。流石後出しじゃんけん!?初代キャンバスを研究した(のでしょう)結果、弱点と言われたポイントに手を加えこのカテゴリーの唯一無二を崩した訳ですが、そんなライバル関係に位置するスマイルをたまたま乗る事が出来ましたのでちょっと記録に留めておこうと思います。
先ずは外観。
ネット検索するときっと多くの人がお調べになられたのでしょう、とんでもない予測変換?が出てきます・・・。
おいおい酷すぎでしょ、爆。
私はそう感じませんが、多くの人間は見た目で判断する愚かな生き物です、はい。
全長3395㎜×全幅1475㎜×全高1695㎜、長さと幅はフルサイズ軽自動車のそれですが、同社の軽自動車と比較して全高がワゴンR<スマイル<スペーシアの順に高さが増してはいくものの差がワゴンRを基準とするとスマイルが+45㎜、スペーシアは+135㎜。どっちつかずと言えばそうとも言えますがその僅かな?サイズ違いでこれだけ表現できる世界が異なるのは素晴らしいの一言に尽きます。どれがいいのか?というのは目的ニーズによってベストが変わりますからそれはご自身の用途で検討ください。
内装
運転席に座った印象、前後左右方向の室内の広さに関して言えば現行キャンバスと同じように感じます。その一方全高がキャンバス比+20㎜~40㎜高い結果、室内高に随分とゆとりを感じます。高さをスペースとして有効活用できるかは疑問が残りますが、運転している上方視界の広さには貢献しているでしょうから体感的な広さが欲しいと言われる方はキャンバス<スマイルとなりましょう。ただ、つい先日発表されたスペーシアのお話を聞いてそうだったの?と思いましたが、
バーキングブレーキは足踏み式

電パ信者には拒絶反応必至ですが、つまるところオートホールド機能等の搭載もありませんのでそれらがマストと言われるのであれば候補対象から外れるのでしょう。個人的にはワイヤー式のパーキングブレーキの方が好みには合っていますが、先進性という意味で捉えると魅力に欠けると思われる方も居るかも知れません。
前席シートは座面が柔らかくふかふか感が強い印象。街乗り短距離移動に関して言えばこれは座り心地の良さをきっと体感できると思います。後席は乗車していないので分かりませんが、足元空間は広々。

前席と同じ程度であれば同乗者もきっとご満悦になること間違いないでしょう。
走行性能
走り出した瞬間気になりました…。
煩い、爆。
エンジン音が結構車内に入ってくるんですね。エンジン自体の特性なのか遮音材の問題なのかは分かりませんが、気にする方は気にするかも知れません。走りそのものは近年の軽自動車であれば街乗りレベルで常識的な判断が出来る方であれば先ず過不足は感じないでしょう。採用から随分と時が経つCVTもきっと熟成を重ねたのでしょう、いたってスムーズです。ただ、軽自動車としては重量級に値する車両重量が840kg~920kg。登坂路や高速道路の合流等、市街地走行とは的が外れるシチュエーションであれば余力が欲しいと思われる状況が訪れそうです。その点で言えば、軽量級軍団や過給機付きに軍配が上がるでしょう。しかしながら、自然吸気エンジン+CVT軽自動車の最大の強みといっても過言でない「燃費の良さ」。実測していませんので車種毎の性能は分かり兼ねますが、カタログ数値では到底図れない市街地での実燃費はきっとお財布に寒い思いをさえない堅実な結果となるでしょう。
全体的な印象
自動車と言うのは色々なニーズがあって然り、ボディサイズもありますし形状もありましょう。乗車定員が肝になる方も居れば経済性ありきな方、或いはブランド力から見栄体裁に重きを置く方もいて当たり前です。そんな中で普通のセダン形状でもなければスーパーハイトモデルでもない、言わばそれら二台のいいとこ取りした何といいましょう?Mサイズトールとでもいえばいいのかは分かりませんがこういった狭間に位置するモデルというのは結構ニッチなのかな?と思いきや市場に大きな新風を吹き込んだモデルですからある意味どの層にもそつなく受け入れられることでしょう。個人の感覚ですからどう思われるかは読み手次第ですが、普通のセダンモデルの軽自動車では手狭だな、でもスーパーハイトのような所帯じみた感覚はちょっとな、と思われる層にもおすすめできるモデルではないかな、と思います。
総評
デザインがどストライクな方、このクラス(Mサイズトール)で室内の広さに重点を置く方、経済性も大事な要素だとお考えの方、何よりスズキさんが大好きな方にはとてもおすすめできるモデルではないかな?と思います。見方によっては色々な方面で見る事も出来ます、電動パーキングの未設定についてもその分販売単価の圧縮に寄与しているとも言えますし、ターボモデル設定についても街乗り燃費を最重視するならば無い方が経済的であることは明白です。ライバル車や軽自動車の枠の中で敢えてスマイルを選択されるには、何処か拘りのある方やおしゃれ感も大事にする方も多いと思われます。ただ何となく選んだ…と言うような車種ではないでしょうからユーザー様各々の趣味趣向で大事にされれば宜しいのかなと思います。個人的にですよ、この車両の最大の特徴は聞いて誰もがほっこりするような
ネーミングだと思います、(;^_^A
Posted at 2023/11/24 17:10:16 | |
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