
タイトル写真は愛知県半田市にある旧カブトビール工場、かつて存在したビールメーカーで赤レンガの工場が博物館として残っています。
昔のカブトビールを再現した明治時代と大正時代のビールが売っているので買ってみましたが、明治のビールはねっとりしていてとても独特な味です、100年以上も前の味なので現代のビールとは趣向が変わっているのでしょう、反面大正のビールは普通でした。

上記は三菱サイトにあるドライブモードセレクターの開発エピソードのタイトルです、走行中にしっかり握って操作できるように沢山のサンプルを作ったという内容です、またそれ以外のアウトランダーの紹介雑誌や記事でも何かとこのセレクターについては取り上げられており、三菱として力を入れたものだと思われます、アウトランダーの操作系のデザインに関してこのセレクターを含めて触ってわかるしっかり感を実現する「ソリッドタッチ」をテーマに作られたとのことです。

実際にこのセレクターやシフトレバーやハンドルなど、実物は手で握り操作しやすく作られているのでちゃんと考えられて作られていると分かります。
問題があるのはモードセレクターの制御についてですので紹介します。
アウトランダーはモードセレクターと言うセンターコンソールのダイアルで七つの走行モード、パワー、エコ、ノーマル、ターマック、グラベル、スノー、マッドに切り替えられるようになっています、セレクターはロータリーエンコーダで限界無くクルクル回る仕様です。
主な違いは名前の通りの走りに走行性が変更されるのですが、トルク配分変更など走行に係る以外の特色として以下の通り。
・パワー及びターマックではシフトポジションが強制B5、EVモード不可。
・グラベル、スノー、マッドではマイパイロット/クルーズコントロールは使用不可及び強制解除
・ノーマル、エコでは中速度以上でパラレル走行(エンジン直結モード)に切り替わる。
などが設定されています。
さて、個人的に感じる問題点として
①基本設定(ノーマル)からグラベル以降に変更する場合は必ずターマックを通りB5に変更される。
B0で滑走中でもモード変更でターマックに入るとB5で減速してしまう、バッテリー残量が10セグ以上だと強制エンジンオンします。
どうしてもB5に入らないようにするにはNにしてモードを変更してDに入れるしかありません。
ノーマルの隣にB5に変更されるターマックを置くのはおかしいと思います、同じくB5に入るパワーの次か、マッドの次・右回転の最後の位置ならモード変更の旅に回生レベルが変動する事も無くなると思います。
恐らくターマック(舗装道路の高速走行)はグラベル・スノー・マッドに対して使用頻度が高いと想定してノーマルの隣に配置されたのではないかと思われます。
そのせいでモードセレクターが7モード左右非対称に振り分けられています、メーター上のモード画面だとターマックがセンターに来て凄く不自然で分かり難いです。

(画面上のモード配列ではターマックは中央にありますが、モードセレクターは右側1目盛り回した位置にあります、こんな直感的におかしい作りは大手メーカーはやらないでしょう)
また、モード変更の度にメーター上で各モードのイメージ写真が無意味にでかでかと映し出されて、肝心のモード名とセレクターポジションが小さく分かりにくい作りです、燃費表示や各種情報表示もモード変更の度に見えなくなるので目障りこの上なく不便です、オフ機能が欲しいのですが残ながら設定されていません。

(上記はノーマルモードの画像、七つのモードがアイコンで並んでいますがなぜか中央に配置されているのはターマック、普通は標準(ノーマル)が中央に配置させると思いますが三菱は違うみたい、毎回アウトのイメージ画像を強制的に見ることになります。)
なんでこんなどうでも良いイメージ写真を写すのかと言うと、開発エピソード紹介のアウトランダーPHEV Vol.4「フル液晶ドライバーディスプレイ」篇にて語られていますが、どのモードで走れば良いか見てわかるようにグラフィックで演出しました、と紹介されています、こだわりのポイント見たいです。
ショールームでメーター眺めるならいざ知らず、走行中にスピードメーターの走行モードのイメージ写真をまじまじと見て「このモードが良さそう」って判断する奴なんてそう居ないでしょうに、本当に運転中の操作を想定してるのかと思います。
ちなみに兄弟車のエクストレイルも同じようなモードセレクター機能が付いていますが、画面表示は最低限の情報にセレクター位置を表示させて分かりやすくなっています、オートがセンターで5のモードも左右対称に配置されています。
同じ機能と構造でもメーカーの思想の違いが良く表れている所です。

(上記はエクストレイルのモード変更、基本のオートモードが中央に配置されてます、普通はこうでしょう)
②セレクターに限界値が存在しない為、手探りの操作でモードの位置が分からない、必ずメーターでモード位置を確認しなければならない。
・ロータリースイッチのように決められた位置に接点を回転させると言うわけではないので運転中にモード変更すると画面もしくはセレクターに目線を映す必要があるので地味に面倒。
ノーマルが中央で左に2モード、右に4モードと左右非対称なセレクター配置。
前述の通りターマックは左側のパワーの一つ前に配置した方が使用場面的にも使い勝手が良いと思います。
勝手な憶測だと左側はエコ・パワーと出力制御に限ったモード、右側は高旋回なターマックやグラベルやスノーなの路面状況でトルク配分を変えるモードで左右に分けたのでしょうか?
せめてターマックは右側の一番奥に配置して。
③一瞬だけB5に入る現象
モードセレクターの一番奇妙な制御としてご紹介です。
イノベーティブペダル(e-ペダルみたいな奴)をオンしておけばポジションはDに設定されます、パドルシフト操作やシフト操作でのBへ変更は受け付けなくなります。
そしてモードセレクターでパワー及びターマックにしてもB5に一瞬変更されますがすぐにDに戻されます、これがとても奇天烈な制御でモード変更でB5への変更指令にイノベペダルオンでDへ変更の上書き指令を遅れて出している状態だと思われます、普通ならB5へ入らない様な条件にすると思うのですが、なぜこんな設計にするのか本当に意味が分かりません。
イノベペダル以外にもマイパイロット又はクルコン動作時はシフトはDに固定されて(文面的にD固定と書きましたが、制御的には常時Dの上書き指令が出ている状態だと思われます)基本的に変更不可ですがターマック又はパワーモード変更をすると同じ現象が発生し一瞬B5になります。
バッテリー残量7割以上あってEVモードでマイパイロットを使って走行中にモード変更をすると一瞬だけB5指令が入力され、エンジンブレーキ動作準備の為にエンジンが暖機始動を開始すると言う欠陥プログラムがアウトランダーには組んであります、アホな車です。
この制御を仕込んだ奴はテストでアウトを運転した事あるのかな。
その他にP、N、Rのポジションではモード変更でB5指令が入ることはありませんでした、車として当たり前の事ですが一応書いておきます。

この異常な作りはシフトノブの表示で確認できます、上記の写真はDとBが同時に点灯している状態です。
シフトノブ表示以外にもメーター画面上でも一瞬だけB5に入るのか確認できますが、助手席に乗っているとシフトノブの表示がD→B→Dと不自然に一瞬チカチカ点滅するので凄く目立ちます、故障してるのかな。
まあ、表示だけなら三菱製だしこんなものでしょっと気にしないのですが、かなり不便な実害として
一瞬でもB5入るので回生ブレーキが利いている時だとエンジンブレーキ作動の為に強制エンジン起動となります。
分かりやすく説明すると、AT車のD(ドライブ)とL(ロー)が一瞬だけ同時に入り表示される時がある感じです。
本当にアウトランダーは奇妙奇怪な車です、どうしてこのような制御にしたのか三菱の技術者に聞いてみたいです、一体どんな合理的な理由があるのか思いつかない。
何れにせよ最高な一台を作りたいのならちゃんとテストして市場に車を売り出して欲しものです。