
1年間乗ってアウトランダーは何かと問題が多く完成度が著しく低い車だと思いますが、最も酷いと思われるシフトレバー(セレクトレバー)を紹介します、個人的にこれは欠陥品だと思います。
まず現行アウトランダーには三菱初となる仕掛け式の電制シフトが搭載されています、またそれとは別にパドルシフトも装備されており回生レベルを6段階に調整できる機能があります。
つまり通常の電子式シフト車にあるP・R・N・Dに加えてB0・B1・B2・B3・B4・B5、さらに特殊なポジョションでイノベーティブペダルオペレーションモードも加わりシフトポジションが11通りもあります、これをシフトレバーとパドルシフトで操作する為、一般的な車と比べて非常複雑なシフト操作を行う事が出来ます。
またB0~B5は単に回生レベルの強弱だけでなくそれぞれに特性があるので厄介なのです、B3以下だとバッテリーが62.5%以上でエンブレの為にエンジン始動、B5だと減速でブレーキランプ点灯があります。

上記はパドルシフトの取説です、D時に右パドルでB1、左パドルでB3、以後Bポジションなら+-を1段階上下に変更できます、また右パドル長押しでDに戻せます。

次にシフトレバーの取説ですが、上記に記載されている操作をまとめると以下の通り。
Pはボタン、NはP時は前後1ノッチその他時は前1ノッチ、Rはボタンを押しながら前2ノッチ、Dは後2ノッチ、B3はD時に後ろ2ノッチ、B5はB3時に後ろ1ノッチとなります、これが取扱説明書に記載されているシフト操作のすべてです。
これだけでも分かり難いですが、アウトランダーのシフトレバー操作性に問題があります、物理的な問題としてシフトレバーの1段操作に手応えが弱くロック機構も無いので力加減が難しく勢い余って2段操作をしてしまう時があります、慣れてないと高確率で誤操作をしてしまいます。
次に制御的な問題としてB3からB5に変更するには後1ノッチ操作ですが上記により2ノッチ操作するとD(B2と同等の回生レベル)に入ってしまいます、つまりB3から減速しようと操作したら誤操作により
回生レベルが下がり増速する危険があるのです、普通に考えたらフェールセーフの概念で速度が落ちる方向へ選択されると思いますし例えでゲート式ATだとD→2→Lとエンブレ掛けるときにミスしても行き過ぎても強く減速するだけです、意図せず回生が突然弱まる危険な状態を招きやすい制御となっています。
ここまででも複雑なシフトポジションの組み合わせと物理的に操作が難しいシフトノブの構造、そして危険なシフトパターンと驚くほど完成度が低い操作システムなのが分かりますが、残念ながらまだあります。
取扱説明書には記載されていないシフト操作が4パターン存在します、以下の通り
①B0時に後1ノッチでB3、2ノッチでD
②B1時に後1ノッチでB3、2ノッチでD
③B2時に後1ノッチでB3、2ノッチでD
④B4時に後1ノッチでB5、2ノッチでD
理由は分かりませんが取説には全く記載されていません、文字で書くとなんだそれだけかと思いますが以下の危険性があります。
まず、一番の問題として「B3が1ノッチで入る時もあれば2ノッチで入る時もある」と言う事です、分かりやすく言うと一定の条件で
「シフトパターンが突然変更される」そしてそれは取説には載っていない。
一般的な電制シフトとして参考にプリウス(見やすいので先代)のシフトを出します、巷ではプリウスミサイルや欠陥シフトだ誤操作を招きやすい構造だと騒がれていますがアウトランダーと比べれば100倍使いやすくシンプルな機構です。

上記のようなシフト配置ですが、Dにするときは必ずDへ右後ろへ引く、BにするときはBへ後ろに引く、Rは前に倒す、Nにするときは右へ一定時間引く、走行に係るのはこの4パターンしかありません。
そして各ポジションへの操作は同じ操作でBにするにはB側に引くしかない絶対不変です、アウトランダーのように突然Bにする操作が変わるとかありえないでしょう。
アウトランダーはDの時は2ノッチ操作でB3に入り、B0~B2の時は1ノッチ操作でB3に入る(しかも取説に無記載)、そしてB0~B5の時に2ノッチ操作でDに入る、アウトランダー乗った事無い人でこの操作分かりますか?
2ノッチ操作でB3に入る時もあればDに入る時もある、そして1ノッチ操作でB3に入る時もあればB5も入る時もあり又はキャンセル(無効)の時もある、これを口頭でポンと説明されてアウトランダーをシフトをスコスコ操作出来たら車両運転の才能ありますよ。
とにかく同じノッチ操作に対してたどり着くポジションがコロコロ入れ替わる恐ろしい制御となっています。
おかしなパターンとして以下の操作が可能です。
D(2ノッチ)→B3(1ノッチ)→B5
B2(1ノッチ)→B3(1ノッチ)→B5
DとB2は同じ回生レベルで実質同じですが違う操作でB5にたどり着きます、言葉で書くと簡単ですが、走行中に今はBだから1ノッチ、Dだから2ノッチと現在のポジションを読み取り思考し操作するのは大変です。
B2→D→B3と言った回生レベル的に意味を持たないシフト操作も出来ます。
また、パドルシフトは必ず強弱一方の方向に一段階変更の操作に対してシフトレバーだと必ず回生強の方向に一気に2段階又は3段階の変更とバラつきがあるのも操作をより困難にさせていると思います。
アウトランダーの複雑なシフト操作パターンを図にまとめてみました。

これを覚えたら君もアウトランダーマスターだ!!
とはなりませんが、走行中に使用するポジション(さらに複雑になるのでRに入れる操作は含めてません、それだと40を超えます)だと27通りの操作パターンがありそのうち4パターンは取説無記載、参考に同じ電制シフトを使っているエクストレイルも載せましたが基本はDとBを交互に入れ替える2パターンだけです。
まるで魔法陣のようなアウトランダーの操作パターンが如何に異常なのか分かります、こいつと同じくらい複雑な電制シフトの車は探せばあるかもですが自分は知りません。
とは言えちゃんとした作りになっていれば運転者の操作の幅が広がり運転を楽しむ事が出来たでしょうに、結局のところ作りが雑で仕掛け式シフトの実装経験が無いからこんなものが採用されたのでしょう。
しかし世のGNアウトランダー乗りがこの操作性最悪なシフトレバーをどれ程の割合で使いこなせているか気になる所です、あまりにも操作し辛いので殆どの人が使っていないとしたら、まさしく不発弾のようなコマンドです。
長くなったので問題点を纏めます。
1・複雑多岐に渡るシフトパターン。
2・多段ノッチなのにロック機構がなく誤操作を招きやすい操作性に難があるシフトレバー。
3・誤操作をした場合に増速する可能性があるフェールセーフを無視した制御。
4・1操作で1段~3段も回生が強くなる又は弱くなる多数のコマンドが同じ方向性を持ったシフト操作上に配置してある。
(ここから別次元の問題)
5・取扱説明書に記載されていないシフト操作が4パターン存在する。
6・特定のポジションでシフトパターンが変更される、取説無記載。
7・シフトレバーの1ノッチ操作でB3に入るコマンドが存在する事が取説に一切書かれていない。
アウトランダーは走らない車たど思いますが、それはPHEVシステムの特性上仕方ない事でそういうクルマなのでしょうがないで済みます。
運転に直結するシフトレバーの制御がお粗末で非常に使い難いのも単にアウトランダーが酷い車なので仕方がないで納得は出来ますが、取扱説明書に記載されていない運転者が認知しないコマンドを搭載するのは完全にイカれてるでしょう、メンテナンス用の隠しコマンドがナビやメーターにあるとかのレベルの話じゃないですよ。
シフトレバーを使わずにパドルシフトを使えばいいだけじゃないか、と思うし三菱もそんな認識なのかもしれませんが、運転者の知らない操作がある事自体が問題です。
事故を起こす動作を想定すると、B0で走行中に物を取ろうとしたときに左手がシフトに接触し1ノッチだけスライドさせてしまいB3入る、運転者はそんなコマンドがあることを知らなければ突然の減速で驚く訳ですが、メーターを見てB3に変わっていることを確認したらすぐにリカバリーできます、しかしそれに気付かなければ予期せぬ事態にパニックになりますし人間は突然の事態に遭遇した場合は基本的に視野が狭くなり思考力は低下します、最悪なのは慌ててブレーキ踏もうとしてアクセルの踏み間違いでしょう、そんな最悪な現象は簡単には起こりえないと思いますが、残念ながら世の中アクセルの踏み間違いの事故が毎日のようにニュースになってます。
良い車なら他人にも勧めたい気持ちになりますが、こんな危険な車を自分の年老いた親などに運転させようとは思いません、怖すぎる。
アウトランダーは良い車悪い車以前に製品として最低と言わざる得ない。
しかしなんで取扱説明書ぐらいちゃんと作らないのか、タイヤを空に飛ばして人の命奪った会社だけあります。
長いので②へ続きます
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2024/08/03 12:08:24