私が3人目かつ最後のオーナーとなるつもりで、2000年8月に約5万6千キロで購入。
そこから約22年半27万5千キロにわたり手入れをしながら乗り続け、2023/2/21撮影時点で走行距離は331,011km。
新たなご縁があって、2023年3月に私の元を去ることとなりました。
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R107(1971〜89)の最終期、1988年モデルEU並行/ドイツ本国フルパワーの500SLになります。
外装カラーはペトロール(877)が正式名。
明るい色でありながら独特の深みがあるブルーグリーン。
この時代の欧州車ならではの美しい色で、どこにいても特別に存在感のある、上品かつ世界的にも希少な外装カラーです。
内装カラーはクリーム(175/275)。
標準版のウッドトリムは横縞のゼブラノですが、こちらの車は上級オプションで美しい木目のウォールナットになっています。
シートは下記の仕様でドイツ本国にフル特注した、あらゆる意味で世界に1組しか存在しない、大変希少な電動レカロの左右セットを装着しています。
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【特注レカロについて】
1)
純正では全体がクリーム1色の本革シートでしたが、せっかく特注でレカロを作るなら美しい外装色ペトロールに合わせた、個性的なコンビシートにしたいと思いました。
センター部分をグリーンのチェックファブリックに変更し、周辺はクリーム色でカラーコーディネートしました。
2)
標準レカロには存在しない、ベンツ純正と同じタテ畝/羊羹棒形状のクッションは、私がデザインして作ってもらいました。
3)
紹介されたオランダの生地商社で、古今東西4000種類もある膨大な生地サンプルの中から選びに選んだすえ候補を3種類まで絞り、その後さらに悩みに悩んで「これだ!」と決めた超おしゃれなグリーンのチェック柄ファブリックは、元のR107とはメーカーも時代も全く異なる1950年代のマイクロカー、BMWイセッタ用の生地でした。
4)
クリーム色の部分はあえて本革にせず、世界最強のシート合皮、MB-texにしました。
私の経験では、シート生地としては本革よりもMB-texのほうが、あらゆる面で優れています。
5)
フチ取りのパイピングはフルオーダーだから金額に関係なくどんな色にすることも可能でしたが、世界中のセンスない人が「やらかしちゃった」失敗例も山ほど見ています。
そこを冒険して全てが台無しになることを避け、周辺と同じクリーム色を選びました。結局わたしも超ハイセンスなカラーコーディネートの才能はないと諦め、せめて上品で飽きがこず日常使いするためのシンプル&シックを心掛けました。
6)
レカロのアームレストは仕様変更が多く、オーダーした時期によって装着されるものがメーカー側で勝手に選ばれ、サイズも形状も異なります。しかし私の好みに合う仕様/機能/形状が決まっているため、それを指定してドイツ国内を探してもらいました。
どうせ表皮は張り替えるので、元は中古でも破れていても、何でもよいのです。
運転席用と助手席用に2本、どちらも独立して動かせるタイプのアームレストとして、これもMB-texに張り替えてもらいました。
7)
レカロ純正のシートヒーターおよびヴェント(シートの蒸れを解消する換気ファン)は、大阪の超有名レカロ改造店「フリースタイル」にて、改造/強化されました。
8)
シートレールと取り付けに関しては、何軒かを経たあと最終的に、東京の超有名な老舗レカロ装着店「ジェットセット」にて、完璧なセットアップが施されました。これこそ正に、本当の完璧。
シート調整できない部分のセットアップがどれだけ重要か、本当は誰も知らないと思います。実は、そちらのほうが大切なんだと思い知らされたことは、むしろ幸せでした。
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また足回りは純正の雰囲気を壊さないよう、純正デザインと似た「地味で目立たない」17インチのアルミホイールを世界中から探し、これはドイツから個人輸入しました。
ほかにもワンタッチパワーウインドウ回路(アメリカ)、LEDヘッドライト(ドイツ/日本)、オートライト回路(日本)、間欠ワイパー作動間隔の無段可変リレー(ドイツ)など、無数のカスタム&アップデートを施した、現役走行車です。
私の所有になってから手放すまで22年半のあいだずっと、日光雨風の当たらない密閉式のタワーパーキングにて保管。青空駐車場や屋根だけしかないカーポート保管車のような、酸性雨や直射日光・紫外線等によるダメージとは無縁でした。
こちらの500SLは4973ccの大排気量V8エンジン、ちょっとしたスポーツカー並みの動力性能で、レトロな見た目からは想像がつかないほどパワフルに走ります。アクセルに置いたつま先にほんの少し力を加えるだけで、どこからでもモリモリと湧き出る240PSのパワーと、有り余る怒涛のトルク41kgm。
オープンで優雅に街をクルージングするのは勿論、高速道路での長距離ドライブも余裕たっぷり、そして旅先ではワインディングを流すことまでサラリとこなす、優秀な万能車でした。
このR107を購入して以来ほかの車に全く興味がなくなり、ずっとこれ1台で過ごしたので、機関や足回りの消耗品補充交換/点検や修理など必要な正規ディーラーケアを常に欠かさず、そのおかげで絶好調な状態で走り続けることができました。
機械部分だけでなく内装についても、普段の足としていつも綺麗にして乗っていると少しでも傷んでくれば目につき気付くので、傷んだまま放っておかず早めに修理するよう心掛けてきました。
そうやって当たり前の感覚で普通に手入れをしながら丁寧な日常使いを重ね、振り返ってみればいつの間にか22年半27.5万kmも乗っていた、というのが正直な気持ちです。
メンテが重なり出費がかさむ年があったり、ほとんど出費のない年があったりしましたが平均すると、22年半の維持費は毎年100万円という感じでした。
お金は掛かりましたがそれに見合う喜びを、22年半ずっと私に与え続けてくれました。
幸せなことにこの車に飽きたことは1度もなく、また他に欲しい車も全く存在しませんでしたが、数年前から私の左半身が不自由になり、この1.7tの鉄の塊をもう今まで通り羽根のように軽やかには走らせてやれなくなってきたので、いよいよ手放すべき時期がきたかと最近、悩み始めていました。
ちょうど時期を同じくして「どうしても!」と、過去22年半のあいだ一度もなかったような明確かつ強い意思を感じるオファーを受けました。まさにご縁としか言いようのないタイミングだったと思います。
お話をしてみると私より10歳お若く、車を維持していく財力のほうも全く心配のない方だと分かり、次の4人目オーナーとしてバトンを渡す決心がつきました。