2025年04月27日
スカイアクティブXについて思うこと
今回はマツダのスカイアクティブXについて触れてみたい。
私は一昨年、同エンジンを搭載したマツダ3を購入し、所有した一年半でおよそ20000キロの距離を走行した。美しいデザイン、高級感のある内装は満足のいくもので、そのスポーティなハンドリングはマツダの主張する「運転の楽しさ」をよく体現していたように感じた。
一方、動力面では違った印象をもった。マイルドハイブリッドの恩恵で動き出しが軽く、伸びやかなエンジンのフィーリング自体は良いものだったが、カタログ上の動力性能(190馬力、240Nm)や燃費面(実燃費で15km/L程度)を考慮すると、他グレードとのバランスからも、価格に見合うものではなかったように思う。
何故、マツダはこの性能のモデルを、乗り出し価格が400万円を超えるような値段で販売したのか。
私は不思議で仕方ない。開発コストを回収しようとしたことはわかるが、そもそも、クルマを買うときは、値段はもちろんのこと、デザイン、内装、乗り心地、性能…色々な要素を考慮して選ぶ。もちろん、馬力やトルク、そしてカタログ燃費というのも重要な指標になる筈だ。
このエンジンの性能は決して悪くはない…が、同価格帯で他のクルマを見渡せば、より上位のモデルが手に入る。その状況において、スカイアクティブXは選択肢に入り辛いのではないか?
買うとすれば、よほど好きな人や、新技術を試したい人(私みたいに)に限られてしまうであろう。
ではマツダはどのような戦略をとるべきだったか?個人的には思い切って値段を下げるか、あるいは燃費面を犠牲にしてでも、パワーに振ったクルマを出した方がよかったのではないかと考える。例えば300Nm、240馬力程度のスペックで出していれば、もう少し人々の関心を振り向かせることが出来たのではないだろうか。現状のスペックはよく言えばバランス型だが、悪く言えば中途半端なため訴求力が弱く、結果としてユーザーに選んでもらうチャンスを逸してしまっていたように思う。
販売当初は画期的な技術として注目を浴びたこのエンジンも、今や搭載車種がMazda3のみになってしまっている。開発と生産が打ち切られたというニュースも報じられており、メーカー自身もその成果を厳しく受け止めているのだろうと思う。
今のままでは、画期的新技術ということで衆目をさらったエンジンの末路としてあまりにも寂しい。次世代のスカイアクティブZエンジンではXで培ったエッセンスを生かしつつ、市場に投入した際にはスペック上の魅力をより明確にアピールしてくれることを期待したい。
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2025/04/27 18:07:15
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