
タイトル写真は某走り屋アニメの聖地、給水塔ってまだ残ってるんですね。

アニメマンホール、やっぱりSUVだと映えない。
アウトランダーのハイブリッド走行にはモーターのみで走行するシリーズHV走行とエンジンを直結させるエンジン走行、そしてパラレルHV走行があります、パラレルハイブリッド走行とエンジン直結について個人的なまとめ。
これがアウトランダーと言うか三菱PHEVの長所であり短所なので、エンジン直結走行を受け入れられるか否かで車の評価が変わると思われる重要な箇所かと思われます。
完全シリーズHV車と比べてエンジン直結駆動が出来るアウトは高速走行でも燃費が良い、みたいな感じで宣伝されていますが実際は大して燃費は改善せず走行性と乗り心地が悪くなるという酷いものです。特にEVや完全シリーズHV車に慣れた人には一段と酷く感じると思います。
所詮アウトランダーは内燃機関で走行を主とするハイブリッド車なので肝心の4B12エンジンが設計が古く効率が悪いためエンジン直結走行なんてしても燃費は大して良くならないのです。
つまるところは2.4L直四エンジンで走行する純粋エンジン車モードと考えてもらえばいいです、そんな車が燃費が良いわけないないです。

(取説より、上記にはEV走行、シリーズ走行、エンジン走行が載っていますがパラレル走行は映ってませんでした、この画面を見れば運転中にエンジンと駆動が繋がっているかどうか分かります)
アウトランダーは基本的にバッテリー残量がある時で中速以下ではシリーズ走行をする設定になっていますが、エンジン直結走行になる条件については分かっている範囲だと以下の通りだと思われます。
1・バッテリー残量低下時またはセーブモード、チャージモードでエンジン起動している時。
2・時速65km/h以上の時
上限は不明ですが120km/hでもパラレル走行します、64km/h以下になるとパラレル走行を止めてエンジンは発電のみに切り替わりシリーズ走行になります。
3・ノーマルモード又はエコモードの時
他のパワー・ターマック・グラベル・スノー・マッドのモードにするとシリーズ走行になります、またモード選択以外にイノベーティブペダル(三菱のeペダルの名称)の時もシリーズ走行になります。
想像できる理由は簡単で、エンジン直結走行だとSーAWCこと三菱ご自慢の電動4輪制御が機能しないからでしょう。
但し一定以上の高速度(160km/hぐらい?)になるとパワーモードでもエンジン直結+モーターでアシストのパラレル走行になるようです、その他のモードは不明ですがモーターの減速比上それ以上加速出来ないからエンジンに切り替えているのではないかと思います。
以上の条件の場合に車両側でエンジン直結を自動で判断して行う訳ですが、ハイブリッド走行と純粋エンジン走行も自動判断なので運転者はただ機械任せに従うだけです。
4・バッテリー残量がありアクセルベタ踏みで加速した際に一定速度以上で、モーター出力+エンジンのパラレル走行になる。
これは条件がよくわからないですが、高速道路で早い速度を出している時に増速する際になる時があります。
前述の高速度でのパラレル走行と同じ事かもです。
5・エンジン出力が20~50kwの範囲
これも条件は不明ですが、だいたいこの範囲でしかエンジン直結走行はしません。
直結走行中にアクセルをゆっくり踏み込めばエンジン出力があがりもっさり増速しますが、だいたい50kwを超えたあたりでシリーズ走行に切り替わります。
恐らくこの範囲が燃費効率の良い回転数なのでこのような制御が施されているのだと思われます。
6・バッテリー温度が一定以下の時
これはバッテリー温度が上昇しEV走行不可になった時ですが、なぜかパラレル走行が出来ず強制シリーズ走行になります。
単純に考えるとバッテリーが温度上昇しているのだからエンジン直結走行してバッテリー及びモーターを休止させた方が温度が下がると思いますがそうなりません、とにかくバッテリー温度も条件に組み込んであると思われます。

(このぐらいの温度だとエンジン直結走行してくれません)
次にエンジン直結モードですが、主に二つに分けられています。
①エンジン駆動と合わせてモーターも駆動させるパラレルHV走行。
アウトランダーのパラレルハイブリッド走行ですが、前輪はエンジン直結で駆動またはモーター出力と混流、後輪はバッテリーからの電力で後輪モーターを駆動しアシストする方式です。
またアウトランダーのパラレルハイブリッド走行はエンジン駆動する前輪を後輪モーターで押して補助する時が多く前輪がモーターアシストするときあまり見ません、そしてメーターで確認する限り後輪モーターの出力は数kw程度でほとんどアシストしておらず強い加速のときのみ出力を上げるみたいです。どうりでアウトのHV走行は燃費が悪い理由です、トヨタのTHS2のような高等な動きをしているわけでは無いようで。

(前輪はエンジン駆動で後輪はモーター駆動中のパラレルハイブリッド走行、前後両輪でモーターアシストはあまり行わないみたい)
②完全にエンジンだけで走行しバッテリーは休止してモーターは前後ともに駆動しない純エンジン走行。
エンジン出力が20~30kw時ぐらいのとき高速道路の平坦道路で負荷が低い時になります、モーターが駆動せずバッテリー出力も無いエンジンだけで走行する完全エンジン車モードです。
このエンジン走行モードとは詰まる所2.4L直四エンジン搭載のFF車に成り下がって走っている状態になります、もはや電動車でも何でもないただの完全なエンジン車モードで走りますがこれが最も燃費の良い走行と車側で判断されて切り替わるのだから仕方ありません、CMでどこでも行ける電動の自由とかって喧伝してるのにちゃっかりエンジン走行なんだから良くわからない車です。
とくにエンジン直結走行中は前輪しか駆動していないFF車状態になるようです。
と言うかフルタイム4WDじゃないのねアウトランダー、まあ所詮生活四駆の街乗りSUVなので悪路走破性など求めてはいけませんが。

(完全エンジン走行の前輪駆動で走行中、モーターは出力せず後輪も休止しています)
なお、ノーマル又はエコでしかエンジン直結モードにならないのは電動4輪制御が効かなくなる為だろうと前述に書きましたが、この完全エンジン車状態の時にSーAWCの画面で見るとトルク配分が前輪に偏っていることが分かります。

上の写真は時速75km/hでエンジン走行中です、エンジン出力が約20kw程度でモーター出力は0なっています、まあ前輪駆動走行なので前輪にしかトルクが掛からないのでしょう、所謂スタンバイ式4WDみたいに前輪駆動走行してる車です。

上はトルク配分画面の取説ですが、赤枠に書いてある通りEのバーメーターで前後トルクを表示しています、シリーズ走行時だと走行状態によって変動しますが大体前後で半々ぐらいに分かれます、前輪だけ偏ることはありません。
また、
ツインモーター4WDとかの統合制御がとかって書いてありますがそもそも前後ともモーター回ってないしエンジンで駆動軸回して走ってるだけなのでこの画面の表示がどこまで正しいか分からないですが、少なくともSーAWCという三菱の電動四輪制御はまともに機能してないでしょう、なんたってエンジン走行なのですから、三菱風に言い表すとシングルエンジン2WDかな、ただのFF・SUVです。
なので雨の日の高速道路のキツイカーブで高架橋のつなぎ目でヌルっと滑る時がありますが、このエンジン直結走行だと明らかにシリーズ走行時と比べて走行性が変わっているのが分かります。

三菱自動車のサイトではS-AWCやツインモーター4WD利点などの能書きを垂れていますが、それほど自慢な制御を捨ててFFエンジン走行をさせるとか一体どういう事なのでしょうか。
それは古くて性能の悪い4B12エンジンでシリーズ走行オンリーにすると高速燃費が落ち過ぎてどうにもならないからでしょう。
その他の四駆車と同じように4WDと2WDが運転者により任意に切り替えられるのなら良いのですが、アウトは勝手に切り替わりかつモーター駆動からエンジン駆動も切り替わり走行性はガラリと変わりますがそれが説明されていない超不親切仕様です、俺たちの設定した制御で運転者はただアクセルだけ踏んでればいいんだよって三菱の思想が伝わってきます。
でもせめてエンジン直結でFF車になることぐらいは周知してほしいものです。

(画像はデリカのモードセレクターですが、2WD↔4WDオートと任意切換え出来る分良心的)
さて、ここからが肝心な事ですが、
エンジン直結走行時はモーター走行時と比べて運転感覚もガラリと変わります、なんたってただの5速程度で走るエンジン車状態ですから、ゆっくりアクセルを踏み込めばエンジンを唸らせながらもさ~っと少しギクシャクしながら徐々に加速します、またクルコンを作動させた状態で1km/hずつ速度を下げていくと何とエンジン出力で速度調整させグニュングニュンと減速、エンジンとタイヤがつながっていると実感できる走りを味わう事が出来ます、少なくとも電気自動車や完全シリーズ式HVではありえない感覚です。
もちろん強くアクセル踏みこんだりするとすぐにエンジンを切り離しモーターで加速するシリーズ走行に切り替わります、その都度クラッチ切ってまた繋げてと言うショックも伝わります。
他に面白い特性として、パラレル走行時に回生減速を入れると最初は後輪リアモーターだけで回生減速→エンジン切り離し→前輪フロントモーターを繋ぐ→前輪後輪で回生減速、という流れとなり最初は緩い減速→クラッチのショック→強い減速とEVのようなリニアでシームレスな減速をしてくれないかなり粗い制御になっています、ものすごく不自然で気持ち悪い乗り心地です、それに後輪にだけ回生制動をかけてしかも運転者の操作関係なく勝手に制御が変わるのだから怖い車です。
EV乗りの人なら下り坂や平坦部などでニュートラルにして惰性走行をして電費を稼ぐ乗り方をしている方も居ると思います、アウトでもB0で似たようなことが出来ますが、これまた不思議な制御になっているので紹介です。
エンジン直結走行時にB0に入れて惰性走行をしようとするとエンジンを駆動系から切り離しモーターと同調させる為に回生減速が一瞬入り惰性走行になる奇天烈な制御です、不快な減速ショックもあります。
次にエンジン直結走行時にニュートラルにすると上記B0の時のような回生制御は入らずすんなり惰性走行出来ます。

(エンジン直結走行から回生減速操作するとまず後輪回生のみ状態が短い時間入ります、シリーズ走行だと前後両輪回生となるので運転感覚が変わります)
とにもかくにもエンジン直結走行はエンジン車のネガ要素を多く含んでいるのでこれを許容できるか否かでアウトランダーの評価が人によって変わると思います、前車が純粋エンジン車かシリパラ式HVならネガ要素を感じずに寧ろ高評価で乗り換えできるんじゃないかと、EVやシリーズ式HVからだと違和感を感じやすいと思います、試乗じゃ分からない点です。
それにしても「高速走行時はパラレル走行で効率の良い走りが出来ます」と言えば凄いじゃないかと思いますが、やってることは燃費10前後の2.4Lエンジンでただ普通に走ってるだけなので劇的に高速燃費は改善しないのが実感です、兄弟車のシリーズHVのエクストレイルに負けるのだから。
エンジン直結モードまとめ
◯メリット
高速巡航時に発電走行よりかは幾らか燃費が良い。
◯デメリット
乗り心地走り心地の低下。
駆動軸にエンジンを切ったり繋げたりして変速ショックに似た不快な振動とアクセルレスポンスの大幅な低下。
といった感じです、要は2.4Lエンジンで走る一昔前の純粋RV車になると考えるのが一番わかりやすい。
高速道路はノーマルモードかエコモードで時速90ぐらいを一定速度で走るのが一番燃費が良い、パワーモードとかにするとシリーズ走行になり燃費が悪化する。
まあ、アウト自体が燃費の悪い車なので微々たる差でしょうが。
巷に溢れるアウトランダーの提灯記事を見ると、エンジンがいつ始動したか分からない静粛性でまるでEVのようだとか宣伝されていますが、エンジン直結走行になると走行性がガラリと変わりアクセル応答でエンジン走行してると直ぐに分かります、音楽かけてエンジン音が聞こえない状態でも運転していれば普通に気付く程の代わり具合です、伸びたパンツのゴムのような加速になります。
ちなみにエンジン音も大きく変わります、シリーズ走行で巡行中は「フィーン」というやや高い音ですがエンジン直結走行になると「ブビィーン」と如何にもエンジン車ですと言う音に変ります、うるさい車なのでこれは一発で分かりますよ。
発電機用に調整されたマイベック4B12エンジンは官能的なエンジン音とは対極な存在なのでただの騒音です。
マイチェンしたばかりなせいかやたらアウトの宣伝記事が広告バナーに出て目障りですが、もしアウトランダーを購入検討している方が居れば、このパラレル走行の乗り心地は試乗で我慢出来るか試して見る事をお勧めします、特に完全シリーズHVやEVからの乗り換えなら。
宣伝記事は車の悪いところは一切教えてくれませんから。
三菱はアウトランダーをやたらめったら電動車の走りとか自分で発電する電気自動車やら、EV要素を前面に押し出しながら肝心の車はエンジン直結機能付けてエンジン走行したりするのだからやってることがチグハグで何でそんな事をするのか分かりません。
電気自動車がクラッチ切ったり繋げたりギクシャクしながら走るのか(海外じゃ高速を出すため変速機持ったEVも出てるらしいですが)、少なくとも電気自動車の走りを求めて買った人は失望するでしょう。
乗れば乗るほどアウトランダーは奇怪奇天烈なクルマです、何を目指して作られたのやら。
最近のマイナーチェンジの紹介記事でバッテリー容量アップ「EVらしさ」を追求したとかいう見出しを見ますがそもそもアウトはEVじゃないだろうらしさって何だよと、こんなエンジン直結してギクシャク走るHV車の走りがEVらしいとか冗談にも程があります。
そんなに電動走行をアピールしたいのなら三菱はEVを作ればいいのに、EKクロスEVのようなサクラの姉妹車ではなく。

昔はインホイールモーターを備えたスポーツ電動四駆「ランサーエボリューションMIEV」とかワクワクする車が発表されていましたが今はシリーズ式PHEVなんてEVのなり損ないみたいな車を作るばかり、世界初の量産EVアイミーブを打ち出した三菱はなぜPHEVに傾いてしまったのか残念です。
というよりアウトも邪魔なエンジンと燃料タンク外して90kwhぐらいのバッテリー乗せればいい車になると思います。

中国では71kwhのバッテリーを積んだエアトレックEVが443万円、航続距離520kmで発売されていたようですが国内で販売されずなんか勿体ないです。
海外専売だったトライトンも販売したのだからエアトレック復活と名を打って出せば売れる、かもしれなかったのに。
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2025/01/18 11:47:01