
タイトル写真は日産・アリアのシフトレバーです、たしかこのタイプのシフトはアリアが初導入で以後ノートやエクストレイルなどに共用されて行きます。
前回はアウトランダーのシフトレバーの不備について書きましたが、なぜこのような欠陥まがいのシフトレバーが作成され実装されたのか考えて見ました。
アウトランダーはエクストレイルの兄弟車的な車というか弟分みたいな存在です、シャーシは共通のものでデザインや設計は三菱独自のものとメーカーサイトにありますが、ドア周りやシートレイアウト、エアコンパネル周り、スピードメーターなどあるゆるものがエクストレイルと共通で部品自体にもNISSANロゴが入ったものが結構あります、アウトランダーのナビもコンパクトカーのノートと同じものが使われていますから如何にアウトランダーが格下な扱いの車なのか分かります、200万の車と500万の車で同じナビなのも流石にまずいのか10月のMCでエクストレイルのナビを乗せるようですがお値段も上がるみたいです。
何れにせよ日産の車両がベースに三菱が手を加えたと感じなのでしょう。

上写真はエクストレイルのシフト周りです、アウトランダーとモードセレクターも含め似たような配置です、でもちゃんとシフトレバーが右側に配置されていて国内仕様にしてあります、アウトランダーは手抜きで左配置。
それで日産共用シフトレバーですが(セレナだけはなぜかボタン式)、基本的にD→Bの2パターンしか操作パターンはありません、上下にスライドさせるだけなので操作性は極めて良好、簡単明白で優れたシフトレバーだと思います。

上記はエクストレイルのシフト取説です、構造はアウトランダーと同じなのですが根本的に異なっていることとして
1ノッチに走行可能なポジションを設定していない事です、1ノッチは前後両方ともにNにしかならない普段は使用しない立ち位置にあります、基本は後方2ノッチの交互操作と前方2ノッチでR後退だけです、ノートやアリアも共通となります。
この前後2段階スライドのシフトレバーは本来1ノッチは多用しない事を前提で作られているのでしょう。
なお、日産と三菱の思想の違いとして、エコモードにした場合はアウトランダーは回生レベルは変動しませんがエクストレイルは回生レベルが強くなります、三菱は回生で電費を向上させようとさせない不可解な設定です、自分でパドル操作して調整しろと言う事なのか、でもパワーやターマックで強制B5だし、よくわかりません、何れにせよエクストレイルはモード切替でも回生レベルを調整できます、ノートも同じく。

次に上の画像は先代アウトランダーのジョイスティック式シフトレバーです、エクリプスクロスPHEVも同様のものが装備されています。
握りやすい形状で戦闘機の操縦桿みたいなジョイスティックレバーにてデザイン的にも良いと思います、操作パターンはプリウスと同じで前方スライドでR、右でN、右後方でD、後方でBとなります。
またパドルシフトも付いており(先代はパドルが固定させておりハンドルと一緒に回らない、先代の方が良かったと思う)現行と同じくB0~B5に調整できます。
そしてBモードですが先代もシフトレバーで操作出来、後方スライドでD→B3→B5と変更できます、単に後ろへ引くだけなので操作性は良好かつ単一方向動作なので誤操作もありません、B0からB5へ落とす場合はパドルシフトで一段ごとに操作するより早く出来るのでシフト操作を好んで使っている人も結構居たのではないかと思います。
詰まる所、先代アウトランダーのシフトレバーは非常に使い易く完成された操作性を持っていました、それなのになぜ現行GNアウトランダーのシフトは欠陥まがいな代物に出来上がってしまったのか。
日産の2段階式電制シフトに先代アウトランダーの操作性を無理やり落とし込んでしまったことが原因でしょう、設計者もD→B3→B5の操作をどうやって後方2動作しかないシフトに入れるか悩んだのではないかと思いますが、だからと言ってシフトパータンが入れ替わったり、誤操作で回生が抜ける安全性に欠けた設計をするのはどうかと思いますが。
ではどうしたら良かったのかと言うと昔流行った疑似MT機能付きCVTのシフトパターンにしたら良かったのではと思います。

上の画像は初代アウトランダーのシフトレバーですDに+-があり上下操作でCVTを疑似的にMT操作っぽく扱う事が出来ます、初代アウトランダーは確かパドルシフトも標準装備だったはず、それで全グレード200万円代で買えたのだから驚き、20年前だから物価は上がっただろうけどお高い車になってしまったのね、それで車の質が上がれば納得ですが値段だけ上がってポンコツになったのだから残念、せめてガソリンモデルは残してくれたらよかったのに。
ともあれ現行アウトランダーのシフトも左側にスライドして上下操作が出来る機構でも追加したら操作性と安全性は向上し使えるレバーになったでしょうが、日産から供給されたであろうシフトレバーとシステムを改造することが出来なかったんでしょう、そうであるならシフトレバーではB3にしか入らないようにして回生加減はすべてパドルシフトで行う設定にしたら機能性は落ちますが、まだ普通に使えるシフトになったでしょう、それをしなかったのは三菱としては先代アウトランダーからの機能をオミットしたくなかった、三菱車の操作をどうしても引き継ぎたかったのでしょうか。
アライアンスで部品の共通化でコストカット、技術の共用と言えば聞こえはいいですが、単一会社としての独自性ある機能が薄れていきクルマ自体がつまらなくなったりするのは仕方なし。
このシフトレバー以外でもアウトランダーは不具合が多いですが、日産と三菱の設計が上手くかみ合ってない故の事でしょう。
つまりこの欠陥シフトレバーは日産三菱アライアンスによるコストカットが生み出した産物と言ったところでしょう。
現行アウトランダーはエクストレイルPHEV三菱改みたいな車です。
しかし実装されたものは仕方なしとして、ではどうしたらよいのか。
なぜ三菱の設計者は無理な感じでシフトレバーにもBモード機能を付加したのか、それはやはりシフトレバーで回生操作した方が運転が楽しいからです。

上記は不要な操作を除いたB0からB5を最短で行き来するパターン図です。
EVに乗ったことがある人なら回生操作は運転を楽しくする操作だと知っていると思いますが、一番重要なポジションは滑走する回生無しと減速で発電する回生最大の二つです、アウトランダーのシフトでそれを最短相互操作すると
B0・1ノッチ→B3・1ノッチ→B5 (2動作)
B5・2ノッチ→D・パドル+→B1・パドル+→B0 (3動作)
となります、なおパドルのみで行うと
B0・パドル+→B1パドル+→B2パドル+→B3パドル+→B4パドル+→B5(5動作)
B5・パドル-→B4パドル-→B3パドル-→B2パドル-→B1パドル-→B0(5動作)
いちいちパドルを5段階もパコパコ操作するよりシフトレバー操作の方がスマートに操作できます、それこそ左手をシフトに右手をハンドルのパドル+においてワインディングを走れば運転する格好もMT車の如く運転出来ます、自分としてもこちらの方が運転しやすい。
先代アウトランダーやエクリプスクロスPHEVに乗っている方には言わずともがなでしょうが、現行型は1ノッチ操作と2ノッチ操作を入り乱れて操作するので中々難しくなっております。
パドルシフトの方が操作が楽で単純なのに態々こんな機能を加えてあるのだから三菱の設計者的にはこちらの操作でも運転して欲しかったのではないか、と考えてしまいます、そうだとしたらマニアックなメーカーで良いですね。

上の画像はエクリプスクロスPHEVのシフト操作の取説です、Bの時にBに倒せば一段階回生が強くなり、もう一度引けばB5、ちゃんと書いてあります、そして一方向に倒せば回生がどんどん強くなるという分かりやすい操作です。
一体どうしてアウトランダーの取扱説明書にシフト操作についてしっかりと記載されていないのか分かりません、だとしても運転に直結するシフトノブ操作で説明書に記載されていないコマンドが四つも存在しているのは現代の車としてはあり得ないでしょう、三菱自動車の安全意識を疑います。
現行アウトランダーに乗ってる人は「1ノッチでB3に入ることがある」と言う事を頭の隅に入れておいた方が良いですよ、不意な操作で入っても混乱することが無くなります。
そしてアウトランダーを買おうと検討している人は、三菱自動車はこんな車を作っていると考慮した方が良いです、他社メーカーから初三菱車だと受け入れがたい事に沢山遭遇するかもしれません。
GNアウトランダーは本当に恐ろしいクルマです。
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2024/08/04 09:14:30